ウェルター級日本王座連続防衛回数ランキング(記録関連) ボクシング選手名鑑ピックアップ! 2018/01/19
ミドル級以下で唯一日本人世界王者が産まれていないのがこの階級。
世界挑戦を叶えられたのも、辻本 章次(ヨネクラ)、龍 反町(野口)、尾崎 富士雄(帝拳)、
佐々木 基樹(帝拳)の4名のみ。
ウェルター級日本王座連続防衛回数トップ10
第1位 14度防衛 第34代日本ウェルター級王者
元々は国際ジムで腕を磨いたが、デビューはワタナベジムから。
ミドル級でデビュー2連敗となり、階級を下げて勝ち星を重ね始める。
1986年の東日本新人王戦ではウェルター級でエントリーし、準決勝まで進むが、
のちのライバルとなる上山 仁(新日本木村)と対戦。
引分の敗者扱いで敗退している。
新人王戦後は3勝1敗で日本ウェルター級王座に初挑戦。
坂本 孝雄(新日本木村)を相手に4RKO勝利で、王座を獲得。
初防衛戦では上山と二度目の対戦となり、3RKO勝利で1勝1分となる。
以降、2つのノンタイトルを挟んで連続防衛記録を10まで伸ばしていく。
この間、12連続KOを記録…左フックの名手としてKO劇を演出。
ここで、スーパーウェルター級で日本王座10連続防衛を記録していた上山と3度目の対決。
これまで2試合を戦った因縁と、日本王座10連続防衛同士の対戦。
ノンタイトルで執り行われた試合は、7RKOで上山にリベンジを許す。
以降二人に対戦はなく、上山とは1勝1敗1分のイーブンで、ライバル対決のストーリーは完結している。
その後も連続防衛を伸ばした吉野は、14度の防衛を叶え、日本ウェルター級の連続防衛記録を更新。
待ち続けた世界挑戦のチャンスを手に入れ、王座はここで返上した。
世界挑戦の相手はWBA世界スーパーライト級王者のフアン・マルティン・コッジ(亜)。
コッジにとっては2期目の王座の2度目の防衛戦となった試合。
吉野は一階級落としての挑戦、前半をリードしながら5Rに逆転のOK負けで
チャンスをつかむことはできなかった。
再起戦でOPBF東洋太平洋ウェルター級タイトルマッチに挑むが、こちらも敗北。
しかししぶとく再起し、2年後にOPBF東洋太平洋ウェルター級王座に2度目の挑戦を行って王座獲得。
この王座を2度防衛後に陥落すると、ボクシングを引退し、K-1に参戦する。
K-1デビューで勝利を飾るも、その後は試合枯れに陥ってボクシングに復帰。
この時、所属ジムを野口ジムに移している。
引退から、ボクシング復帰までの期間は2年半ほど。
再スタートを切った吉野は、再起から1年半で日本スーパーウェルター級王座を獲得し、日本王座2階級制覇。
2度目の防衛に失敗したあと、三階級目を目指して日本ミドル級王座に挑むが、こちらは叶わず。
そこからさらに5戦を追加し、ボクサー定年まで戦い続けて引退した。
引退後はH’sスタイルボクシングジムを開き、ボクシングに携わり続けている。
第2位 13度防衛 第29代日本ウェルター級王者
1970年代から80年代にかけて活躍。
一度はプロデビューするも、1勝1敗で引退して自衛隊に入隊。
アマチュアで日本3位にまで上り詰めた。
その後、プロのリングに再デビューするが、対戦相手に強豪を含みながら勝ち負けを繰り返した。
OBF東洋スーパーウェルター級王座に1度、OBF東洋ウェルター級王座にも1度、
日本スーパーウェルター級王座には1度、日本ウェルター級王座に3度…6度のタイトル戦を行うも、
いずれもはじき返されていた。
5度目のタイトル挑戦からわずかに1カ月後、7度目の挑戦として
ダイナマイト 松尾(三津山)を9RKOで倒して王座を獲得。
この時、既に28戦を戦っており、戦績はイーブンに近い15勝13敗だった。
ここから3年半に渡って王座を保持し、連続防衛記録は13まで伸びる。
こちらは当時の日本スーパーライト級の最多記録となっている。
14度目の防衛戦で尾崎 富士雄(帝拳)を相手に陥落。
リターンマッチとして、尾崎に奪われた王座を取り返しにかかるが、8R終了時に棄権しての敗北。
この時には既に眼疾を発症していたようで、この試合を最後に引退した。
