2025/03/23 -静岡・浜松アクトシティ- セミファイナル・メインイベント(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!

2025/03/23 -静岡・浜松アクトシティ- セミファイナル・メインイベント(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!

 

【スーパーフェザー級8回戦】
大畑 俊平(駿河男児) vs チン・バオミ(中)


じっくりと見るチンに対し、積極的にワンツーを撃ち込んでいく大畑。
1R中盤以降、撃ち終わりを狙い始めるチンだが、大畑はしっかりと距離で外していく。
明確なヒットは少ないラウンドとなったが、
大畑が強烈な右ボディストレートを突き刺してラウンド終了。


2Rも明確なヒットの少ない静かなラウンドとなったが
チンが右ストレートで強烈に大畑を捉え、大畑の膝が折れる。
その後もチンが右ストレートを時折ヒットさせる。
大畑は強烈にボディを返すが、クリンチに逃れる場面も。


3R開始直後、突き刺さったのはチンのボディ。
駆け引き合戦の静かな展開の中、大畑の右ストレートが刺さる。
しかし、大畑にとってはまだまだ遠いか…
両者ほとんどヒットがない中で、時折刺さるチンの右が有効に感じる。


4R開始直後、ワンツーで捉えた大畑。
ようやく距離が近づいてきたか…
ヒットの少ない緊張感の高い試合が続いているが、
大畑のヒットが目立つようになってくる。


5Rには大畑が時折放つワンツーでリード。
チンのヒットはほとんどなくなり、左フックがラウンド終了間際に刺さったのみ。
拮抗していた展開を大畑が握り始めたように見える。


6Rに入ると大畑が前に出て鋭利なパンチが交錯するようになる。
前に出る分、被弾も増えるが、大畑が強烈に捉える場面が圧倒的に増えていく。


7Rにはファイトに出る大畑。
ガードを固めながら、チンの撃ち終わりを鋭利に捉えていく大畑。
ディフェンス能力高く、的確なヒットを奪っていく。
手数は同等だが、ヒット数は何倍も上回る。

撃ち合いの中で何かしゃべっていたか。
大畑に声を出さないよう注意が与えられる。
引きはがされた場面、チンの足元はおぼつかず、疲弊の色も濃い。


8Rもファイトする大畑。
大畑が制していくが、チンも粘り続ける。
中盤、偶然のバッティングにより大畑がカットし、ドクターチェック。
ここは続行、再開後、攻め込んだ大畑。
残り時間わずかの中、下半身の粘りもなくなったか、リングに膝をついたチンにレフリーはダウンを宣告。
ここは立ち上がり続行…最後までチンが粘り続けて試合終了のゴング。


マイジャッジは77-74で大畑。

公式ジャッジ
79-72×3

3-0 勝者:大畑


序盤、被弾のほとんどなかったチンに、大畑の敗戦もよぎった展開。
特に2Rに大畑が腰を落とした場面は印象的で、互角以上の展開にあわや…を感じた。
しかし駆け引き合戦の中、5Rに大畑が流れを取り返し、
6R以降はファイトではっきりと制していった。

駆け引き勝負で分が悪く、戦法を変えたわけではなく、
上回られていた展開をひっくり返したうえで、ファイトに転じた大畑。
静かな展開でも、ファイトでも上回れることを示したような戦いぶりだった。

実力ある中国人選手が相手だったが、大畑が完勝と言える結果となった。
現在ランキングのない大畑だが、押し出された形でのランク外。
この試合でランキングに返り咲く可能性はある。

ここから勝負の試合をどこで踏むか…。
今年の大畑が楽しみでならない。


大畑 俊平 6戦5勝(2KO)1敗
チン・バオミ 9戦6勝(5KO)3敗

 

■日本ウェルター級タイトルマッチ
【ウェルター級10回戦】
セムジュ・デビッド(中日) vs シーサー 皆川(平仲BS)


遠く遠く距離を取る両者。
デビッドが出る中、皆川がリングを大きく使い、皆川が出ればデビッドが下がる。
時折踏み込んで皆川がヒットを奪う、デビッドの攻撃は皆川が状態柔らかくかわす。
皆川の浅いヒット数発のみでラウンドが終わる。


