スーパーバンタム級世界王座連続防衛回数ランキング(記録関連) ボクシング選手名鑑ピックアップ! 2017/01/13

スーパーバンタム級世界王座連続防衛回数ランキング(記録関連) ボクシング選手名鑑ピックアップ! 2017/01/13

 

さてさて、本日はスーパーバンタム級。
西岡 利晃がノニト・ドネア(比)とのラスベガスの地で軽量級最強決定戦に挑んだのがこの階級。
日本人にとって獲得が難しくなってくるのと同時に、
欧米ファンの目が徐々に届き始め、ビッグネームという存在がちらほら現れ始めるのがこの辺り。 

※WBA以前、NBA時代は除く。 

スーパーバンタム級世界王座連続防衛回数トップ10

118~122ポンド(53.524~55.338kg)
1976年に制定。
旧名はジュニアフェザー級。

WBCのベルトを賭けて行われた初代世界王者決定戦は、ケニアから来日し
日本の神林ジム所属選手として活躍したワルインゲ 中山(神林)が出場している。
また、畑中 清詞(松田)名古屋のジムから初めて世界王者になったのがこの階級。
名古屋のファンにも馴染みの深い階級となっている。

第1位 17度防衛 第4代WBC世界スーパーバンタム級王者

ウィルフレド・ゴメス(プエルトリコ)

1位には17連続防衛のゴメス。
その防衛全てがKO勝利。
この17連続KO防衛は全階級通じての世界タイ記録となっている。
(同数はミドル級のゲンナジー・ゴロフキン(カザフスタン))

15歳でオリンピック出場。
18歳では世界選手権を全てKO勝利で優勝。
破格のトップアマとしてプロデビュー。

デビュー戦ではまさかの引分を記録するも、その後15連続KO勝利で世界挑戦。
世界戦の舞台でもその勢いは止まらず、そのまま17のKO勝利を築き上げる。
日本のリングにも立ち、元世界王者のロイヤル 小林(国際)が強烈な左フックに沈んでいる。

1階級下で猛威をふるい、王座を保持したまま挑戦してきたカルロス・サラテ(メキシコ)
ルペ・ピントール(メキシコ)
ゴメスの前に複数階級王座の保持を阻まれた。
特にサラテとの試合は未だ「史上最高のKOキング対決」とされる。

ゴメス自身も王座を保持したまま、1階級上のフェザー級でサルバドール・サンチェス(メキシコ)に挑むも敗北。
スーパーバンタムを17度防衛した後、王座を返上し、改めてフェザー級にアタックし、
見事二階級制覇を達成している。

しかし、フェザー級の王座は初防衛戦で陥落。
軽量級歴代最強とも言われる”プロフェッサー”アズマー・ネルソン(ガーナ)に辛酸を舐める。

3階級目のスーパーフェザーはロッキー・ロックリッジ(米)をギリギリの判定で破って獲得。
こちらはアルフレド・ライネ(パナマ)を相手に陥落。

引退後はベネズエラへ移住。
薬物依存で何度も逮捕された。
2013年には一時危篤に陥るも、昨年のWBO総会では元気な姿を見せている。

第2位 13度防衛 第9代IBF世界スーパーバンタム級王者

ブヤニ・ブング(南ア) 

K-1のボブ・サップより先に「ビースト」と呼ばれていたのがこの男。
南アフリカの英雄であり、南アフリカの世界王者として最多の防衛数を誇る。

当時、南アフリカビッグスリーと言われた3名がスーパーバンタム級を占有。
レーロホノロ・レドワバ(南ア)、ウェルカム・ニシタ(南ア)と共に安定政権を築いた。
3名の中で最も連続防衛を重ねたのがブング。

ウェルカム・ニシタから大逆転KOで王座を奪っていたケネディ・マッキニー(米)を
スピードで寄せ付けず王座を獲得。

この頃のブングはまだ実力未知数の謎の南アフリカ王者。
また、マッキーニはニシタ戦の逆転KOで、2年前のノックアウトオブザイヤーにも選出された選手。
下馬評不利の中で、ブングが突如世界戦線に飛び出した形となり、この年のアップセットオブザイヤーを受賞。

防衛ロードの後半は減量苦もあり苦戦することも多くなったものの、負けることはないまま13度の防衛を記録。
階級を上げるために王座を返上し、WBO世界フェザー級王座にアタックする。

しかし、ナジーム・ハメド(英)の前にリングに沈み、その後メジャータイトルへの挑戦なく引退した。
引退後はトレーナーとして、南アフリカの強豪選手にその系譜を引き継いでおり、
複数の世界王者を輩出している。 

第3位 10度防衛 第30代WBA世界スーパーバンタム級王者

セレスティーノ・カバジェロ(パナマ) 

IBFの挑戦者決定戦に2度勝利するも挑戦叶わず…しかしWBA暫定で急遽チャンスを
得るとヨベル・オルテガ(ベネズエラ)との王座決定戦を制して念願の世界王者に…。
ソムサック・シンチャチャワン(タイ)との王座統一戦に勝利して正規王座を獲得すると、南米の古豪を
相手に防衛テープを伸ばし、元WBA世界フライ級王者のロレンソ・パーラ(ベネズエラ)をも破り去る。
スティーブ・モリター(カナダ)との対戦はWBA/IBFの王座統一戦となり、IBFのベルトも吸収。
暫定時代を含めた防衛記録を10度まで伸ばしていった。

