2017/11/26 刈谷あいおいホール-見どころ(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!
26日の刈谷あいおいホール、薬師寺興行!
この日のカードを知って驚く…。
これ…俺がやいやい言う必要ないやんって奴。
構図が解りやすい…地区対抗戦の様相。
そして地元選手同士のぶつかり合いもまた好カード。
度肝を抜かれたのが、西日本の日本ランカーと、東日本の日本ランカーが
中立地の名古屋でぶつかり合うと言う異常事態…。
めったに見られぬランカー対決が、刈谷あいおいホールで実現する。
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【60.0㎏契約4回戦】
岡田 和晃(富士) vs 太田 卓矢(とよはし)
・岡田 和晃 9戦3勝(2KO)6敗
B級昇格まであと1勝としながら、現在5連敗中の岡田。
1年3カ月ぶりのリングとなる。
好戦的な選手で、今年の中日本新人王、伊藤 為治(浜松堀内)との試合では
あと一歩まで迫りながら、ダウンのポイントが響いて敗北。
当たり前の話だが、ボクサーは試合で強くなるのではなく、試合間の練習で強くなる。
この1年3カ月が岡田にもたらした変化を見たい。
・太田 卓矢 4戦2勝(2KO)1敗1分
2012年、中日本新人王決勝まで勝ち上がった男が5年ぶりのリング復帰。
決勝で太田に勝った堀田 慧(中日)は西軍代表決定戦で、現日本王者の坂 晃典(仲里)に敗北した。
ブランク明けの1戦…試合を離れることがプラスに働くこともある。
第2章のスタートにどんなボクシングを見せるのか…。
【スーパーライト級4回戦】
片岡 晃誠(蟹江) vs 橘 ジョージ(協栄)
・片岡 晃誠 2戦2勝(1KO)
接近戦の当て感に優れた選手だと感じている。
中日本ではこの辺りの階級は選手数が少ない。
ただし、魅力的なランカーを輩出しているのもこの近辺の階級。
数は少なくとも、決して層が薄いわけではない。
東京から乗り込んでくる選手を相手に、力を見せつけて欲しいところ。
・橘 ジョージ 5戦2勝3敗
今年の東日本新人王戦で決勝で敗れはしたものの、期待された内藤 未来(E&Jカシアス)。
準決勝で彼に食い下がったのがこの選手。
橘が勝っていたと言う人もいるほどの接戦を演じた。
KO勝ちはなくともパンチ力はあると聞いている。
【スーパーバンタム級4回戦】
太田 奏人(中日) vs 桐林 迅児(HEIWA)
・太田 奏人 1戦1勝
デビュー戦では甲斐 貞行(HEIWA)を相手に、
離れればカウンター、近づけばコンビネーションで圧倒。
相手の甲斐は決して弱い選手ではなく、新人王レースでも抑えておきたい選手の一人だったが…
プロとして初めてのリングでその甲斐を圧倒して見せた姿に驚愕した。
今年デビューした選手の中で、最も強いインパクトを受けた選手。
・桐林 迅児 4戦2勝(1KO)2敗
太田がデビュー戦で破った甲斐の同門となる桐林。
仇討ともなるこの試合…桐林もまた、デビュー戦で輝きを放った選手。
しかしその後の2試合、少し崩れてしまったようにも見えた。
前戦では、敵地に乗り込み接戦を制しての凱旋試合。
あの輝きがまた見れるのか…ガードの巧さが魅力。
【ライトフライ級4回戦】
マンモス 和則(薬師寺) vs 太田 アレックス(西遠)
・マンモス 和則 4戦3勝(3KO)1敗
今年の中日本ミニマム級新人王、圧倒的な勝ち方にMVPを受賞している。
猛烈な圧力と、強烈な左フックが魅力。
中日本・西部日本新人王戦ではスタミナ切れを起こしての敗北。
調整の失敗が響いたとの声も聞こえてきた。
9月の敗北から早くも再起するのは…売られた喧嘩を勝った形。
・太田 アレックス 2戦1勝1敗
デビュー戦ではブル 弘師(トコナメ)と大激闘を演じ、
2戦目では今年のミニマム級西軍代表となった井上 夕雅(尼崎亀谷)と対戦。
判定で負けはしたが、こちらもビッグパンチの応酬となった大激戦だった。
そして、3戦目では破格の強打のマンモスを名指しで指名。
あの左フックを持つマンモスと撃ち合う気なのだろうか…。
噛み合わせ的にも、背筋が凍るような思いがする1戦。
【ライトフライ級6回戦】
須藤 大介(三迫) vs 冨田 真(HEIWA)
・須藤 大介 11戦4勝4敗3分
6回戦は2戦目となる須藤、前戦は敵地広島での負傷引分。
その前の試合と併せて、これで敵地3連戦。
有明コロシアムや両国国技館など、大きな舞台の前座のリングにも立っている。
積み重ねた11戦、無骨な試合ばかりが並んでいる。
敵地で1勝1分のレコードは侮れない。
・冨田 真 13戦5勝6敗2分
負けの多い冨田だがそのボクシングは魅力的。
変則的にステップを斬って相手に飛び込んでいく、
迂回し角度をつけながら小刻みなステップで突っ込んでいく姿は、
刈谷の2F通路から見ていると、まるで追尾型魚雷のよう。
前戦では後楽園ホールに乗り込み、細谷 大希(角海老宝石)にダウンを奪われてのフルマークの判定負け。