2Rに入っても展開は変わらず、静かに静かに試合が進む。
デビッドがようやくボディをヒットさせるも、軽い左フックを合わせれて相打ち。
下がり続ける皆川に詰めていくデビッド。そこを皆川の強烈な左フックが捉える。
わずか数発の攻防、デビッドのパンチはことごとく空を切る。


3R、接触自体が極端に少ない時間が流れていく。
下がるばかりでほとんど手を出さない皆川…
アグレッシブで見ればポイントを入れづらいようにも見える。
しかし、被弾なく数発のヒットを奪う形で、皆川を優勢ともとれる。


4Rも展開変わらず、回避に徹する皆川。
皆川の敷いた作戦の上で戦っているように見えるデビッド。
相手の土俵で戦う側がスタミナを浪費するもの…ずば抜けたスタミナで知られるデビッドだが…。
ラウンド後半、強引に攻め始めたデビッド、深くはなくともヒットは奪い始める。


5Rも攻めるデビッドに回避する皆川。
入りに合わせる皆川だが、デビッドも東京五輪に出場するクラスのテクニシャン。
上体柔らかく、まともな被弾はなかなか食わず、
強引に詰めて右ストレートをヒットさせる場面も目立つ。


マイジャッジは48-47で皆川

公開採点では48-47で皆川が一人、残り2者は49-46でデビッド。
やはりヒットかアグレッシブかで割れている。


6Rもデビッドが攻めていく。
ラウンド中盤には左をおとりに右を突き刺したデビッド。
ハイレベルの技術戦が繰り広げられる。
ここに来ても皆川、ほとんど手は出ず。


7R、常に出続けるデビッド。
空振りは多くも、その中で着実にヒットを奪っていく中、
デビッドの逆ワンツーで皆川がバランスを崩す。
デビッドが捉えるシーンが増えていく中、皆川の返すパンチも時折強く刺さる。
静かだった試合が徐々に熱を帯びていく。


8Rに入っても、展開は変わらず。
詰めるデビッドにかわす皆川。
ここまでくると皆川に残る勝ち筋は切って落とすのみか…。


9R、一気に前に出てきた皆川。
うって変わって猛烈な撃ち合いとなるが、ラウンド後半になるとまた皆川はかわす体制へ。
ラウンド終盤、強烈な右フックをヒットさせた皆川が出てくるが、
デビッドはボディワーク柔らかにいなしてラウンドが終了。


10R、足を止めた皆川。両者の拳が交錯し合う。
お互いに撃ち終わりを捉え合うが、
ディフェンス能力の高い二人…決定的なシーンは訪れず。

マイジャッジは97-93でデビッド。

公式ジャッジ
98-92×2
96-94

3-0 勝者:デビッド


手数が少なすぎてポイントに反映されなかった部分で、皆川の歯車が狂ったとも思えた。
誘い出したデビッドから思うほどヒットを奪えなかったことも誤算だったように思う。
詰める側でありながら、迎え撃つ皆川のパンチをいなしながら入っていく。
デビッドのディフェンス能力の高さが、皆川の誤算を誘発していったように思えた。

ボディワークの多い選手は後半に落ちるイメージがあるが、
10R戦ってもデビッドに消耗は見られず。
ウガンダで「獣」と異名された野性的な柔らかさと回避能力、スタミナ。
攻撃力以外のずば抜けた部分を発揮して、デビッドが王座を防衛した。

撃ち合っても巧く、引いて後の先を狙ってもとらえきれない。
推しても引いても攻略の難しい選手であることを見せつけたようにも思える。
皆川の手数は圧倒的に少なかったが…王者デビッドがそうさせたようにも見えた。

中日本に現れたブラックスター、日本王座を手にした凱旋で堂々防衛。
俺たちのデビッドは強かった。
彼の姿を誇りに思えた。


セムジュ・デビッド 9戦8勝(4KO)1敗
シーサー 皆川 8戦5勝(2KO)4敗

 

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