日本が生んだ名王者② 大橋 秀行(ヨネクラ)① ボクシング選手名鑑ピックアップ! 2015/11/11
大橋 秀行(ヨネクラ)の戦績を振り返る前に…
これまでの自分の記事…読み返してみるとほんとに酷い。
戦績を追うことに一生懸命になりすぎて、「伝えたいこと」の道筋で道草ばかりの文章…。
こんなんでも読んでくれてる人がいると思うと、申し訳ない気分です。
大橋さんの記事を書くのは、リクエストもらってたこともあって前々から決まってたんですが、
どういう内容にしようか…っていうのは少しボンヤリしてたんですよね。
それが、ちょっとビン!ってアンテナが立つことがありまして…。
それが、亀田 興毅(亀田)の引退。
興毅の引退に際して、大橋さん、こんなコメントを出してます。
(17歳の興毅が出稽古に来た時を振り返り)
「フットワーク、スピードが全く違った。あの時から強い選手とやっていれば……」
大橋さんらしいなって思ったんです。
150年に1人の天才として売り出された大橋さん。
これは具志堅 用高(協栄)が100年に1人と言われてたんで、具志堅以上って意味でこうなったらしいです。
大橋 秀行は鳴り物入りでデビュー後、わずか7戦目で世界に挑んで無残に散りました。
その時の王者が、このピックアップに以前から何度も出てくるチャン・ジョング(韓)。
ライトフライ級15度防衛の伝説のチャンプです。
この後、3度目の世界挑戦でようやく手に入れたベルト。
これを手放した時の挑戦者がこれまた伝説の王者、リカルド・ロペス(メキシコ)。
ミニマム級、ライトフライ級、活躍した2階級の歴史上最も偉大な王者と戦った人なんです。
とんでもなくぶっちぎりで強かったチャン・ジョング。
戦った時の大橋さん、プロになって2年弱ですよ。
亀田引退の時のコメントを見てみるとね、チャン・ジョング戦が
自分のボクシングにおける財産になっていると心底思ってるんだなって感じるんです。
井上がオマール・ナルバエス(亜)とやるって知ったとき、
大橋さん、井上を負けさせる気なんじゃ…ってホントに思ってました。
大橋さんの現役時代のレコードを知ってると特に…。
早い世界挑戦で負けた八重樫もその後、2階級制覇を達成。
強者と戦って負けても成長させる。
そんな方針が凄く強く見える。
チャン・ジョングに挑む自分と、ナルバエスと戦う井上を重ねてるんじゃないかと…
ナルバエスってほんっとに凄い王者なんだよ?
ノニト・ドネア(比)でさえ判定までもつれ込んだ…
日本で言うところの西岡 利晃(帝拳)や山中 慎介(帝拳)レベル…で届くかな?…ってレベル。
実績で言えば、大差でナルバエスに軍配が上がる…。
それをあんなバッコバコ倒して…
そこで思い出したのが、大橋ジム初の世界王者になった川嶋 勝重(大橋)のお話。
挑んだ王者は徳山 昌守(金沢)。
徳山もスーパーフライ級の名王者に数えられる1人ですよね。
1度目は判定で負けちゃいますが、運よく2度目のチャンスを得られた…。
大橋会長は川嶋が1RでKOするって予言するんです。
誰もがそんなバカな…って。前回全然歯が立たなかったじゃん!って…。
川嶋は1RKOで徳山時代を終わらせるんです。
のちにあれはハッタリだったって言ってるんですけどね…
井上とナルバエスの試合見て、絶対ハッタリじゃなかった!って思っちゃいました。
勝てる算段があってやったんだと。
あ…これは策士大橋パターンだったのか!!って。
よくよく考えてみたら大橋ジムの世界挑戦って無謀だ…って思える試合をアップセットで勝つパターン。
…けっこうあるんですよね。
これ…大橋ジムのギャンブルマッチは勝算があってやってるとしか思えない…。
もしかしたら八重樫 東(大橋)Vsローマン・ゴンサレス(帝拳)も何らかしらの勝算があったのかもしれません。
ちなみに、大橋さん。
他の格闘技にもめっちゃ詳しい。
横浜高校のボクシング部主将だったころ、
隣で練習してたレスリング部に後輩を使って異種格闘技戦を仕掛けてたらしく…。
山中慎介、亀田 興毅、亀田 和毅(協栄)…バンタム級のベルトが3つ国内にあった頃、
にわかに山中vs亀田の統一戦を…って声が出たことがあった。
そしたら大橋さん…いきなり女子プロレスの話をしだしちゃうんです。
「それをやっちゃうと、次にやることがなくなる。“バブル崩壊後”みたいになっちゃうことが怖い」
「北斗晶VS神取忍という当時の女子プロ最高カードをメーンに横浜アリーナでやって、
凄く盛り上がったけど、その後がさっぱりになっちゃったじゃないですか」
うん…解りやすい。
日本のボクシングってね、他の格闘技に比べると凄く閉鎖的。
ファンもそうなんだけど「これはボクシングなんだから」って他の格闘技と別個にして考えちゃうことが多い。
その分、組織が崩壊しにくくて、一時的なブームや衰退はあっても
脈々と続いてきたって利点はあったんだけど…。
他の格闘技だって同じ興行だっていう点だったり、他にもいろんな共通点がある中で、
「これはボクシングだから」ってならない大橋さんはその辺の頭が凄く柔軟だと思うんです。
K-1がボクシング選手をK-1に引き入れようと躍起だったときに、
別格闘技の選手がボクシングに参戦するのを提案してたり…。
ボブ・サップとオケロ・ピーター(緑)がボクシングで試合するの…ちょっと見たかったな。
特にヘビー級は選手が枯渇してたんで、あの頃そんなふうになってたら…って思うと身震いする。
日本プロボクシング協会(JPBA)会長。日本ボクシングコミッション理事。
そんな立場があっても、技術的なところはズバッと言いきる。
「モハメド・アリの得意技はサミング」
えぇ!!?言っちゃった!!!って思った。
Wikiから転載なんですが…
———
格闘技に理解を示す一方、K-1 WORLD MAXでの魔裟斗vs川尻達也の試合で、川尻のセコンドについた山田 武士については、東日本ボクシング協会会長として
「ルールとして他格闘技のセコンドについてはいけないのは山田氏も知っている。見逃すわけにはいかない」と厳しい処分を下した。
だが全てを否定したわけではなく、この試合での山田の早めのタオル投入を、大橋は「良い判断だった」と高く評価した。
———
理にかなってて何も言い返せないし、山田さん褒めちゃってるし…。
っつかファンじゃん!!めっちゃ試合見てたじゃん!って…。
この人のコメント見てるとね、他の格闘技もそうだけど、ボクシングも、大好きなんだなぁ…って思っちゃう。
協会側として、トレーナーとして、元世界王者として…いろんな立場で的確にコメントするんだけど、
僕らファンが凄く親近感がわくようなことも、ちゃんと言ってくれるんですよね。
彼自身がボクヲタだったりするのかな…と思っちゃう。
そんな魅力的な大橋会長の戦績…ごめんなさい、前置きが長くなりすぎました。
・・・・・・・・・・・明日からじっくり振り返ります。
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