フライ級日本王座連続防衛回数ランキング(記録関連) ボクシング選手名鑑ピックアップ! 2018/10/23

フライ級日本王座連続防衛回数ランキング(記録関連) ボクシング選手名鑑ピックアップ! 2018/10/23

 

さて、本日も日本王座連続防衛回数ランキング。

本日は日本のお家芸とも言われるフライ級。
トップ3の選手について詳しく掲載するものの、今回は1位が6度防衛で4選手横並び。
この4選手を中心に紹介。

フライ級日本王座連続防衛回数トップ10

 

第1位 6度防衛 第3代日本フライ級王者

スピーディ 章(カワイ) 

最初は1950年代に活躍したスピーディ 章。

戦後間もないリングに立ち、カーン博士が白井 義男(フリー)よりも
先に目を付けたとも言われる武藤 鏡一(不二)と1勝1敗。
戦前戦後をまたにかけて、軽量級のスター選手としてトップ戦線を戦っていた花田 陽一郎(帝拳)に2勝。
白井を破ってもいる串田 昇(不二)も下す。

1950年に入って連戦連勝で駆け上がり、1952年10月…白井が日本人初の世界王者となったことで返上した、
日本フライ級王座を一度勝っている串田と争うことになる。
この頃、無冠の帝王とも呼ばれていた串田を判定で破って王座を獲得。

防衛ロードではのちの東洋王者、三迫 仁志(野口)を二度も破るなど強さを発揮。

6度防衛を重ねると、比国に飛んでダニー・キッド(比)と比国王座を争うも、この試合では涙を飲む。
帰国してから4戦のノンタイトルを挟んで、三迫との三度目の対戦で陥落。
しかし、その後2度の返り咲きを見せトップ戦線に踏みとどまった。

1980年、列車事故にて逝去。

第1位 6度防衛 第28代日本フライ級王者

玉城 和昌(内野)

スピーディ 章が列車事故で命を落とした1980年。
4度の防衛を重ねていた牧 公一(田辺)への初挑戦をモノにしてフライ級王座に就いた玉城。

過去にノンタイトルで牧に敗れていた玉城は、これで1勝1敗。
ラバーマッチへと流れは向き、さっそく初防衛戦で二人のリマッチが実現。
この試合ではスレスレの引分け防衛で決着はつかず。

須賀 伸治(松田)を相手に2度目の防衛を飾ると、日本人で初めて世界選手権メダリストとなったエリートの
石井 幸喜(SB日東)とノンタイトルで対戦し、6RKO負け。
なおこの後、石井は元日本王者、現役東洋王者などを相手にノンタイトルでの快進撃を突き進み、
世界挑戦まで辿り着いている。

屈辱の敗戦から2カ月半後、田辺との4度目の対戦。
この試合をものにして3度目の防衛。

その後は打越 芳幸(斎田)穂積 秀一(帝拳)高木 信二(広島三栄)などの強豪を退け、
フライ級王座連続防衛記録に並ぶ6度目の防衛を達成。
25年ぶりの記録更新をかけて挑んだ試合の相手は藤 勝(不二)
過去10戦中勝利は2つだけという格下挑戦者だったはずが…まさかの7RKO負けで王座陥落。
大アップセットでベルトを手放すと、そのままリングに戻ることなく、グローブを壁に吊るした。

第1位 6度防衛 第31代日本フライ級王者

穂積 秀一(帝拳)

デビュー以来12連勝で一気に駆け上がり、日本ライトフライ級王座に挑戦。
相手はのちに世界王者となる友利 正(三迫)だったが、これを2-0の判定で下して王座獲得。
一気に世界をもくろみ、王座は防衛することなく返上し、
OPBF東洋太平洋フライ級王者のヤン・ホンス(韓)に挑む。
しかし、9RKO負けで王座獲得成らず…再起後3連勝で玉城 和昌(内野)の日本フライ級王座に
挑むもはじき返され一気に世界が遠のくこととなる。

それでも、打越 芳幸(斎田)渡辺 伸行(横須賀)
熾烈な生き残り競争を勝ち抜き、日本フライ級王座に再挑戦。
無骨に戦いながら”負け越し戦績の日本王者”となっていた船木 和義(新日本木村)を判定で破って
日本王座二階級制覇とした。

初防衛戦で船木とのリマッチをクリアすると、ここで世界初挑戦が実現する。
相手は第23代WBA世界フライ級王者のサントス・ラシアル(亜)
この王座を9度も防衛することになるフライ級の歴史的王者。
念願の世界挑戦も、ラシアルの圧倒的強さの前に2Rに3度のダウンを奪われKO負け。 

ここから「茨のカムバックロード」と言われる伝説の道のりが始まる。

世界選手権メダリストの石井 幸喜(SB日東)、異端児の風来 ゆうと(ワタナベ)を相手に2つの防衛を重ねると、
さらにノンタイトルで1階級上の日本スーパーフライ級王者の渡辺 陸奥雄(八戸)を退け、
もう1試合ノンタイトルで伝説の激闘王として名を残すジャッカル 丸山(国際)をも下す。
続いて比国の強豪、アラン・マキトキ(比)にも黒星をつけてノンタイトル3連勝。

