ミドル級世界王座連続防衛回数ランキング(記録関連) ボクシング選手名鑑ピックアップ! 2017/05/29

ミドル級世界王座連続防衛回数ランキング(記録関連) ボクシング選手名鑑ピックアップ! 2017/05/29
 
 
 

さて、久々に再開する階級別連続防衛数ランキング。
本日はミドル級。

中量級のビッグスターたちが頂点の一つとして目指す階級でもあり、
数々のビッグマッチが実現してきた超人気階級でもある。
そんなミドル級の王座に居座り続けた男たちのトップ10。
 

※WBA以前、NBA時代は除く。
 

ミドル級世界王座連続防衛回数トップ10

154~160ポンド (69.853~72.575kg)
ジャック・デンプシー(米)が初代の王座を獲得。
以降、積み上がった歴史は120年以上。

ライト級に次いで3番目に創設され、数々の名選手たちの激戦が刻まれた。
 
 

第1位 20度防衛 第6代IBF世界ミドル級王者

バーナード・ホプキンス(米)
 

“死刑執行人”と呼ばれたホプキンスがミドル級の連続防衛数トップ。
アマチュアでは99戦95勝4敗と飛び抜けた成績を残すも、様々な罪を犯して5年間の服役。
プロデビューは23歳と少し遅く、黒星スタート。

28歳で世界初挑戦。
ロイ・ジョーンズJr(米)とのIBF世界ミドル級王座決定戦。
こちらは判定で敗北し、王座獲得ならず。

その1年後に、またもIBF世界ミドル級王座決定戦に出場するものの今度は引分けで王座を取り逃す。
3度目の正直でセグンド・メルガド(エクアドル)に勝利して念願の世界王座を手に入れる。
ここからその強さを一気に見せつけ始めるホプキンス。

初防衛戦のスティーブ・フランク(ガイアナ)戦ではミドル級の世界戦で最速記録となる
24秒での勝利を収め、その後さらに11度の防衛を積み重ねていく。

1996年に開催されたトーナメント…WBA/WBC/IBF、それぞれの王者と、
ウェルター級で15度の防衛と2団体を制し、スーパーウェルター級でも2団体を統一した
フェリックス・トリニダード(プエルトリコ)が参加したこの破格のビッグトーナメントで
トリニダードを完璧に討ち砕いて優勝。

さらに防衛テープを19まで伸ばすと、WBO王者だったオスカー・デラホーヤ(米)をボディで悶絶させて
4団体統一、20度防衛の大記録を同時に達成する。
しかし次戦では、ジャーメイン・テイラー(米)に敗北し、10年以上に及ぶ政権は崩壊する。

テイラーとのリマッチにも敗北、2勝を挟んで、ジョー・カルザゲ(英)にも敗北。
しかし、二団体統一王者のケリー・パブリク(米)、かつて敗北したジョーンズJrへの勝利でチャンスをつかみ
二階級目となるライトヘビー級のWBC王者ジャン・パスカル(カナダ)にアタックする。

この試合では惜しくもドロー…しかしダイレクトリマッチでパスカルに勝利し、46歳4ヵ月にして王座獲得。
最年長世界王座獲得記録を更新するとともに二階級制覇王者となる。
この王座はチャド・ドーソン(米)に奪われるも、タボリス・クラウド(米)からIBF王座を奪う。
この王座を二団体統一し、三団体目で挑んだセルゲイ・コバレフ(ロシア)に敗北。

以降、しばらくブランクを作る。
しかし、つい先月に2年ぶりのリングに立ち…この試合では敗北。

ミドル級20度防衛の肩書からは信じられませんが、いつも負けからスタートしていたホプキンス。
この先もまたリングに立つことがあるのか、楽しみだったりします
御歳52才、果たして奇跡は…。
 
 

 

第2位 17度防衛 第81代WBA世界ミドル級王者

ゲンナジー・ゴロフキン(カザフスタン)

