2019/04/14 -熊本・合志市総合体育館- 見どころ(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!

2019/04/14 -熊本・合志市総合体育館- 見どころ(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!
 
 

開催地は中日本ではありませんが…
主催は薬師寺プロモーションということで、中日本のジムが主催する興行。

メインにはWBOアジア太平洋フェザー級王者の森 武蔵(薬師寺)が据えられる。
 

元々熊本まで観戦に行こうと思っていたものの、三重の興行が重なり断念。
せめて「せきちゃん@mos的見どころ」だけでも掲載します。

1週間後に迫る興行…チケットはあらかた捌けている様子。
地元選手が一名、試合をキャンセルしてカードの変更があったため、
チケット入手の希望はわずかに残るか…。
 
 

九州から東京に出て活躍するホープも複数登場し、地元のリングで勝負の試合に挑む。
また、外国人選手の名前が並ぶが、名実とも実力のある曲者ばかり…。
アジアを注視するファンなら唸り声をあげてしまいそうなラインナップ。
ド地方熊本に、大きな大きな舞台が準備されている。
 
 

【スーパーライト級6回戦】
小畑 武尊(ダッシュ東保) vs ウィリアム・レイク(インドネシア)

小畑 武尊 11戦6勝(2KO)4敗1分 サウスポー

ブルファイターのサウスポー。
デビューから3戦は2敗1分。そこからみるみるうちに強くなっていった選手。

とにかくガムシャラなファイトだったキャリア初期だったが、
2017年の中日本・西部日本新人王対抗戦に現れた小畑は、近い距離のファイトで細かくポジションを変え
サウスポーとしての利点を生かすインファイトを展開。
この年の全日本新人王決定戦まで勝ち上がった。

その後、昨年は1勝1敗でA級昇格にあと1勝としている。
この試合でその権利を獲得できるか…。
 

インドネシアウェルター級3位
ウィリアム・レイク 44戦20勝(6KO)20敗4分

国内タイトルが複数あるインドネシアで
過去には国内2団体のタイトルを手に入れ、さらに2階級制覇も達している選手。

日本にはキャリア初期の12年前に来日し、
当時日本フェザー級5位だった武本 在樹(千里馬神戸)に判定負けを喫している。

ここ数年は敵地で地域王座に挑んでの黒星が目立つが…。
相手は世界を狙うアジアの逸材ばかりだ。
 
 

当初、中薗 和生(橋口)が出場予定だったが、怪我のために急遽キャンセル。
代役としてレイクが呼ばれた形だ。

レイクのここ5戦は1勝4敗…噛ませ犬と思えてしまうかもしれないが…対戦相手の質は高い。
小畑は弱い選手ではないが、現時点、普段レイクが戦うアジアの強豪と比較すれば見劣りする。
世界ランカーとB級選手…当然の話だ。

レイクが果たしてどれほどの力を持ってこの日のリングに上がって来るのか…。
また、歴戦を重ねたアジアのベテランを、小畑が押し潰すことができるのか。
レイクの不気味な存在感もあって、期待値の高いカードと感じる。
 
 

【スーパーライト級6回戦】
竹田 宙(S&K) vs サンチャイ・ヨッブン(タイ)

日本ミニマム級15位
竹田 宙 5戦4勝1敗

デビュー戦敗北の1戦1敗でエントリーした昨年の新人王トーナメント。
西部日本から全日本新人王を獲得し、現在日本ミニマム級15位にランキングされている。
新人王エントリー前から中日本にまで評判の聞こえて来ていた好選手。
中日本のブル 弘師(HEIWA)にはダウンを奪われながらも、他のラウンドを制して3-0の判定勝利を挙げている。
 

サンチャイ・ヨッブン(タイ) 6戦4勝(4KO)2敗

ムエタイ200戦の戦歴を誇り、母国のリングでデビュー以来の4連続KO勝利を飾って、日本のリングに登場。
世界を期待される重岡 銀次朗(ワタナベ)に初の敗北を喫した。
さらに、日本初代ミニマム級ユース王座に挑んだばかりだった仲島 辰郎(平仲)にも敗北。
この日、日本のリングに3戦連続で上がることとなる。
 

ヨッブンには下地にはムエタイのベースがあり、
国際式ボクシングへの適用が済めば力を発揮してくる可能性もある。
また、日本で対峙した2選手は将来を期待されるホープ2名。
日本のリングで日本人を食う可能性を充分に持ったタイ人ボクサーだと思っている。

ヨッブンは前戦で仲島に5RTKO負け。
仲島は2017年の新人王戦で、全日本新人王を本命視されながら獲り逃した選手。
この試合で、竹田の現在の立ち位置も解りやすくなる。
竹田が今後の国内戦線に置いて、どの位置からスタートするのか…それが垣間見れる試合だとも感じる。
 
 

【バンタム級8回戦】
堤 聖也(ワタナベ) vs ライアン・ポンテラス(比)

堤 聖也 4戦4勝(3KO)

アマチュアでは101戦84勝(40KO/RSC)17敗。
平成国際大で関東大学2部リーグでは4年間全勝の金字塔を打ち立てた。
鳴り物入りでのB級デビュー後は、海外敵地の試合で2勝。
「海外選手が最も勝てない国」と言われる中国でも勝利を手にしている。