手数が出なかった試合と聞いたが…まるで魅力をまったく見せれなかったような評価を聞いた。
どうかもう一度、後楽園ホールで本当の実力を見せて欲しい。
この試合でアピールができるか…。
【フライ級8回戦】
小坂 駿(真正) vs 堀 陽太(横浜光)
・小坂 駿 日本ライトフライ級10位
2014年の全日本新人王決定戦では、現日本ユース王者の山下 賢哉(白井・具志堅S)に敗北。
さらに、現日本フライ級王者の久田 哲也(ハラダ)に敗れて二連敗。
しかしここから4連勝、OPBF東洋太平洋のランクを手に入れる。
現在日本フライ級2位につける星野 晃規(M.T)には紙一重の判定で敗れるも
住友 将吾(RK蒲田)を破って再起。
上位ランカーと遜色ない力を見せる小坂。
敵地…ではなく、今回は中立地となる刈谷でランカー対決。
・堀 陽太 20戦13勝(8KO)5敗(1KO) 日本フライ級7位
アマ戦績も豊富な中、2010年には東日本新人王を獲得している。
その後、現日本ライトフライ級3位の角谷 淳志(金沢)に敗れて無敗はストップ。
しかし再起から引分を一つ挟んで3連勝。この連勝中の間に挟んでしまった引分けは
のちにWBA世界フライ級暫定王座を獲得する江藤 光喜(白井・具志堅S)が相手。
3連勝後はアーデン・ディアレ(比)に敗北。
このディアレは江藤 光喜を何度も
リングに転がした猛者であり、のちのOPBF東洋太平洋王者。
この試合後、半年置かずに再起すると2014年度のA級トーナメントを制している。
その後は、途中3連敗を挟みながらも、新井 雄大(渡嘉敷)を相手に再起に成功。
さらなる高みを目指して刈谷に乗り込んでくる。
西日本VS東日本のランカー対決。
普段は刈谷で見れない超生唾カードがこの地で成立したことに驚きを隠せない。
こんな試合…見させてもらっていいんでしょうか。
あまりの贅沢さ加減に感覚がおかしくなってしまいそう…。
【スーパーフェザー級6回戦】
力石 政法(薬師寺) vs 谷本 涼(広島拳闘)
・力石 政法 1戦1勝
B級デビューを飾った力石。
デビュー戦ではディフェンスの優れた韓国王者のリー・サヤに対してほぼフルマークの勝利を飾った。
柔らかく、守りの堅い相手がディフェンス一辺倒に固まってしまった試合。
“そうさせてしまった力石”とも見えた。
付け入る隙を与えなかった内容には充分、ホープとしての片鱗を見せている。
リーとの試合で負傷した拳の具合が気になるところだが…2試合連続の強敵との試合。
・谷本 涼 5戦4勝(3KO)1敗
今年の西部日本新人王で本命視されたものの、決勝で照屋 雄大(平仲BS)にまさかの敗北。
まさかの無冠に終わった高評価の谷本が名古屋のホープ狩りで名を挙げに来た。
実際のところはそんなストーリーがあるかどうかは知ったちゃこっちゃないが、
見る側としてはそんな構図をこじつけたくなる。
同じジムで同じ階級の森 武蔵(薬師寺)が全日本新人王を控えている中、
B級デビューの力石は、ガチンコでA級昇格に挑む。
同ジムの為、直接対決のない力石と森…出世レースもまた超絶面白い構図。
【フライ級6回戦】
矢吹 正道(薬師寺) vs 多田 雅(TI山形)
・矢吹 正道 6戦5勝(5KO)1敗
全日本新人王戦での敗北から2連勝。この試合に勝てばA級奪取となる。
試合前にも関わらず、森の西軍代表決定戦のセコンドに入るなど、
有望選手の多い薬師寺ジムを文字通り背負っているように見える矢吹。
「年内にランカーになる」との宣言は達成は難しいのかもしれない。
しかし、ここを乗り切れば、道は開けてくるはずだと信じている。
矢吹は刈谷で収まっちゃいけない…。
今の国内フライ級には強烈なライバルたちがひしめいている。
一刻も早く、そこに飛び込んで欲しい選手…。
そして、その実力を知らしめることができる選手だと思っている。
・多田 雅 17戦11勝(6KO)4敗2分
3年近く前、大平 剛(花形)との日本王座決定戦に挑んだ多田。
その頃のリングネームは多打 魔炸獅。
敗北にリングから遠ざかること2年半、那須 亮祐(グリーンツダ)を相手に復帰。
試合はドローに終わるものの…
試合数で行けば、矢吹の3倍近くを誇る多田。
立ちはだかったベテランが、有能なホープを手玉に取る…。
ボクシングにありがちな光景だったりもする。
この試合、矢吹が品定めされる試合…そんな風に感じている。
初めて、国内トップで戦った男と拳を合わせることとなる。
この選手をもしも圧倒するようなことがあれば…。
しかし、そう簡単には行くはずがない。
そういうものだと思う。
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異常過ぎるほどの好カード。
そしてホープたちにぶつけられる高い壁。
予定調和一切排除のえげつない一日になる…。
しかし、矢吹や力石にとっては…実力を誇示するには格好の機会。
見せてやって欲しい…名古屋のこの兄弟の実力が本物であることを…。
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