ここからまた日本王座防衛ロードに戻り、打越 芳幸との再戦。
1階級下から2階級制覇をもくろんだ元日本フライ級王者の竹下 鉄美(山神)
そして最後にスパーリングで何度も手を合わせた榊原 隆史(金子)との試合を
KOで飾って2度目の世界挑戦を決め、ここで6連続防衛とした日本王座をここで返上する。

世界戦の相手は軟体動物とも称されたイラリオ・サパタ(パナマ)
のちに殿堂入りする超絶技巧派に挑んだ穂積だったが…その技巧の前に死力を尽くした15Rは空転。
国内No.1技巧派が世界No.1技巧派に挑んだ試合…その差は大きく大差の判定で世界には届かず。

その後再起はするものの、敵地韓国で強豪のソン・オゴン(韓)に敗北すると、ここでリングを降りた。

 

第1位 6度防衛 第43代日本フライ級王者

スズキ カバト(新日本大阪)

穂積が引退した1988年、比国でデビューしたノリト・カバト。
比国で戦う間は比国王座への挑戦経験こそあるものの、勝ち負けを繰り返していた。
田村 知範(オークラ)徳島 尚(グリーンツダ)など、
日本王者、東洋王者級の選手の対戦相手として来日もしている。

デビューから6年、カバトの運命が変わる。
当時、世界三階級制覇を目指していた井岡 弘樹(グリーンツダ)
スパーリングパートナーとして来日していたカバト。
ここで新日本大阪ジムの鈴木会長の目にとまり、日本に拠点を移すこととなる。

日本に根を降ろして以降、ラフなスタイルと強烈なカウンターを武器に連戦連勝で駆け上がる。
そのままわずか2年で日本王座を獲得。

ここから、世界を目指すホープ達の壁になり続けた。
後にWBC世界スーパーフライ級王座を2度獲得する徳山 昌守(金沢)に1勝1分で2つの防衛。
のちの第13代WBA世界スーパーフライ級王者、セレス 小林(国際)にも同じく1勝1分で2つの防衛。

6度防衛のうち残り二つも、柳光 和博(ワタナベ)浅井 勇登(緑)とのちに世界挑戦することとなる二人。 

まさにホープ達の壁として君臨した約2年間。
スズキ カバトへの苦渋を糧にした者が世界へ飛び出していく…
当時のフライ級はそういう構図だったとも言えるのかもしれない。

最後はセレスとの3度目の対戦に屈し王座を陥落。
自身は世界挑戦叶わずリングを去っている。

第5位 4度防衛 第8代日本フライ級王者 岩本 正治(平安)
第5位 4度防衛 第20代日本フライ級王者 花形 進(横浜協栄)
第5位 4度防衛 第27代日本フライ級王者 牧 公一(田辺)
第5位 4度防衛 第33代日本フライ級王者 レパード 玉熊(国際)
第5位 4度防衛 第44代日本フライ級王者 セレス小林(国際)
第5位 4度防衛 第49代日本フライ級王者 内藤 大助(宮田)
第5位 4度防衛 第51代日本フライ級王者 清水 智信(金子)
第5位 4度防衛 第55代日本フライ級王者 粉川 拓也(宮田)
第5位 4度防衛 第56代日本フライ級王座 黒田 雅之(川崎新田) 

1位の6度防衛以下は4度防衛で8名が横並び。
8名中5名がのちに世界王者となっている豪華なラインナップ。
流石は日本のお家芸フライ級・・・

現役選手としてランクインした粉川 拓也は
既に2度の世界挑戦を叶えているものの、いずれもタイの地で散っている。
1度陥落後返り咲いている粉川の通産防衛数は7回…実は日本フライ級史上最多となる。

3度目の世界挑戦が叶うのか…まだまだ可能性のある選手。
32歳となったベテランのゴールがどこに着地するのかにも要注目! 

そして現王者の黒田も4度防衛を重ねて5位タイとなるが…IBF世界フライ級挑戦者決定戦への出場が決定。
挑戦権が手に入った場合でも、そこは世界のひのき舞台。
…一筋縄ではいかず、待たされることも充分に考えられる。
その間に防衛を重ねる等、単独5位に浮上の可能性は残すものの、
順調に行けば王座返上の可能性が高いと目される。

こちらも充分にチャンスをモノにする力のある選手。
世界の頂での活躍を期待したいと感じる。

※記録は2018/10/23時点

【カテゴリ別】
日本王座連続防衛回数ランキング一覧に戻る

記録関連に戻る

カテゴリ別記事一覧に戻る

【日付別】
【記事一覧】2018年10月に戻る

【記事一覧】2018年に戻る

【記事一覧】に戻る

 

各選手の戦績はこちら。
ボクシング選手名鑑

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました