2018/9/24 -武田テバオーシャンアリーナ- 3試合目、セミファイナル(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!

2018/9/24 -武田テバオーシャンアリーナ- 3試合目、セミファイナル(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!
 
 

【フェザー級6回戦】
竹嶋 宏心(松田) vs キキ・マルシアノ(インドネシア)

竹嶋 宏心 1戦1勝(1KO)
キキ・マルシアノ 16戦8勝(4KO)5敗3分(BoxRec:3戦1勝2敗)
 

1R、ガードを固めて低く構えるマルシアノ。
時折大きく振るうマルシアノだが、手数は少ない。
しかし、体をくの字に折るマルシアノに対し、安易に入れば頭が当たるだろう攻めづらい状態。

竹嶋は一定の距離を保って安全圏から左右を突き刺していく。
そして、タイミングよく入るシーンも作り、ラウンド終盤にはボディでダウン奪取。
立ちかがったマルシアノ、竹嶋が仕留めるまでには少し時間が足らず、ラウンド終了。
 

2R、長い距離ではしっかりジャブを浴びせ、
出入りしながらボディを突き刺していく竹嶋。
最後はこらえきれずに、マルシアノがダウン。
大の字でカウントアウトとなった。
 

KOタイムは2R 1分52秒。
 

体格差も実力差もあったが、あれほど頭の低い相手に対し
頭の衝突が全くなく出入りした部分は流石に思えた。
簡単に仕留めたように見えたが、その実、やりづらさはあった選手に思える。

マルシアノはほとんど手数を出せず…。
遠い距離から突き刺され続け、撃てないタイミングで入って来られ…。
スピード差も圧倒的な中でどうにもできなかったように見えた。

これで6回戦2勝目となり、次戦ではA級昇格となる竹嶋。
しっかり上で戦っていけるポテンシャルは示したように思える。
さて…ここからどういう道のりを歩んでいくか。

自前で興行を持つ老舗、松田ジムの中心選手となるだろう存在。
今後の道のりを見て行きたいと思う。
 
 

■WBCフライ級ユース王座決定戦
【フライ級10回戦】
アプリリャント・ルマーパサル(インドネシア) vs 畑中 建人(畑中)

インドネシアフライ級6位
アプリリャント・ルマーパサル 8戦5勝(2KO)2敗1分(BoxRec:3戦1勝2敗)

日本フライ級12位
畑中 建人 6戦6勝(6KO)
 

名古屋で愛されるプリンスがセミファイナルに登場。
WBCフライ級ユースタイトルマッチとあって会場のテンションも高い。
「建人」の名が入った大きな旗が振られ、大量の幟旗の中を入場。

畑中ジムの二番手だった林 翔太(畑中)が引退し、
さらに田中 裕士(畑中)も左肩の怪我でブランクを作った。
その間、畑中が空いた穴を埋めるように日本ランクを手に入れ、20歳を迎えたばかりの青年が
ジムの出世頭である田中 恒成(畑中)の下を支える一人になってきている。

盛り上がる入場を終え、試合開始のゴング。
 

1R、足を使うルマーパサルに対し、ジャブを撃ちながらプレスをかけていく畑中。
相手がロープに詰まるまでは仕掛けず、詰めたところで上下にダメージを与えていく。
ラウンド中盤には思い切り振って反撃するルマーパサルだが、畑中は落ち着いて対処。
 

2Rも1Rと同じ展開…きっちりとリスクを排除し危なげない試合を創る畑中。
タイトルマッチながら、先を見据えた戦い方に見える。
もうワンランク上で勝負するための…。
 

3R、畑中が猛烈にルマーパサルのボディをえぐる。
明らかに効いてしまい、体をくの字に折ってロープに体を預け
攻められ続けるルマーパサルに対し、レフリーはたまらずロープダウンを宣告。

再開後、激しく抵抗するようにガムシャラに攻めて出たルマーパサル。
わずかながら被弾する畑中だったが、危なげなくいなしてラウンド終了のゴング。
 

4R、無理に攻めはせず、試合開始からのプランを守り続けているように見える畑中。
相手が詰まるまではきっちりと我慢し、詰まれば固いガードを通すように拳を当てる。
このラウンド、効いたボディに意識が行っているか…ルマーパサルの顔面が跳ね上がる頻度が増える。
 

5R、削られたルマーパサルの足も鈍ってきた中で、中盤に畑中がワンツーをでルマーパサルを捉える。
コーナーポストへ吹っ飛ぶようにダウンしたルマーパサル。
立ち上がったルマーパサルに対し、ラッシュで仕留めにかかってのTKO勝利。
 

5R 1分56秒 TKO
 
 

この試合もやはり力の差は感じる試合だったが…。
畑中の次に向けての青写真が見える戦いぶりだった。
与えられた試合で、やれるべきことはしっかりこなしたと感じる。

勝利者インタビューでは2Rで足がつっていたと語った畑中。
それを微塵も感じさせなかったこと、さらに落ち着いて危なげなく倒し切ったこと…。
強くなっていると感じる。

デビューから見ている畑中が、どんどん頼もしくなっていく…。
 

肩に掛けられたベルトはWBC世界ユースフライ級王座のベルト。
父、畑中 清詞(松田)が巻いたの格は違えどと同じ色。
デビュー戦から多くの人々に応援され”プリンス”と異名された畑中。
見守ってきたファンからすれば、感慨深い思いもあるだろう。
このベルトを守る戦いもあれば、さらに先を目指す道のりもある。

ここから注目度も変わり、求められるものも重くなってくるはずだ。
愛されるプリンスが次のステージへの入り口を開けた…そんな瞬間に見えた。

最後に見せるいつものバク転は、足がつっている為、今回はでんぐり返し。
痛々しく足を引きずりながらリングを降りて行った。
 

大型ホープ達が複数人デビューした2016年の中日本。
その中で最初のベルト獲得者となった畑中。

ベルトは選手を強くする。
受ける期待も、重圧も、全て背負ってこの先へ…
 
 

 
 
 

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