2025/08/03 -愛知・刈谷あいおいホール- 第6試合~セミファイナル(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!
【フェザー級4回戦】
■2025年度中日本フェザー級新人王決勝
植松 風河(駿河男児) vs 硲 翔大(カシミ)
お互いに左フックを振るい合った瞬間、膝を着いたのは硲。
立ち上がった狭間を攻め立てることはせず。
落ち着いてリスタートした植松。
同じ左フックのカウンターで、硲が2度目のダウンを奪取。
レフリーはダメージの深さを見て取って試合終了を宣言した。
TKOタイムは1R 2分23秒
落ち着き払って仕留めた植松。
仕留めたあとは「当然!」との風格でゆったりとニュートラルコーナーへ向かった。
見事MVPも獲得し、強さを証明して見せた。
全国の新人王ファンからの注目度も急上昇だ。
対して即決のKO負けを喫した硲だったが、ただただまだ早かった。
まだまだボヤっとしたシルエット、「硲のボクシング」が見えない…。
そんな未完成も未完成の中で決勝へたどり着いたことが凄い。
全戦全勝で駆け上がる選手ではないと思うが、2~3年後まだリングに残っていれば…
負けから立ち上がる強さがあれば注目株へ成長の予感。
植松 風河 7戦6勝(5KO)1敗
硲 翔大 3戦2勝(2KO)1敗
【スーパーフェザー級4回戦】
■2025年度中日本スーパーフェザー級新人王決勝
知賀 竜一(LUSH緑) vs 加藤 陸(松田)
お互い遠い距離からジャブを刺し合う立ち上がり。
ほとんど拳の届かない探り合いの展開。
知賀がヒットさせた飛びかかるような左フックが印象に残ったか。
タイミングを探り合いながらジャブを撃ち合う。
左手一本の勝負…加藤がやや上回るか。
ジャッジ泣かせのきわどい展開。
3R開始直後、ジャブから右ストレートにつなげた加藤
カウンターで突き刺して大ダメージのダウンを奪取。
再開後、仕掛けたのはダメージを負った知賀のほう。
詰めて行って左フックを浴びせる…ここはクリンチに逃れた加藤。
わずかに訪れたピンチだったが、ジャブから仕切りなおす。
また駆け引きの展開になると、今度は右アッパー一閃。
リングに大の字に倒れた知賀にレフリーは試合をストップした。
TKOタイムは3R 3分3秒
知賀が優勝候補相手に互角の展開を演じた。
3Rの右ストレート一撃に試合を決定づけられたが、
技術のある加藤に対し、前半を駆け引き勝負で渡り合った。
敗れはしたが、今年の中日本新人王トーナメント中の成長度No.1。
来年が楽しみな選手と感じている。
前戦に引き続き、加藤が右ストレートで試合を決定づけた。
他の鮮烈なKOに隠れたが、例年なら三賞でもおかしくない戦いぶり。
今後、相手の警戒が深まることも予想されるが、
仮にその上を行くなら…伝家の宝刀化なるか!?
全日本新人王まであと3勝…
加藤の右ストレートに注目していきたい。
知賀 竜一 4戦1勝(1KO)2敗1分
加藤 陸 5戦5勝(3KO)
【ライト級4回戦】
■2025年度中日本ライト級新人王決勝
バンザイ・リオン(天熊丸木) vs 山本 怜生(中日)
入ってくるところにパンチをまとめるリオン
押し込んでパンチを集めていく山本。
ファイトを展開する二人だが、お互いの距離にわずかに差があり。
密着した近い場所で回転よく襲うのは山本の方。
その密着する前でまとめるのがリオン。
2Rもコーナーで真っ向からの撃ち合い。
序盤は山本が回転で上回るか…強烈に返し続けたリオン。
終盤には山本の手数が落ちる…撃ち疲れか、削られたか。
3R、撃ち合いの中、一発効かせるとそこから一気にまとめた山本。
リオンに返すタイミングを与えぬまま怒涛の連打。
たまらずレフリーが止めに入って試合終了。
TKOタイムは3R 27秒
一進一退の攻防だった。
そんな中、山本がたった一発効かせた場面でまとめ切り
レフリーストップを呼び込んだ。
拮抗した展開の中、一発効かされて仕留められたリオン。
そこまでの展開も互角だったが、勝負に来た相手に対して
あの場面を耐えきればチャンスが待っていた可能性も高い。
まさに紙一重…。
鮮烈KOや激戦を重ね、存在感は抜群。確固たるポジションに立ちつつあると感じた。
そしてまたも山本が試合巧者っぷりを発揮。
互角の展開の中、1発効かせた瞬間を逃さずにまとめ切った。
楽ではない展開の中、残り1Rの場面で勝負を賭けれる度胸と嗅覚。
その実、鳥肌モノの仕掛けで中日本新人王を強奪!!
