2018/9/24 -武田テバオーシャンアリーナ- 1試合目、2試合目(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!

2018/9/24 -武田テバオーシャンアリーナ- 1試合目、2試合目(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!
 
 

【スーパーフェザー級4回戦】
山田 竣介(伊豆) vs 中野 精(杉田)

山田 竣介 デビュー戦
中野 精 デビュー戦
 

1R、前に出て行く山田に対して中野は下がりながら応戦する。
しっかりジャブを出しながら、パンチを合わせていく中野。
山田はがむしゃらに手を出し、押し込んでいく。
1分過ぎには執拗にボディを攻め立てた山田に対し、クリンチに逃れた中野。

ほどかれて仕切り直しになったところで、
変わらず出てきた山田に対し、強烈な中野の右ストレートが突き刺さって山田がダウン。
立ち上がり、再開後も攻めていった山田だったが…

ダメージは大きく、中野の右ストレートを浴びて2度目のダウンでレフリーがストップ。
 

TKOタイムは1R 1分48秒。
 

伊豆ジム4試合目での初勝利は成らず。
山田はセンス溢れるような選手ではないように見えたが…
そういう選手にはそういう選手なりの戦い方がある。
愚直に前に出続けた山田…この先、変貌を遂げていく可能性はあるが、
まずは、プロとして最初のラウンドから恐れずに
歩みを前に進めた部分に今後を期待したいと思う。
次はきっともっと強くなってリングに上がって来るはず。
 

岐阜の山奥、高山市にできた杉田ジム初のプロボクサーである中野。
一番近いプロジムは果たしてどこになるのだろうか…。
距離的には北陸のトヤマジムが近いように思える。

「田舎のジム」と聞いて思い浮かべるのはスパーリングパートナーの不足など、
マイナス面も大きい…しかし、ボクシングにあこがれた少年たちにとって
田舎に生まれたというだけで、プロボクシングに挑むきっかけを失う少年たちもいる。
僕自身が、そんな中学生だった。
田舎のジムからのプロボクサー…絶対に必要な存在。

この日の中野の鮮烈なKO勝利…高山という町に、ボクシングの歴史が産まれたようにも思える。
どうか、地元のヒーローになって欲しい。
熊本から世界を獲った福原 辰弥(本田フィットネス)の事例もある。

この選手が登って行く姿を見せてくれたら…きっと痺れまくる。
まさにおらが町のヒーローになってくれるだろう…そんな未来を想像して胸を躍らされる。
ファンに夢を見せる…まさにプロボクサーの仕事だと思う。
 
 
 

【スーパーバンタム級4回戦】
ヤノ ジョン(駿河男児) vs 竹嶋 海刀(勝輝)

ヤノ ジョン 7戦3勝4敗
竹嶋 海刀 5戦3勝2敗

1R、詰めていくヤノ、足を使う竹嶋。
主導権争いの中、お互いにフェイントから右のカウンターを突き刺すシーンが目立つ。
互角の展開。

2ラウンド序盤、竹嶋の強烈なカウンターからコンビネーションをもらい、下がるシーンを見せるヤノ。
ヤノは体制を立て直すも、ペースは一気に竹嶋に傾く。
ダメージか、それとも既に疲労が来たのか…このラウンド後半にはヤノが鈍り始めたように見える。
試合は徐々に頭を付けての撃ち合いのシーンが増えていく。
 

3R、お互いに右を合わせ合う中、バックステップでヤノのストレートをわかし
引きに合わせて入る竹嶋…完全に距離をつかんだか…

上下に回転良く当てていく竹嶋。
ワンツーでヤノの顔面が跳ね上がる場面も…。
手数が減ったヤノも時折カウンターの右で竹嶋を捉える場面を作るが…。
ヤノが一発当てる間に、竹嶋がコンビネーションでヤノを捉える。
 

4R、さらに回転の上がった竹嶋に対し、手が出なくなってしまうヤノ。
ボディも聞いているか…前に出て撃ち合うヤノだが、竹嶋の回転に及ばず…。
試合は竹嶋ペースのまま、終了のゴング。
 

マイジャッジ 39-37 竹嶋
 

公式ジャッジは39-37×2、39-38

3-0で竹嶋。
 
 

序盤、ヤノとの駆け引き合戦でも劣らず、さらに近い距離では回転でヤノを上回り…。
そして何より、12分間全くペースを落とさずに、回転の良さを維持し続けた。
8回戦や6回戦より短い4回戦…しかし、その分ペースは速く、
ハイペースのまま12分間を乗り切るのも実は凄いこと。

ストイックな選手なんだろうと思う。
ヤノを見てきているからこそ、感じれた竹嶋の強さ。
これで4回戦で4勝目…B級昇格の権利を得た。

B級…そしてさらにA級でもしっかり戦っていける選手だろうと思う。
今後の道のりが気になってしまう。
 
 

前回、キレキレだったヤノのステップはこの日は見れなかったように思う。
もしかするとコンディション的にもうまく行っていなかったのかもしれない。

2Rにカウンターをもらった後のコンビネーションを防ぎきれずにダメージを負ってしまい、
ペースを握られたまま、3Rにはボディも効かされたように見えた。
12分の試合でも、勝負は一瞬が決めている…2Rの場面がこの勝負を決定づけたようにも思える。

悔やまれる形だったが…後半、全く落ちずに付け入る隙を与えなかった竹嶋が凄かったと思える試合。
この日のヤノはきっと出し切れていない。
本当はもっともっと強い選手なハズ…これまでと変わらず、次の試合を楽しみに待ちたいと思う。
 
 

【スーパーバンタム級6回戦】
ルスリヤント(インドネシア) vs 田中 裕士(畑中)

ルスリ・ヤント 6戦3勝(1KO)2敗1分
田中 裕士 26戦21勝(14KO)2敗3分
 

この試合はルスリ・ヤントの怪我による中止。
試合日の少し前に、怪我の報が入り、
代役を見つけることには成功したようだが、JBCの許可が降りなかったようだ。

田中は直前まで試合に備えたことだと思う。
残念だが、こればかりは仕方ない…また次の機会を心待ちにしようと思う。
 

この日、この試合の代わりに中村 祐斗(市野)とのスパーが行われた。
ヘッドギアがあることもあってか、普段よりも近い距離での攻防も見せた田中。

この距離では、撃ち合いに強い中村が引き立ち…
しかし離れれば、シャープなジャブから中村を捉えた田中。
二人のボクサーの魅力が所々に見られたスパーを魅せてくれた。

肩の怪我からの復帰戦だった田中…
こちらとしてはお預けを食ってしまった分…早く次の試合が見たい思い。

次に期待してワクワクしていようと思う。
 
 
 

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