2025/07/20 -愛知・刈谷あいおいホール- 第1試合~第3試合(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!

2025/07/20 -愛知・刈谷あいおいホール- 第1試合~第3試合(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!

 

【ミニマム級4回戦】
白井 明聖(とよはし) vs 菅能 滝地(陽光アダチ)

ゴングとともワンツーを突き刺していく菅能。
いきなりの攻勢に後手に回る白井だったが、菅能の旺盛な手数の中を耐えながら
狙いすましたように右ストレートを一閃。
以降、白井が耐えて強打を返す展開へと傾き、ラウンド終盤には菅能の手も収まり始める。


2R、菅能の撃ち終わりを強烈に捉える白井。
上下に打ち分けながら、ラウンド後半には猛烈な手数で襲い掛かる。
菅能はボディを返して反撃。


3Rも前に出るのは菅能だが、白井は下がりながらも強烈に捉える。
何度も何度も派手に顔面の跳ね上がる菅能だが、前に出てボディを叩き続ける。
上は白井が巧く外して派手なヒットはなかなか産まれず。


4R、残り3分、最後にかけて攻め込む菅能だが、迎え撃つ白井が的確さで勝る。
激しい撃ち合いとなるなかで、はっきりと白井が上回るが
それでも菅能の前へ進む足は止まらず、押し込み続ける。

試合は撃ち合いの構図を変えぬまま、試合終了のゴング。
会場からは大きな拍手が贈られた。

マイジャッジは39-37で白井。

公式ジャッジ

39-37×2
40-36

3-0 勝者:白井


しっかりと攻め切ったいいデビュー戦で白井が見事勝利。
出し切った姿はとよはしの選手らしいボクシングのようにも思えた。
これから描いていくボクサーズロードが楽しみになった。

攻め込まれる中で、前に出続けた菅能には胸が熱くなった。
何かが大きく劣るわけでもなく、デビュー以来の連敗が不思議にも思えた。
プロで勝ち星を挙げる力は間違いなくある選手。
彼の初勝利の吉報が届く日を楽しみにしていたいと思えた。


白井 明聖 1戦1勝
菅能 滝地 3戦3敗

 

【スーパーバンタム級4回戦】
脩 真(とよはし) vs 中井 裕人(西遠)

頭一つ大きなサウスポーの中井が懐深く構える。
思い切って踏み込む脩真に対し、コツコツとパンチを重ねていく中井。
終盤に脩真が飛び込みながら強烈なクリーンヒットを浴びせるも、
直後に中井が左ストレートで反撃。


2Rもしっかり踏み込んで時折ヒットを奪う脩真。
しかし撃ち終わりに中井がヒットを重ねる場面が目立つ。
攻めあぐねる脩真、撃ち終わり狙いを徹底する中井。


3Rもらいながらも強引に入って右ストレートで捉える脩真。
ここに来て脩真にとって光明が見え始めたか、
形汚くでも入ることでクリーンヒットが立て続く。
しかし、ラウンド終盤には中井が距離を修正したか脩真の右が届かなくなる。


4R、とにかくがむしゃらに攻め込んだ脩真。
明らかに持て余したように見えた中井だが、攻め込んでくる中井を
コツコツコツコツ叩いてヒット数をあげていく。
冷静に中井が自分のボクシングを貫き、試合終了のゴング。


マイジャッジ 39-37 中井


公式ジャッジ 

39-37×2
40-36

3-0 勝者:中井


デビュー戦から長身サウスポーというやっかいな相手と対峙した脩真。
拳が届かない時間は長くとも、トライし続けた。
最終的には「がむしゃら」に拳を当てていった。
窮地に陥ったとき、形が崩れても…のなりふり構わぬ戦いは
驚きのエンディングを産むことがある。
プロとして戦っていくに相応しいマインドは見せてくれたと思っている。


体の利点を生かし、懐深く構えて距離を遠くとった中井。
自分の持ち合わせるもの最大限に生かそうとする姿に攻略の難しさを感じた。
長らくA級ボクサーを産んでいない西遠ジム。
老舗ながら看板不在の時間を多く過ごした中で、
もしかしたらを思わせるボクサーが出てきたように感じる。

これだけボクシング動画が手軽に見れる時代、
「面白い」の価値観も多様化していくだろうと思える。

自身の持ち得る武器をスタイルに落とし込んで、強さを最大化していく。
単純な倒し倒されではない面白さがそこにある。
のめり込んだ先にある「面白いボクサー」。
原石を見つけたような思いになった。

脩 真 1戦1敗
中井 裕人 2戦1勝1敗

 

【バンタム級6回戦】
小川 椋也(天熊丸木) vs 大城 雄都(トコナメ)


両者ジャブを突き合う立ち会がり、ボディから上へ叩く小川。
重たく右をねじ込むように撃ち込む大城。

小川の左ボディに合わせた大城の右オーバーがきわどいタイミングで飛ぶ。
一発で終わる予感も漂わせる一撃に背筋が凍る。


2R、大城が入ってくるところに合わせる小川の右が強烈に刺さる。
撃ち合いの場面でもコンビネーションで撃ち込む小川がはっきりと手数で勝るか。
頑丈な大城を効かせるような場面は見えないが、
ファイトの巧みさと回転で小川が見栄え良く戦う。
ただし、大城の一発一発が持つ怖さは失われず。


3R、至近距離の攻防の中で、相手のパンチを外しながら
小さく回転よくパンチを浴びせる小川。
3つもらえば3つ返し、上回らせることはない。
巧み巧みに小川がファイトを制していく。


4R、旗色悪い状況の大城が前に出る。
これまで以上に圧を強め、ボディから顔面へ手数を出していく。
試合はファイター対決の色を増し、撃ち合いへと展開。
体で押し込みながらパワーで勝る大城、小さく細かく丁寧にヒットを重ねる小川。


5Rも終始撃ち合う展開。
的確さとまとめる数で上回る小川だが、強烈にボディをえぐっていく大城。
小川が失速すれば、一気に刈り取ってしまうようにも思える重厚な攻め。
削り切れるか…試合は最終ラウンドへ。


6R、真っ向から撃ち合うファイター二人。
小川が細かく襲えば、大城もスリリングなパンチでまとめる場面を作る。
一進一退の撃ち合いがタイムアップまで延々と続いた。


マイジャッジ 58-56 小川

公式ジャッジ
58-56×2
59-55

3-0 勝者:小川


信じられない思いだった。
小川、これほど巧くなるかと…。
大城のパンチの内側を小さく小さく撃ち込み続け、
大城に手を出すタイミングを与えず…
自分が出すだけでなく、相手の手数を抑制してポイントを奪っていった。

作られた分厚い肉体を見れば、大城がこれまで積み重ねた努力の量ははっきりとわかる。
勝利者コールの瞬間、自分がコールされたと思って勝利の雄たけびを挙げた姿は
勝利を信じて戦い続けた18分を物語っていた。

まっすぐに向かっていくファイター大城。
敗戦した試合ではあったが、彼の魅力も存分に発揮された試合に思えた。


小川 椋也 9戦5勝(1KO)2敗2分
大城 雄都 11戦6勝(2KO)5敗

 

 

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