この男の勝負強さはズバ抜けているようにも思える。
全日本新人王期待!
バンザイ・リオン 4戦1勝(1KO)2敗1分
山本 怜生 3戦3勝(1KO)
【スーパーライト級4回戦】
■2025年度中日本スーパーライト級新人王決勝
ホートンロビン 健太(北陸イシマル) vs 島田 ネン(とよはし)
ゴングとともに襲い掛かったロビン。
ガードを固めて強烈なパンチを返す島田。
当たればKOのパンチの繰り出し合う中、島田の右がカウンターで炸裂。
ダウン時に足首が逆に曲がる骨折となったこともあり
試合は即座にストップとなった。
TKOタイムは1R 39秒
デビュー戦と同じくゴングとともに襲い掛かったロビン。
大怪獣対決は迫力満点。
KOに散ったが、この日一番の試合を作った殊勲の戦いぶり。
大けがを負い、回復やリハビリに時間はかかると思うが、復活を待ちたい。
いずれ「英国育ちの激闘王」と呼ばれてほしい選手だ。
襲い掛かったロビンに対し、当たったもん勝ちのKO…と見られだが、
その実、落ち着いてガードしながらカウンターで仕留めている。
猛烈なパンチの嵐が降りかかる中で、強打MAXのカウンターはタフネスへの自信か。
動じなかった強心臓も逸品。
この勢いで全KOでの全日本新人王の絵も浮かぶ。
ホートンロビン 健太 2戦1勝(1KO)1敗
島田 ネン 2戦2勝(2KO)
【50Kg契約4回戦】
倉坪 惇希(HEIWA) vs 安井 新空(松田)
ゴングとともに攻めていく倉坪。
ロープまで下がって迎え撃ちパンチをまとめる安井。
安井がとにかく前に出る倉坪の顔面をカウンターで跳ね上げる。
倉坪は追いかけながら右ストレートで安井の顔面を跳ね上げる。
2R、詰めて行って手数を出すのは倉坪。
下がりながら返す安井の方がパンチ一つ一つの印象はいいか
強烈なボディが印象に残る。
ラウンドラスト10秒は撃ち合いとなる。
3R、安井のボディで明らかに動きが止まる倉坪。
徹底的にボディを叩く安井に、もうだめかと言うところで右を返す倉坪。
KO負けすれば中日本・西部日本新人王対抗戦の権利を失う倉坪。
安井にとってはあと少し…のところでKOに至らない展開。
4R、ロープ際で倉坪が右を浴びせると安井が揺れる。
大逆転を匂わせる展開、安井はクリンチへ…。
なんとかサバイブして生き延びる安井…逆転のKOを奪いに行く倉坪。
3Rとは立場を逆にする中、安井が粘り切って試合終了のゴングへ。
39-37 安井
38-38×2 ドロー
1-0 ドロー
デビュー戦で今年の中日本新人王をあと一歩まで追いつめた安井。
中日本ライトフライ級4回戦は現在選手数が少ない傾向。
熱い熱いシーソーゲームを演じてニューフェイスが登場した。
KO負けは3ヶ月出場停止となるため、この日KO負けなら対抗戦への出場資格を失う倉坪。
大ピンチに陥りながらも最後は逆転KOまであと一歩に迫るドロー。
見ればわかる!ド根性香る熱血ボクシングで、対抗戦へと向かっていく。
倉坪 惇希 2戦1勝(1KO)1分
安井 新空 1戦1分
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