2023/08/20 -愛知・刈谷あいおいホール- ファイナル(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!
【62Kg契約6回戦】
英 豪(緑) vs 浜崎 隆広(仲里)
英 豪 デビュー戦
浜崎 隆広 16戦3勝(1KO)10敗3分
1R、英豪が右アッパーからロープに追い込むと、左フックでダウンを奪う。
英豪はタッチボクシングと言われた古きアマチュアボクシングの時代のエリートではない。
しっかりダメージブローを撃ち込む現代のアマチュアボクシングを戦って来た選手。
再開後も攻撃的に力強く、浜崎を捉えていく。
しかし…浜崎は引かず。
被弾を重ねながらも前に出続け、その拳で英豪を捉えていく。
その展開は延々と最終ラウンドまで。
積み重なる被弾の中、トライし続ける浜崎をストップするタイミングは訪れない。
最終ラウンドにはラストスパートで英豪が何度もコンビネーションを叩き込む。
激しい被弾に耐える浜崎…レフリーはたまりかねたように試合をストップ。
そこだけ切り取れば、浜崎はまだ戦えるように見えた。
止められた場面でもやりきれない悔しさをあらわにしていた。
英豪の完勝ペース、残り時間僅かの中、浜崎は自分の勝利を信じて戦っていた。
悔しさを声に出して叫ぶ浜崎に、その思いがありありと感じられた。
ただ、試合を通しての被弾を考えれば、遅いとは言われても、
早いとは言えないストップだったように思う。
浜崎が頑張りすぎていた。
6R 2分32秒TKO
浜崎が叩き上げらしく立ち向かい続け、
英豪がアマエリートらしく弾き返した。
英豪は足を使って躱したわけではない。
入ってくる浜崎を下がりながら迎え撃ち、強烈なパンチを撃ち込み続けた。
この試合、全てのラウンドを圧倒的に英豪が制した。
しかし、主役は誰だっただろうか。
プロとして、観客の胸を熱くしたのはどちらだっただろうか。
リングを去っていく浜崎には、敵地の観客席から大きな拍手が送られた。
もちろん、英豪の戦いぶりは素晴らしかった。
しかし、僕は浜崎の頑張りによる感動は、それを上回ったように思えた。
いずれ、英豪もプロのリングで自分より強い相手に出会う。
その時、浜崎が見せたプロとしての姿が、どうあったのか。
勝敗だけではない…そういう意味でのプロの洗礼が、あったようにも思えた。
きっと英豪がいいボクサーになるに違いない。
そんなエッセンスが撒かれたデビュー戦。
これ以上ないスタートを切ったように思えた。
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