国内ではB級トーナメントも制し、シビアなハードルをしっかりクリア。

元IBF環太平洋フライ級王者
元GAB比国フライ級王者
ライアン ポンテラス 38戦22勝(11KO)13敗3分

プロのリングに上がり続けて10年目。
世界的には第5の世界王座とされるIBO世界スーパーフライ級王座に挑戦した経験もある。

日本のリングには世界ランカーとして6年前に登場。
翁長 吾央(大橋)と対戦し、後頭部への打撃で反則負けとされている。
 

ベテランのアジア人ボクサーと日本のホープの戦い。
特にフィリピン人は「ガチフィリピン」という言葉が浸透するほど、
日本のリングで日本人ボクサーを苦しめる試合をいくつも演出している。

輝かしいキャリアを誇り、ホープとして認知される堤だが…。
曲者臭香る相手に対してどう対峙するのか。
難なく下すようであれば、年内ランク獲りも見えるように感じる。
 
 

【ミニマム級8回戦】
重岡 銀次朗(ワタナベ) vs ジョエル・リノ(比)

WBOアジア太平洋ミニマム級10位
重岡 銀次朗 2戦2勝(2KO)

高校5冠、実質無敗。
唯一の敗戦はトーナメントで実兄と当たった際に試合開始とともにタオルが投げられた1戦のみ。
鳴り物入りでプロ転向し、1戦目ではムエタイ200戦、
プロ4戦全勝のサンチャイ・ヨッブン(タイ)を3Rで沈めると
2戦目では勝ち越し戦績のタイ人を1Rで下した。
世界を期待される超スーパーホープ。
 

ジョエル リノ 12戦10勝(3KO)1敗1分

比国でデビュー以来の11戦無敗を記録し、
タイ・バンコクの地で谷口 将隆(ワタナベ)とWBOアジア太平洋王座を争ったリノ。
大差判定で敗れ、次戦で谷口は世界挑戦を叶える。
実質、世界挑戦まであと一歩にまで迫った選手。
日本の大物ホープ食いで、再度、世界の頂を目指す。
 

たった2戦でWBOアジア太平洋ミニマム級10位にランキングされた重岡。
3戦目でタイトル挑戦を叶えたばかりのWBOアジア太平洋ランカーに挑む。
初の8回戦、そして初のランカー。
世界を確実視されるビッグホープが難易度の高いテストに挑む。
 
 

■WBOアジア太平洋フェザー級タイトルマッチ
【フェザー級12回戦】
森 武蔵(薬師寺) vs リチャード・プミクピック(比)

WBO世界フェザー級13位
WBOアジア太平洋フェザー級王者
森 武蔵 8戦8勝(5KO)

再起不能と診断された大怪我からのU-15制覇。
プロ入り前から数々の逸話をひっさげ、中日本のビッグホープとしてデビュー戦からセミファイナルで登場。
4回戦からスタートしたキャリアで全日本新人王を制すると、フィリピンの強豪と拳を交える。
アラン・バレスピン(比)との接戦をなんとかものにし、
WBOアジア太平洋のランキングを手に入れると、いきなりタイトル挑戦。
この日対戦するリチャード・プミクピックに挑み、際どい負傷判定をものにした。
ピノイとの2連戦はどちらの試合も、判定がどちらに転んでもおかしくなかったような試合。
ギリギリのところを生き残ってベルトをつかんだ経験がどこまで森を成長させているのか…。

モンスターレフトの異名を持つ左は多彩であり強烈。
森を知る誰もが、森の練習量の凄さに下を巻く…究極の努力型選手。
 

WBOアジア太平洋フェザー級10位
リチャード・プミクピック 32戦21勝(6KO)9敗2分

初来日の相手は、のちに日本王者となる戸部 洋平(三迫)
この試合を引分けると、次の来日ではのちの世界王者である岩佐 亮佑が当時所持していた
OPBF東洋太平洋スーパーバンタム級のベルトに挑む。
この試合、岩佐が判定で勝利をもぎ取るが…プミクピックが勝っていたと言う人もいるほどの接戦。
松岡 輝(大成)にも敗北するが、その後、天笠 尚(FLARE山上)から
WBOアジア太平洋王座を奪い、注目ホープだった木村 吉光(白井・具志堅S)を相手に初防衛。
2度目の防衛戦でこの日対戦する森とぶつかり、スプリットの判定で王座を陥落した。
 
 

二人の初対戦後、控室の奥で抗議するプミクピックが印象的だった。
プミクピックが勝っていたという声も聞こえた試合…
繰り返すが、どちらに転んでもおかしくなかった試合だったと感じる。

この試合はダイレクトリマッチ。
森としてははっきりとした勝利で、王者に相応しい姿を見せつけたいところ。

前戦後、米-ロサンゼルスに飛んだ森は、世界的名トレーナー イスマエル・サラスに師事。
苦戦の経験、名トレーナー…そして、それによる自信。
この期間に森が手に入れたものは様々ある。

ただ、相手は日本のリングで猛威を振るう、アジアトップ選手と見て間違いないフィリピン人。
前戦を踏まえて、森を封じる可能性も充分にある。
 

王座とプライド…二つのものがかかる戦い。
未だ20歳を迎えぬ未成年が、大きな大きなものを背負って、地元熊本のリングに凱旋する。
 
 
 

一昨年、熊本では福原 辰弥(本田フィットネス)がWBO世界ミニマム級王座を獲得。
地方ボクシングの快挙だった。

熊本出身のホープも複数出現。
そんな中、世界を目指せるホープ達が一斉に凱旋するように熊本のリングに上がる。
今、日本中で最もボクシングに熱いのが、この場所ではないだろうか。
地方ボクシングの歴史を変えるような大きな大きな舞台が熊本に用意された。

あとは主役たちが躍動するのみ。
 

そして…森 武蔵の未来が開けるか…それとも…。
ビッグホープが試練のフィリピン人3連戦。

生き残りをかけた、ボクシングのシビアなゴングが待ち受けている。
 
 

 

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