2016/03/06 岐阜商工会議所-ファイナル(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!
さてさて、ようやくこの日のメインまで辿り着きました…。
1日の試合を4日に分けて書くって…
無駄な文字が多いんじゃないんだ!!!
それだけ濃い試合が多かったんだ!!!
…と言い訳してみる。
——-
【49.5kg契約8回戦】
華井 玄樹(岐阜ヨコゼキ) vs 諸 一宇(尼崎)
華井 玄樹(岐阜ヨコゼキ) 5戦5勝(4KO)
ボクシングの強豪である東農大主将を務め、プロ転向。
アマエリートとしてB級デビューし、現在日本3位、OPBF9位にランキングされる。
5勝の中には元地域王者や地域タイトル挑戦経験者も含まれる。
実績がありすぎて地元で対戦相手が見つからず…
海外選手との試合が続いたりしていました。
相手の諸は20戦以上のベテラン。
国内ボクサーでこれほどのベテランと対戦するのは初めて。
日本王座挑戦の試金石となる試合。
諸 一宇(尼崎) 22戦7勝(1KO)10敗5分
戦績は負け越しながらも、のちの日本王者や、ランカー等との対戦が豊富。
…というかA級昇格後、戦った相手は全員ランカー。
20歳でデビューするも途中5年のブランクを作っている。
この試合、華井の日本王座挑戦の前哨戦かと言われた試合。
諸はノーランカーということもあって格下扱いされる前予想も聞かれた。
1R、ジャブのスピードでは段違いに華井。
しかしながら諸の技巧もなかなかのもので、お互いにクリーンヒットが少ない展開。
2Rに入ると、華井はボディから崩しにかかる。
しかし、諸も鍛え込んで来ているようで、大きくは崩れない。
3R、これまではサークリングしていた諸が一転、撃ち合いに飛び込んでいく。
すると強烈なパンチが華井を捉える。
よく見えなかったのでタイミングはわからないけど、このラウンドで華井がバッティングによるカット。
諸が撃ち合いに出ることで、お互いの距離が近づき、頭の衝突頻度は確かに上がっていたように思う。
4Rに入っても相変わらず頭は当たる。
撃ち合いではどちらに採点が転んでもいいように見える。
手数やヒット数で華井、ダメージ、クリティカルでは諸。
そして5R、強烈な諸のアッパーが華井を捉える。
もしここで諸が強引に連打をまとめれば…レフリーが割って入ったかもしれない。
KO勝利を積み上げている選手の中には、そういった攻めどころを抑えている選手も多い。
しかし、諸はここで華井とボクシングをしてしまう…。
大ベテランの域にいる諸だが、KO勝利はわずかに1度。
このあたりが、ランク外に追いやられている原因かもしれない。
地元ホープの苦戦に静まり返る場内。
地元から駆け付けたであろう女性の「一宇(イル)ー!」という声が響く。
ここからは二人の激戦。
メモを獲るのも忘れてしまい、そしてただただ興奮してしまい、試合内容も覚えていない。
しかし、凄い試合を見た…という実感は凄まじく…
これほどの選手がランク外…日本軽量級のレベルの高さを見せつけられた気がした。
採点は三者共に77-75。
見方によっては華井もっと差をつけても良かった気がするし、逆に諸が取ってもおかしくない。
正直バッサリ分かれるかと思ったが、三者三様に華井のヒット数や手数を獲ったよう。
ダメージやクリティカルに重きをおいたジャッジが揃っていれば、勝者が変わっていたかもしれない。
勝利者インタビューで、華井は「この内容では日本王座はまだまだ…」と答えていたが、
僕自身は、充分資格を持っていると思う。
今日の諸は強かった…それが苦戦の原因だと感じている。
女性の「一宇(イル)ー!」という声が耳に残って離れない。
帰りの車の中、諸というボクサーが演出した興奮に浸りながら一日を振り返る。
諸の激闘を考えれば、前回、“負けたら洒落にならない試合”と書いた試合で負けてしまった
伊波 ファン カスティーヨ(真正)も、またランカーに挑んでほしい、
そしてチャンスがあればその試合を見たいと思わされた。
3ノックダウン制が撤廃されてから始めて見た興行。
「ダウン数に関わらず、レフリーはダメージが深いと見れば、積極的に止めるように」という意図らしい。
4回戦のストップはかなり早く感じた。
いくつかTKOがあったが、実際にダウンがあったのは伊波だけ。
しかしながら、6回戦以上に比べて技術の未熟な4回戦の試合を早めに止めていくのは正解だと思う。
ルール変更がされても、体裁だけで意味をなさないこともよくある話。
しかしこの変更はしっかり生きたルール変更だと感じた。
今日のレフェリーが素晴らしかっただけかもしれないが…。
13日も注目してみようと思う。
また、これはファンのわがままかもしれないが、
パンフレットには、もう少し突っ込んだ情報がほしいといつも思う。
お客さんの中には、諸がホープの鬼門に成り得る大ベテランだと知らずに、
名の無い外国人ボクサーだと本気で思っている人もいたほどだ。
諸にはあんまりな話だし、そんな難敵に勝った華井の功もかすんでしまう。
あと、もうひとつ。
隣に座った小学生か、中学生か…。
周りと話している内容が、ズバズバ的を得ていた気がする。
まるでボクシング解説者のようだった。
多分、ジュニアボクシングをやっている子なのかな?
ボクシング競技の開始年齢低下は、現在のボクシング黄金期の大きな要因になっている。
東海圏も頼もしい限りだと感じた。
そんなこむつかしいことを色々考えながらも…。
鮮烈なデビューを飾った佐伯 瑠壱斗(岐阜ヨコゼキ)。
驚くべき手数だったブルドーザー 大島 卓己(薬師寺)。
そんな弾幕に飛び込んでカウンターのタイミングをつかんだ久保田 祐介(岐阜ヨコゼキ)。
今後期待の島倉 裕矢(岐阜ヨコゼキ)と、復活の宇佐美 太志(岐阜ヨコゼキ)。
杉山 令耕(岐阜ヨコゼキ)と五十嵐 嵩視(トコナメ)のラバーマッチはあるのか!?(ぜひ見たい!)
そして…岐阜を静まりかえらせた諸 一宇(尼崎)。
なんだか「感動した」の一言で終わってしまう…
いや…まぁ…いつもそうなんだけども…。
…おやじファイト、見たかったなぁ。
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