アテネ五輪銀メダリスト、世界選手権金メダリストのトップアマとしてプロ転向。
18戦全勝で、WBA世界ミドル級暫定王座決定戦のチャンスを手に入れ、
ミルトン・ヌニェス(コロンビア)を58秒で打倒して世界王者に。
直後に正規王者だったフェリックス・シュトルム(独)がスーパー王座に認定されたことで、正規王者へと昇格。

淵上 誠(八王子中屋)石田 順裕(グリーンツダ)の日本人2名を含むランカーたちを倒し続け、
5度目の防衛戦では米進出…
しかし、カザフスタンという出生地からなかなかビッグマッチには辿り着けず。

米に巨大なコミュニティを持つ国の選手であれば人気も出やすいが、
拠点となるコミュニティのないゴロフキン。
強いくせに人気がない…そんなゴロフキンはなかなか対戦相手に恵まれず、
“試されていない””安全運転のマッチメイク”などと揶揄されることさえあった。

10度の防衛とともにスーパー王者へ昇格。
12度目の防衛戦でマルコ・アントニオ・ルビオ(メキシコ)を圧倒してWBC暫定王座を吸収。
ここまで来てようやく本場での評価を高めてきたゴロフキン。

WBA王座14度目の防衛戦となったウィリー・モンローJr(米)戦で、
ようやく100万ドル越えのファイトマネーを手にする。
次戦ではIBF王者のデビッド・レミュー(カナダ)を圧倒し、3団体目のベルトを獲得。
この試合が初めてのPPV放送…
超人気のミドル級に5年半君臨し、しかも激しい試合を見せ続けながら…ようやくです。

PFP候補にも挙げられるようになり、ここからは有名どころとの対戦が続く…
ドミニク・ウェイド(米)ケル・ブルック(英)、そして直近のダニエル・ジェイコブス(米)
しかし、求められるのは超のつく人気者、サウル・アルバレス(メキシコ)との超ビッグマッチ。
いよいよこの戦いが9月にセットされています。
 

ブルック戦ではブルックがミドル級の実績がないことから、WBAがタイトルマッチと認めず、
連続防衛記録は足踏みしてしまいましたが…今後もまだまだ勝ち続けていきそうなゴロフキン。
ホプキンス超えも視野に入ってくる段階です。
 
 

第3位 14度防衛 第8代WBA世界ミドル級王者

カルロス・モンソン(亜)

デビューから21戦目までに3つの敗北と9度の引分けを記録するも、
最後の敗北から60戦負けなしの快進撃を見せ、
南米ミドル級王座とFABアルゼンチンミドル級王座の防衛を続ける。
81戦目にしてようやく手に入れた世界初挑戦。

相手はアマチュア時代のローマ五輪でモハメド・アリ(米)を抑えて、
最優秀選手に選出されたニノ・ベンベヌチ(伊)。
このチャンスをしっかりとモノにし、WBA/WBCの統一王座を獲得。
初防衛戦でベンヌチを返り討ちにして、モンソンの勝利がアップセットでなかったことを証明する。

そのまま連勝を続け、数々の強豪を撃ち倒していく。
9度目の防衛戦で迎えたのは、当時のウェルター級で猛威をふるっていたホセ・ナポレス(キューバ)
70年代の中量級ベストを決めるような試合を7RTKOで飾る。

ナポレス戦の為にWBCがオーダーしたロドリゴ・バルデス(コロンビア)との
指名試合を延期していたモンソン。
世紀の一戦を終えたモンソンが、わずかばかりの休養に入った為、
指名試合履行の意思がないと判断したWBCは王座を剥奪。
WBC王座の防衛は9度でストップすることとなる。
因みにこの9度はミドル級連続防衛ランキング8位に入っている。

8ヶ月の休養を経て復帰したモンソン。
その後もWBA王座の防衛を続け、13度目の防衛戦となった試合。
WBC王者となっていたバルデスとの因縁の試合が統一戦として実現する。

