2025/03/30 -愛知・愛知県国際展示場- 第1試合~第3試合(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!
【64.5kg契約8回戦】
宮川 竜成(尼崎亀谷) vs ナタワット・マニーウォン(タイ)
ゴングとともにプレスをかけていくサウスポーの宮川。
強烈な左アッパーでナタワットの顔面を跳ね上げた宮川。
ナタワットは不意を突いて強打を返す。
力強く拳を撃ち込んでいく宮川だが、ナタワットのガードは固い。
2R、鋭く飛ばすナタワットのストレートをガードで受けて詰めていく宮川。
両者とも上のガードが堅い中、時折強烈なボディを差し込む宮川。
終盤、宮川がガードの隙間に左ストレートを叩きこんでダウン奪取。
立ち上がったナタワットをロープに詰める宮川。
しっかりパンチをまとめてレフリーストップを呼び込んだ。
TKOタイムは2R 2分37秒
ナタワットのパンチは鋭く重く見えたが、宮川には届かず。
宮川の固いガードに弾かれてしまった。
相手に何かをさせる隙も与えず、一方的な勝利を飾った宮川。
力強く見事なストレートでダウンを奪うと、逃すことなくパンチをまとめた。
しっかりと仕留めきった姿には、勝つにあたって為すべき時に為すべきことをしたように思える。
重く力強い拳がどこまで通用していくか、楽しみに感じた。
宮川 竜成 6戦6勝(2KO)
ナタワット・マニーウォン 13戦8勝(6KO)5敗
【60kg契約4回戦】
イエシボラチ・ナスイウラ(中) vs 亀田 正毅(TMK)
両者スピーディーにスリリングに拳を交換する二人。
ナスイウラのカウンターがスリリングに襲い掛かるが、
ラウンド中盤以降、亀田のボディからのコンビネーションが目を引く。
終盤には連打の中のアッパーでナスイウラの顔面を捉える。
2R、鋭いジャブからコンビネーションにつなげる亀田。
ナスイウラの強打は素早いボディワークでいなしていく。
一方的な展開になりかけるが、ナスイウラはもらいながらも
間に危険なパンチを差し込んでわあわやを匂わせる。
中盤にはナスイウラが右ストレートをさく裂させて、一瞬亀田が止まる。
3R、パンチも多彩にナスイウラを襲っていく亀田。
ガードの間に狙いすましたようなアッパーを撃ち込むなどテクニックを見せつける。
ナスイウラの攻撃も綺麗にかわし、ほとんど被弾なく戦い続ける。
4R開始直後、ナスイウラが強烈に右をさく裂させる。
足を使っていったん距離を取る亀田。
出てくるナスイウラのパンチに空を切らせ、自身のパンチを強烈に打ち込んでいく。
亀田が足を使うと試合は一方的に。
5R、足を使ってナスイウラを翻弄する亀田。
時折ナスイウラの拳が届いても、後続打は許さず。
繰り出すコンビネーションのすべてを
ボディワークでかわし切るなど実力を見せつける亀田。
6R、ナスイウラの右が亀田を捉える場面が増え始める。
しかし、終盤に入るとヒット&アウェイで叩きつけられる強烈なパンチを浴び続けるナスイウラ。
それでも前に出て拳を出し続けるが、最後まで届かず。
マイジャッジ 60-54 亀田
公式ジャッジ
60-54×3
3-0 勝者:亀田
一発一発、斬って落とされてもおかしくない威力で拳を叩きこまれていたナスイウラ。
早々に鼻血を吹き出しながらも、最終ラウンドまで動きを落とさず攻め続けた。
タフにしつこく攻め続けたが、相手が強すぎた…その拳が逆転を起こすことはなかった。
ただ、どれだけもらってもタフに攻め続け、
アマチュアで国を代表するレベルの選手に効かせる場面を作った。
強い相手に立ち向かっていく姿は、国籍関係なく胸を撃つ。
いい選手を見れたように思う。
亀田については、その実力がA級戦線でも上位に位置するだろう力を示した。
コンビネーションすべてをボディワークでかわし切る芸当も見せ、
当たったように見えるパンチも柔らかくいなしてしまう。
国内、アジアクラスであれば「難攻不落の王者」になってくれるようにも思える。
