スーパーウェルター級日本王座連続防衛回数ランキング(記録関連) ボクシング選手名鑑ピックアップ! 2019/01/21

スーパーウェルター級日本王座連続防衛回数ランキング(記録関連) ボクシング選手名鑑ピックアップ! 2019/01/21
 
 
 

これまで4人の日本人世界王者が産まれているスーパーウェルター級。
階級創設直後はまだチャンスがあったが、こちらも今や米本土を中心に回る傾向が強く、
日本人にとってはなかなかチャンスに恵まれない階級となっている。

これまでウェルター級の世界王者となったのは、輪島 功一(三迫)工藤 政志(熊谷)三原 正(三迫)
石田 順裕(グリーンツダ)
石田がWBA世界ウェルター級暫定王座のベルトを手放してから、もう8年が経過している。

海外マニアたちにとって馴染みの深い階級となっているのが現状の階級だが…
国内スーパーウェルター級には国内スーパーウェルター級の色濃い歴史がある。
今回も連続防衛記録から覗いてみましょう。
 
 

スーパーウェルター級日本王座連続防衛回数トップ10
 
 

 

第1位 20度防衛 第19代日本スーパーウェルター級王者

上山 仁(新日本木村)

デビューから無敗で1986年度東日本ウェルター級新人王を獲得。
準決勝では日本ウェルター級で連続防衛記録を作る吉野 弘幸(野口)との、のちのレジェンド対決。
引分けの勝者扱いで勝ち上がっている。

そのまま4連勝を飾って日本ウェルター級王座に挑戦、この時の王者は吉野。
新人王を制したのは上山だったが、先にベルトを獲得したのは吉野だった。
運命の絡み合う因縁のライバル対決、今回は吉野に軍配が上がり、上山は初黒星を付けられる。

8か月後、1階級上げて、日本スーパーウェルター級王座決定戦に出場した上山。
大竹 永寿(グリーンツダ)を5RKOで下して王座を獲得すると、吉野に遅れながらも防衛ロードを走り始める。
途中ノンタイトルを挟んだ吉野に対して、防衛ロードを走り続けた上山。

お互いに2桁の10連続防衛を叶えたところで、二人はノンタイトルで3度目の激突となる。
この試合を7RKOで制した上山。
超満員の会場が熱狂した日本ボクシング史に残る対決となっている。

その後二人はお互いの防衛ロードに戻り、連続防衛記録を継続。
上山は二つの防衛を重ねた後、ノンタイトルの世界前哨戦を挟んで、日本王座を保持したまま世界挑戦。

空位のWBA世界スーパーウェルター級王座決定戦、敵地ブエノスアイレスで対峙したのは
熾烈なスーパーウェルター級で10度もの防衛を叶えることとなるフリオ・セサール・バスケス(亜)。
試合は3分に満たず、3度のダウンを奪われたうえでの1RKO負けで、世界には届かなかった。

この半年後、ライバル吉野はスーパーライト級で世界挑戦。
吉野も上山と同じく、アルゼンチンの強豪王者に戴冠を阻まれている。
 

その後上山は8つの防衛を記録し、節目の20連続防衛を叶えて王座を返上しての引退。
この時の日本王座連続20度防衛は、リック 吉村(石川)が新記録を樹立するまで、
全階級通じての歴代最多記録だった。
 
 

第2位 10度防衛 第23代日本スーパーウェルター級王者

大東 旭(大鵬)

日本王座初挑戦時は11戦9勝(6KO)2敗。
無傷ではなく、途中に連敗を挟みながらではあるが、着実に星を伸ばしての日本王座挑戦。
相手は時の名王者である上山 仁(新日本木村)の10度目の防衛戦。
当時の国内スーパーウェルター級最強をひた走る上山に9RKOで下されている。

さらに1階級下のウェルター級で吉野 弘幸(野口)が返上した王座を佐藤 仁徳(仙台)と争う。
この試合も6RTKOで戴冠ならず…佐藤はその後、日本ウェルター級王座を10度防衛し、
こちらも名王者の一人になっていく。
3度目の日本王座挑戦は、2度目の上山 仁への挑戦…この試合は上山にとって16度目の防衛戦。
この試合も届かず、8RTKOで敗れている。

この1年後、上山が王座を返上して引退。
大東には4度目のチャンスがまわって来る。
相手は伊藤 辰史(新日本木村)…、ここまで破格のレジェンドが
君臨したスーパーウェルター級の上山時代が終わったところ。
次の時代を争う王座決定戦では、わずかに1ポイント届かず、2-0の判定負け。

5度目のチャンスはその半年後…伊藤へのリベンジマッチとなり、この試合を8RKOで制して
ようやく…ようやく日本王者に輝く。
日本王座初挑戦から4年以上、タイトルマッチ以外では負けずにトップ戦線に残り続け、
5度目の挑戦での戴冠となった。

初防衛戦では現在レフリーとしてお馴染みのビニー・マーチン(角海老宝石)を相手に
接戦を落として陥落するが、苦労して手に入れたベルト…
半年後には4RKOでリベンジを叶えてベルトを取り戻している。

ここからようやく大東の連続防衛ロードがスタート。
2年強に渡って10度連続防衛を叶えることとなる。
このうち、伊藤との対戦は3試合…2勝1分と負けることは無かったが、
いずれも際どい接戦でライバル関係となっていた。

10度目の防衛戦は、当時アマエリートとして鳴り物入りでプロ入りし、
一気に駆け上がってきた金山 俊治(ヨネクラ)(のちのクレイジー・キム)。
2-1と判定を割りながらも、この試合を制して国内最強をきっちりと印象付けて王座を返上。
さらにその先へと舵を切る。