辛くも判定で逃げ切ったモンソンだったが、試合直前にバルデスの弟が刺殺され、
調整に失敗したバルデスが本調子とはほど遠かったことから二人は再戦。

リマッチでは2Rにダウンを奪われるなど劣勢に立ったモンソンだったが
怒涛の巻き返しを見せて、またも小差の判定で決着をつける。
この試合を最後に「もうリングの中で証明するものは何も無い」とコメントしてリングを去った。
 
 

さて、4位以下はこんな感じ。

 

第4位 12度防衛 第28代WBA世界ミドル級王者 フェリックス・シュトルム(独)(2期目)
第4位 12度防衛 第13代WBA世界ミドル級王者 マービン・ハグラー(米)
第4位 12度防衛 第15代WBC世界ミドル級王者 マービン・ハグラー(米)
第7位 10度防衛 第8代IBF世界ミドル級王者 アルツール・アブラハム(独)
第8位 9度防衛 第8代WBC世界ミドル級王者 カルロス・モンソン(亜)
第9位 7度防衛 第27代WBC世界ミドル級王者 バーナード・ホプキンス(米)
第10位 6度防衛 第スーパー代WBA世界ミドル級王者 バーナード・ホプキンス(米)
第10位 6度防衛 第4代IBF世界ミドル級王者 ジェームズ・トニー(米)
第10位 6度防衛 第7代WBO世界ミドル級王者 ロニー・ブラッドリー(米)
第10位 6度防衛 第35代WBC世界ミドル級王座 ゲンナジー・ゴロフキン(カザフスタン)
 
 

 
 

まずは超絶の技巧派、フェリックス・シュトルム。

アマチュア欧州王者の実績を備えてプロデビュー。
初の世界王座獲得は19戦目。ハビエル・ベラスコ(亜)の挑戦者が負傷したことによる代役挑戦。
急遽のチャンスを2-1の判定で切り抜け、WBO世界ミドル級王座を獲得。
しかし、2度目の防衛戦で、オスカー・デラホーヤに史上初の6階級制覇を献上する敗北。

その後は獲得したWBOインターナショナル王座の防衛を続けながらチャンスを待ち、
マセリノ・マソー(ニュージーランド)へ挑戦して、今度はWBAのベルトを獲得。
しかし初防衛戦でハビエル・カスティジェホ(スペイン)に敗北し、またも短期政権に終わる。

9ヶ月後、立場を入れ替えて挑戦したカスティジェホ戦で見事にリベンジ。
3度目となる世界王座を手に入れると、ここから長い防衛ロードをひた走る。
中には地元のクレーフェルトで佐藤 幸治(帝拳)を退けた試合も…

7度目の防衛戦後はスーパー王者に昇格。
トーマス・ハーンズ(米)の息子、ロナルド・ハーンズ(米)も沈め、防衛テープを12まで伸ばす。

13度目となった防衛戦はIBF王者ダニエル・ゲール(豪)との王座統一戦。
1-2のスプリットデジジョンで王座を陥落。

その後、IBF世界ミドル級王座決定戦でプレドラッグ・ラドセビッチ(モンテネグロ)を倒し、
4度目の世界王座に就くも、以前にドーピングでノーコンテストとなった因縁の
サム・ソリマン(豪)との再戦に敗れて陥落。

ここからはスーパーミドル級に階級を上げ、2階級制覇を達成。
しかし…今度はシュトルム自身のドーピングが発覚。
昨年秋から騒動の渦中にいる。
 
 

同じく4位の12度防衛にはマービン・ハグラーがWBAとWBCの二つのベルトでランクイン。

中量級黄金時代の一角を担った男。
徹底的に節制し、徹底的に鍛え上げた体と精神は「ストイック」という言葉の頂点。
ミドル級史上No.1にも上げられる実力は、攻撃、防御ともに隙が無く、
オーソドックスとサウスポーのどちらでも戦える…異名の「ミスターパーフェクト」がよく似合う。

しかし、49戦目で挑んだ世界初挑戦ではビト・アンツォフェルモ(伊)に引分けで王座獲得ならず。
10ヶ月後に、アラン・ミンター(英)からWBA/WBC統一王座を奪う。
以降世界戦7連続KOで防衛を重ねると、ウィルフォード・サイピオン(米)からIBF王座を吸収。

次戦では中量級四天王のロベルト・デュラン(パナマ)を下し、さらに10度目の防衛戦では
同じく四天王のトーマス・ハーンズを相手にボクシング史上もっとも濃厚な3Rとも言われる3RKO勝利。

その後12度目の防衛戦を最後に、WBA王座とIBF王座は放棄される。
12Rの試合を望んだ四天王最後の男と対戦する為に…。

WBC王座の13度目の防衛戦。
時代の勝者を決める頂上決戦。
長らく4人のスーパースターが大活躍した中量級、誰が一番強いのか?
「THE SUPER FIGHT」と銘打たれたシュガー・レイ・レナード(米)との対決。

結果は微妙な判定の末、レナードへ勝利が転がり、
ヘビー級中心であり続けたボクシングで、初めて他階級が主役となった時代が終焉した。
 
 

7位の10度防衛はアルツール・アブラハム。

アルメニア出身でドイツを主戦場にした2階級制覇王者。
ドイツ国籍を取得後にプロデビュー。
18連勝でIBF世界ミドル級王座決定戦のチャンスを得るとキンスリー・アイキキ(ナイジェリア)を
5Rで倒して王座を獲得。

元IBF世界スーパーウェルター級王者のラウル・マルケス(メキシコ)などを倒し
1つのノンタイトルを挟みながら王座を10度防衛。
王座を返上すると1階級上のスーパーミドル級最強を決めるべく開催された
巨大トーナメント、スーパーシックスにエントリー。

これまで対戦者の質に疑問を呈されてきたが、
かつてミドル級で4団体統一王者となったジャーメイン・テイラーに勝利。
しかし次戦のグループステージ1ではアンドレ・ディレル(米)
ダウンを奪われた揚句、スリップ後の過激で反則負け。
初黒星を喫してしまう。

さらに空位のWBC世界スーパーミドル級王座が賭けられた
グループステージ3ではカール・フローチ(英)に敗北。
2階級制覇に失敗する。
スーパーシックスの準決勝には進出するものの、
WBA世界スーパーミドル級スーパー王者のアンドレ・ウォード(米)にも敗北し
2度目の2階級制覇も失敗に終わり、スーパーシックスも敗退となる。

その後、2年弱の歳月を経て、ロベルト・ステイグリッツ(独)から
WBO世界スーパーミドル級王座を奪って念願の2階級制覇。
この王座は初防衛後、昨年のステイグリッツとの再戦で奪われてしまう。
まだまだ、トップ戦線に絡む位置におり、今後スーパーミドルでの再冠も期待できる位置。
現在36歳とキャリア晩年なのは間違いないが、最後の挑戦に向けて、着々と試合をこなしている。
 
 

8位の9度防衛にはカルロス・モンソン(亜)のWBC王座。
WBA/WBC統一王者となったモンソン。
14度防衛したWBAより先にWBC王座を剥奪されている為、WBCのベルトがこの位置にランクイン。
このベルトはWBA13度目の防衛戦で統一戦としてロドリゴ・バルデスを破り、手元に取り戻している。
 
 

9位には7度防衛で4団体統一王者のバーナード・ホプキンスが2本目に手に入れたWBCのベルト。
IBF13度目の防衛戦で統一戦としてキース・ホームズ(米)を破って獲得。
さらにフェリックス・トリニダードを破って手に入れたWBAのベルトは6度防衛で10位にランクされている。
 
 

10位の6度防衛はホプキンスの他、ジェームズ・トニーとロニー・ブラッドリーがランクイン。
 

ジェームズ・トニーはミドル級から3階級を制覇。
初防衛戦では直後にWBAのベルトを巻くレジー・ジョンソン(米)を破り、
マイケル・ナン(米)への挑戦を成功させ、既にスーパーウェルターとミドルを制していた
元2階級制覇王者のマイク・マッカラム(ジャマイカ)を迎えての引分け防衛はあったものの、
再戦ではきっちり決着をつけて6度防衛。