第2位 13度防衛 第29代日本ウェルター級王者
辻本 章次(ヨネクラ)
1970年、アマチュア全日本王者からB級デビュー。
100戦以上の試合経験を誇るホープは2年で7連勝を飾り、プロの世界でも駆け上がる。
しかし、現役のOBF東洋王者のイ・チャンキル(韓)と敵地で戦ったノンタイトルで初の敗北。
さらに、アフリカ大陸に飛び、南アフリカ白人王者のゲルト・スティン(南ア)とも敵地で対戦し引分。
輝かしいキャリアに傷をつけることも辞さないハードなカードを2つ消化して日本王座に挑戦する。
当時日本王座を3度防衛していた清水 孝恒(セキ)を6RTKOで下して王座を獲得。
ここから中量級の名王者がたどる、世界挑戦待ちの長期防衛ロードを歩んでいく。
途中、ノンタイトルをいくつか挟む中で、米国遠征で勝利。
豪州王者のコリン・キャシディ(豪)には敵地で判定負けするものの、
国内で元世界王者のエディ・パーキンス(米)を撃破。
世界ランキングを手に入れる。
次戦では日本王座を保持したままOBF東洋王座に挑むが、こちらは二度目の世界挑戦を
叶えたばかりだった龍 反町(野口)とドローで王座獲得ならず。
最終ラウンドまでリードしながら、2つのダウンを奪われて引分に持ち込まれた試合。
東洋タイトルマッチの名勝負の一つ。
辻本への期待は高まるが、世界挑戦までにはまだ時間がかかった。
日本王座を獲得して4年、日本王座を9度防衛したところで、ようやく世界挑戦のチャンスを手に入れる。
相手は世界王座を11度連続防衛し、名王者として名を残すこととなるピピノ・クエバス(メキシコ)。
この試合、善戦しながらもクエバスの強打に沈んだ試合。
再び世界挑戦を狙って日本王座の防衛ロードへと戻る。
しかし…1年半後の12度目の防衛戦、若き挑戦者、亀田 昭雄(ミカド)に圧倒されて5RKOでの陥落。
試合後に引退を表明した。
引退後は江坂ジムの会長を務め、西日本ボクシング協会会長の任にも就いた。
第4位 10度防衛 第35代日本ウェルター級王者 佐藤 仁徳(仙台)
第5位 8度防衛 第27代日本ウェルター級王者 亀田 昭雄(ミカド)
第6位 6度防衛 第51代日本ウェルター級王者 高山 樹延(角海老宝石)
第7位 5度防衛 第38代日本ウェルター級王者 加山 利治(ワタナベ)
第8位 4度防衛 第2代日本ウェルター級王者 辰巳 八郎(新和)
第8位 4度防衛 第24代日本ウェルター級王者 龍 反町(野口)
第10位 3度防衛 第13代日本ウェルター級王者 沢田 二郎(新和)
第10位 3度防衛 第15代日本ウェルター級王者 沢田 二郎(新和)(2期目)
第10位 3度防衛 第25代日本ウェルター級王者 清水 孝恒(セキ)
第10位 3度防衛 第40代日本ウェルター級王者 永瀬 輝男(ヨネクラ)
第10位 3度防衛 第47代日本ウェルター級王者 中川 大資(帝拳)
第10位 3度防衛 第50代日本ウェルター級王者 渡部 あきのり(角海老宝石)
10度以上の連続防衛を数える選手が4人もいるスーパーウェルター級。
それはそのまま世界挑戦への待機を意味するように感じられる。
また、1988年から1996年の8年間は吉野 弘幸から佐藤 仁徳へと王座が渡り、
二人の名王者が日本王座に君臨し続けた期間となる。
近年で目立つのは6度防衛の高山 樹延。21世紀に入って最高値である。
6同防衛した王座を返上後、OPBF東洋太平洋ウェルター級暫定王座を獲得。
しかし、王座統一戦に敗北して引退している。
また、実は短命王者も多いウェルター級。
3度連続防衛でトップテンに入ることとなる。
現在の日本王者は矢田 良太(グリーンツダ)。
4月29日にチャンピオンカーニバルとして行われる、永野 祐樹(帝拳)との
防衛戦をクリアすれば、トップ10に名を連ねる3度目の防衛となる。
…浪速のターミネーターが歴史に名を残すか。
果たして!?
※記録は2019/01/19時点
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