しかし、延々と勝ち続けながらもチャンスは巡って来ず。
2001年にはWBC世界スーパーウェルター級王者だったハビエル・カスティジェホ(スペイン)への
世界挑戦が内定したが、ビッグマッチを目指したカスティジェホのご事情で流れてしまう。

OPBF東洋太平洋スーパーウェルター級暫定王座決定戦に出場するも引分けで王座を獲り逃し…。
のちに世界を獲ることとなる石田 順裕(グリーンツダ)に敗れると、
最後に1勝を追加してグローブを壁に吊るした。

引退後は一時、K-1のリングにも上がったが、ボクシングに戻って
渥美ボクシングジムの会長代行を務めるなどした。

名日本王者が集結した当時の90年代…1つ前の時代の名王者たちに何度も王座を阻まれながら
自信が次の時代を創る名王者へとなっていったストーリーは格別モノ。
90年代後半の国内中量級を見てきたファンには忘れられない存在となっていることだろう。
 
 

第3位 7度防衛 第12代日本スーパーウェルター級王者

堀畑 道弘(協栄山神)

無敗のまま全日本ミドル級新人王を獲得。
デビューから1年に満たずに日本ランカーとなった堀畑だったが、ここからが紆余曲折の道のりだった。
ランカーとして挑んだ最初の2試合で連敗…
その後2試合を連勝で挽回して日本スーパーウェルター級王座決定戦に出場。
しかし、タートル 岡部(笹崎)を相手に日本王座初挑戦には失敗。

その後1勝2敗で、またも巡ってきた日本ミドル級王座決定戦。
これにも敗北し、2度目のチャンスを逃してしまう。
これで気持ちの糸が切れてしまった堀畑。

一旦ボクシングを辞め、3年近くのブランクを作る。
戻ってきた堀畑だったが、対戦相手の羅列に強豪選手を並べながら、一時期は3連敗。
まさに勝ち負けを繰り返しながらも、復帰から2年で日本スーパーウェルター級タイトルマッチに挑む。
この3度目のチャンスも柴田 賢治(堀内)を相手に判定負けでモノにできず…

4度目のチャンスは10か月後。
柴田 賢治とのリマッチに挑み、最終ラウンドKOで4度目にしてようやく日本王座を戴冠する。
デビューから8年以上かかっての栄光だった。
 

柴田 賢治とのラバーマッチとなる初防衛戦を引分防衛でなんとかクリアすると、
2度目の防衛を叶えたあと、日本王座保持のまま、OPBF東洋太平洋スーパーウェルター級王座に挑む。
しかしここは、のちに世界のベルトを巻くこととなる三原 正(三迫)に歯が立たず。

日本王座の防衛ロードに戻ると、連勝を重ねる。
7度目の防衛戦で沢田 勝博(熊本)を相手に、際どく引分防衛となり、
その翌戦、破天荒さで伝説ともなった新井 容日(大星)に王座を奪われての陥落。
その後は、日本、OPBF東洋太平洋に1度ずつ挑むが、再度の王座獲得はならず。
 

引退時の戦績は40戦21勝(15KO)16敗3分。
階級ごとの連続防衛記録でトップ3に残る選手としては平凡なレコードだったが、
「ベルトを巻いた選手は強くなる」…という定説を地で行ったような戦歴。

勝ち負けを繰り返した王座獲得までと、王座獲得後の防衛ロードが対照的な王者。
彼もまた、ドラマを多分に含んだボクサーズロードを歩いたことなんだろう。
 
 

 

第4位 6度防衛 第11代日本スーパーウェルター級王者 柴田 賢治(堀内)(2期目)
第4位 6度防衛 第15代日本スーパーウェルター級王者 三原 正(三迫)
第4位 6度防衛 第27代日本スーパーウェルター級王者 クレイジー・キム(ヨネクラ)
第4位 6度防衛 第36代日本スーパーウェルター級王者 野中 悠樹(井岡弘樹)
第8位 5度防衛 第5代日本スーパーウェルター級王者 輪島 功一(三迫)(2期目)
第8位 5度防衛 第31代日本スーパーウェルター級王者 チャーリー 太田(八王子中屋)
第10位 4度防衛 第18代日本スーパーウェルター級王者 田端 信之(コーエイ工業小田原)
 
 

1970年代以降の各年代の選手がしっかりとトップテン入り。
2010年代もチャーリー 太田と野中 悠樹がランクインしている。

1990年代前半は上山が君臨し続けた時代。
さらに後半は大東が君臨し、この10年ではわずかに5人しかベルトを巻くことができていない。
この時代にベルトを巻いた、伊藤 辰史(新日本木村)ビニー・マーチン(角海老宝石)
河合 丈矢(オーキッドカワイ)の功績は大きいとも思える。
 

現在、スーパーウェルター級には王者が二人。
正規王者の新藤 寛之(宮田)渡部 あきのり(角海老宝石)

二階級制覇王者同士の日本王座統一戦はドローで両者1度の防衛数を加算した。
新藤の次戦は5月1日、チャンピオンカーニバルの松永 宏信(横浜光)戦。
王座の統一はこの試合の先となることが既定路線。

ウェルター級の連続防衛トップ10にもランクインしている暫定王者の渡辺は、
この階級でも防衛を重ねられるか。

どちらかが王座に残り続けたとしてトップ10入りは来年となることが予想されるが…。
それ以前に、この階級の日本王座をめぐる争い、今年一年は強烈に楽しませてもらえそうだ。
 
 

 
 

※記録は2019/01/21時点
 
 

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