その後、アイラン・バークレー(米)に挑戦し、スーパーミドル級を獲得。
2階級制覇に成功する。
こちらは3度防衛に成功。

4度目の防衛戦でミドル級で返上したIBFのベルトを獲得し、後継王者となっていた
ロイ・ジョーンズJrと対戦し、大差判定で初黒星、王座を陥落する。

その後、トニーが世界戦の舞台に再度登場したのは8年半後。
ワシリー・ジロフ(ロシア)に挑戦し、IBF世界クルーザー級王座を獲得。
奇跡の3階級制覇を達成する。

さらにヘビー級で90年代を牽引したイベンダー・ホリフィールド(米)を破り
2003年の2度目のファイターオブザイヤーを獲得。
初の獲得は1991年の為、12年越しとなる二度目の受賞。
華麗に復活を遂げた。

2年後、WBA世界ヘビー級王者ジョン・ルイス(米)に挑戦。
判定で4階級制覇を達成…したかに思われたが禁止薬物の使用が発覚し
試合はノーコンテスト、4階級制覇は幻となった。

WBC世界ヘビー級王者ハシーム・ラクマン(米)に挑戦するも今度は引分。
その後もヘビー級のトップ戦線にしぶとく残り続けるものの、
挑戦者決定戦で連敗、2度目のドーピング発覚など下降線を描く。
晩年には総合格闘技にも進出するも結果は残せず。
 

ロニー・ブラッドリー。

ダビ・メンデス(メキシコ)との王座決定戦を制してWBOのベルトを獲得。
4度目の防衛戦ではウェルター級から2階級を制し、3階級目に挑んで来た
サイモン・ブラウン(ジャマイカ)を返り討ち。
5度目の防衛戦ではのちのWBO世界ミドル級王者オーティス・グラント(米)を相手に引分防衛。
さらにもう一度の防衛を重ねて王座を返上。

その後、試合間隔が開き始め、最後は格下と思われたダビ・アロンソ・ロペス(メキシコ)に敗北して引退。
圧倒的強さを誇った王者ではないものの、着実に残した6度連続防衛の記録が残ります。
 

2位に入ったゲンナジー・ゴロフキンのWBC王座がこの位置。

マルコ・アントニオ・ルビオ(メキシコ)からWBC暫定王座を急襲。
ここから4度防衛するとサウル・アルバレスの王座返上に伴って正規王者に認定。
メジャー4団体統一に向けて、残すはWBOのみとなっている。
 
 

さて、トップ10外。
地域別ではオセアニアからはダニエル・ゲールの第10代IBF世界ミドル級王座4度防衛。

アマチュア時代には東アジア大会の為、大阪を訪れている。
この大会ではゲンナジー・ゴロフキンに敗北。
のちのスーパースター対決が日本で行われていた…と思うと、
アマのリングを見逃すことがあまりにももったいなく思えてしまいます。

元WBA世界スーパーミドル級王者のアンソニー・ムンディン(豪)への敗北はあったものの
順調に勝利を重ね、敵地ドイツでセバスチャン・シルベスター(独)からIBF王座を奪取。