これだけの強さとアマ実績があればマッチメイクも難航するだろうと感じる。
国内トップ戦線へ跳び込めるか…その前にはランキングをどう奪うかもある。
南アフリカ代表として世界選手権にも出場した「亀田家の四男」。
世界選手権は国内で1番ではなく、その地域(大陸)でトップ数人に入らないと出れないもの。
アマ国内王者以上の実績であり、アマチュアで何冠とっても、国際大会で勝てなければ出られない。
アマエリートと言われる選手の中でもずば抜けたもの。
実力、実績は間違いない
この選手が、異国日本で愛されてくれることを願いたい。
イエシボラチ・ナスイウラ 9戦4勝(1KO)3敗2分
亀田 正毅 1戦1勝
【バンタム級8回戦】
辻 永遠(MR) vs 梅津 奨利(三谷大和S)
ジャブを刺し合う立ち上がり、
最初のビッグヒットは辻の右ストレート、続けざまに左フックで捉える。
終盤には梅津の体が流れたところに左右フックをまとめた辻。
しかし梅津も左フックを叩きこんで反撃して見せる。
2R、お互い強烈に振り合う展開の中、
中盤には辻がコンビネーションを叩きこむ。
ラウンドが終盤に向かうにつれ、ボディ、顔面と辻が捉える場面が目立つ。
特に巧みに差し込まれるアッパーは派手に梅津の顔面を跳ね上げる。
3R、ボディから顔面を捉える辻だが、梅津は撃ち終わりに拳を叩きこむ。
ラウンド中盤には激しい撃ち合いへ。
終盤いったん落ち着くと、梅津のクロスが辻を何度も捉える。
4R、圧力強く詰め、コンパクトに辻を襲う梅津。
距離ができると、辻野パンチが強烈に刺さる。
そんな展開の中での中盤、梅津の右が刺さると辻が揺れ、クリンチに逃れる。
ここから展開が変わり始め、梅津のパンチが辻を捉える場面が目立つ。
終盤の撃ち合いではほぼ互角の展開の中で、辻がボディを強烈に襲う。
ラウンドの中でも目まぐるしく主導権が揺れ動く。
5R、撃ち合いとなる中で辻の右目上にできていたバッティングカットの傷が開く。
激しくパンチを交換しあう拮抗した展開の中、最後梅津が撃ち勝ったかに思えたところから
ラスト数秒で次が連続で捉えて盛り返す。
6R、撃っては撃たれの展開、辻がアッパーで
梅津の顔面を跳ね上げれば梅津が右クロスで辻を捉える。
ラウンド終了間際、梅津がコンパクトに捉えると一気にパンチをまとめる。
7R、アウトボクシングに切り替えた辻が大きく距離を取り、
入って来る梅津を強烈に捉え始めるが、ラウンド中盤には梅津が詰めて
左フック、右ストレートで捉えて見せる。
撃ち合いとなる場面では梅津が辻のパンチを外してコンパクトに強烈に捉える。
しかし、そこから辻がワンツーでアゴをえぐる場面を作り、
アッパーで梅津の顔面を跳ね上げるなど、一進一退の展開は変わらず。
8Rも足を使う辻。
入ってくるところを綺麗に捉え、至近距離でっしっかりクリンチ。
しかし、ラウンド中盤には梅津が右オーバーハンドをさく裂させる。
最後はお互いに攻めに入り、もみ合うような体制からパンチを交換し合って終了のゴング。
マイジャッジ 76-76
公式ジャッジ
77-75 梅津
76-76×2
1-0 ドロー
やられたらやり返す。
目まぐるしく主導権を奪い合いながらの激戦となった。
試合の半分以上はスイングラウンド。
どう採点がついてもおかしくない対戦は、
全体を通して拮抗した内容そのままにドローとなった。
階級上のランカーに引き分けた梅津にとって殊勲のドローとなるか。
リーチのある辻にコンパクトに攻め込んでいった。
内容としては、最後の最後、辻がアウトボクシングでドローをもぎ取った形に見えた。
普段は見れない、東日本、西日本の選手の戦い。
中立地中日本で繰り広げられた激戦はまだまだ続きが見たいと思わされた。
どのタイミングでも構わないが、二人の決着戦が見たいと思わされた。
辻 永遠 10戦9勝(6KO)1敗1分
梅津 奨利 14戦11勝(7KO)1敗2分
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