3度目の防衛戦ではWBA世界スーパーミドル級スーパー王者のフェリックス・シュトルムと統一戦。
中差判定で王座を統一する。

WBAのベルトはアンソニー・ムンディンのリベンジを実現させるため、
指名挑戦者だったゴロフキンとの対決を回避したことで剥奪。

ムンディンへの雪辱を叶えて4度防衛するしたものの
次戦でダレン・バーカー(英)に敗北して陥落。

翌年にはゴロフキンのWBA/IBO王座に、さらに翌年にはミゲール・コット(プエルトリコ)のWBC王座に挑戦。
いずれも王座獲得には失敗している。

昨年10月、IBOスーパーミドル級王座決定戦にも敗北。
35歳に達したベテランの再浮上があるのか…次戦の情報は未だ明らかになっていない。
 

アフリカからはディック・タイガー(ナイジェリア)が記録した初代WBA世界ミドル級王座の2度が最高。

母国ナイジェリアで圧倒的な強さを誇ったタイガー。
英国人プロモーターの目にとまり、英国に渡るものの、そこから4連敗。
その後、復調するものの勝ち負けを繰り返す。

さらに拠点を米国に移し、ここでも勝ち負けを繰り返すものの、
のちのライバルであるジョーイ・ジャーデロ(米)と1勝1敗を記録。

このあたりから、地域王座挑戦のサバイバルに突入。
強豪相手に3連勝を飾って挑戦者のコーナーを手に入れる。
ウィルフ・グレーブス(英)と対戦し、コモンウェルス英連邦王座に挑戦し1-2の判定で惜しくも敗北。
この試合はリマッチが組まれ、半年後にリベンジを飾って英連邦王者の椅子を手に入れる。

ここから怒涛の連勝街道を突き進んだタイガー。
NBA世界ミドル級王者だったジーン・フルマー(米)に挑戦する形で、
WBA世界ミドル級初代王座決定戦を行い15R判定勝ちでWBA初代王者に輝いた。

その後、フルマーとのリマッチでは引分防衛。
ラバーマッチではWBC初代ミドル級王座も賭けられ、完全決着となる7R棄権で勝利。

フルマーと決着をつけ、3度目の防衛戦となったジョーイ・ジャーデロ戦。
世界王座獲得前からのライバル対決としてラバーマッチとなったこの試合。
判定でジャーデロの手が上がり、王座を陥落。

その後、連勝を続けたタイガー。
ジャーデロとの4戦目にこぎつけ、この試合を制して王座再冠。
当時伝説となっていた古豪ピーター・ムエラート(独)とのノンタイトルを制するも
ウェルター級で王座4度の返り咲きを果たしていた、
エミール・グリフィス(米)を相手に陥落し、二階級制覇を許す。

この後、ライトヘビーに挑んだタイガー。
ホセ・トーレス(プエルトリコ)に勝利してナイジェリア初の2階級制覇を達成。
しかし、1970年代ライトヘビー級無敵のボブ・フォスター(米)に敗北。

その後も強豪との対戦を重ねるものの、エミール・グリフィスとの再戦に敗れて、
ナイジェリアの英雄はリングを後にした。
 

日本からは唯一、竹原 慎二(沖)が王座を獲得。
ホルヘ・カストロ(亜)を相手にまさかのアップセットで世界王座を獲得。
初防衛戦ではウィリアム・ジョッピー(米)を相手に陥落。

映像を見てみるとジョッピーに圧倒的に敗れ去る竹原に、カストロ戦の奇跡が際立つ…
そんな複雑な思いを抱かざる得ません。
 

日本人が絶対不可能とも言われた階級に起こった奇跡。

その再現が、ロンドン五輪での村田 諒太(帝拳)
プロ以上にシビアとも思われるアマチュアの世界一を獲得。
そして今月…世界戦の舞台でアッサン・エンダム(仏)を相手に試合を支配。
驚きの判定結果に王座獲得に失敗するも…WBAは二人のリマッチを指示。

試合には敗れたが、世界的に名を上げることには成功した村田。
破格のマネーゲームが繰り返されるミドル級において、金銭面の問題は残るものの…
村田が2度目の奇跡を起こすのか…。

強豪との対戦を重ねていけば、いずれ辿り着くだろうゴロフキン。
個人的には…ゴロフキンと戦えば、ゴロフキンのキャリアで1番の激戦になるのでは…と思っています。
それはシンプルな村田のスタイルだからこそ…。

どちらにせよ圧倒的不利予想がつくことでしょう。
そんな予想を、両の拳で切り開いてこそボクサー。
誰もが想像しなかった五輪金を叶えた実績。
そしてバケモノの一角であるエンダムに勝利に等しい試合を演じた実力。

村田は既に奇跡を体現したことのあるボクサー。
奇跡の起こし方は、他のどんな現役ボクサーより知っているはずである。
 
 

 
 

 

※記録は2017/5/29/時点
 
 

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