その後、試合間隔空き、両王座を剥奪されると二階級目のフェザー級へアタック。
ヨナサン・ビクトル・バロス(亜)に判定で下されるも、猛抗議の末リマッチにこぎつけると、
2度目は文句なしの判定で二階級制覇に成功。

この政権時には細野 悟(大橋)の世界挑戦を退けて王座を返上。
WBC世界フェザー級王座決定戦でロビンソン・カステリャノス(メキシコ)に敗北すると、
その後1勝1敗を記録し、最後は網膜剥離で引退。

昨年、コカイン所持で逮捕されるなど、残念なニュースも… 

さて…4位以降はこんな感じ。

第4位 9度防衛 第15代WBA世界スーパーバンタム級王者 ウィルフレド・バスケス(プエルトリコ)
第4位 9度防衛 第暫定代WBA世界スーパーバンタム級王者 ギジェルモ・リゴンドウ(キューバ)
第4位 9度防衛 第19代WBC世界スーパーバンタム級王者 エリック・モラレス(メキシコ)
第4位 9度防衛 第暫定代WBC世界スーパーバンタム級王者 オスカル・ラリオス(メキシコ)
第8位 8度防衛 第7代WBO世界スーパーバンタム級王者 マルコ・アントニオ・バレラ(メキシコ)
第9位 7度防衛 第16代WBA世界スーパーバンタム級王者 アントニオ・セルメーニョ(ベネズエラ)
第9位 7度防衛 第暫定代WBC世界スーパーバンタム級王者 西岡 利晃(帝拳)

 

4位には9度防衛で4名。

親日家で知られるウィルフレド・バスケス。
WBC世界バンタム級に挑んだ世界初挑戦はミゲール・ロラ(コロンビア)に屈するも
WBA世界バンタム級王者のパク・チャンヨン(韓)を退けて王座獲得。

六車 卓也(大阪帝拳)を相手に、疑問の残る引分で王座を防衛するなど、
バンタムではそれほど力を発揮できなかった。
カオコー・ギャラクシー(タイ)に王座を追われると、4年近くの歳月をかけて、
WBA世界スーパーバンタム級にアタックする。

ラウル・ペレス(メキシコ)を討ち破り二階級制覇を達成、この王座を9度防衛する。
その中にはIBF世界バンタム級王座16度防衛で王座を保持したままアタックしてきた
オーランド・カニザレス(米)を阻む星も含まれ、日本では横田 広明(大川)、葛西 裕一(帝拳)
葬っている。

10度目の防衛戦でアントニオ・セルメーニョ(ベネズエラ)に際どい判定を落とすと、
WBA世界フェザー級王座にアタックし、帝拳プロモーションと契約していた
エロイ・ロハス(ベネズエラ)を相手に三階級制覇を達成。
こちらは渡辺 雄二(斉田)などを相手に4度防衛を刻む。

その後、WBO世界フェザー級に君臨していたナジーム・ハメド(英)に挑んだバスケス。
WBAのベルト剥奪されてまで挑んだビッグマッチで敗北。
その後しばらく戦い続けるも、世界戦の舞台に立つことはなく引退している。 

さらにキューバからやってきた嫌われ者、ギジェルモ・リゴンドウ。
オリンピックで2度金メダルを獲得後、命からがらキューバから亡命。
ビッグマネーを求めてプロの世界にやってきた男。

しかし、圧倒的な強さとは裏腹に、試合ぶりが面白くないと評され
また高額のファイトマネーを要求することから、プロモーターから嫌煙され、
度々試合枯れに陥り、この階級最強と目されながら、ビッグマッチに辿り着かない。

リカルド・コルドバ(パナマ)とのWBA世界スーパーバンタム級暫定王座決定戦に勝利すると
リコ・ラモス(米)を破って正規王座を獲得。
ノニト・ドネア(比)でさえリゴンドウに敗れ去る。

2014年には来日…破格とも思える5000万円のファイトマネーが用意されたとか。
この試合では天笠 尚(山上)にあわやのダウンを奪われながらも防衛。
途中、プロモーターとのトラブルで休養王者になったりと、紆余曲折しながら
防衛テープを伸ばし続ける。

この階級で最も強いのは…リゴンドウという声も多い。
しかし、商品価値の低さゆえ、それを証明する機会が無く、彼を置き去りにスーパーバンタムが動いていく。
果たして彼は今後どのようなルートを歩み、後年どのような評価を手に入れるのか…
強過ぎる男の今後に注目。 

“恐怖の男”エリック・モラレス(メキシコ)も9度の防衛を記録している。

4階級制覇王者の最初に制した階級がこの階級。

国内、地域王座を地道に防衛して辿り着いた世界初挑戦。
ダニエル・サラゴサ(メキシコ)を下してWBCのベルトを獲得。
その後、順調に防衛テープを伸ばし続け、メキシコで超人気の世界王者へと上り詰めて行く。

同じ階級でWBOのベルトを巻いていた、もう一人のメキシコ人気世界王者
マルコ・アントニオ・バレラ(メキシコ)と激突したのは9度目の防衛戦。

WBC/WBOの王座統一戦は、二人のスーパースターが激突するビッグマッチとなった。
内容はとにかく壮絶な殴り合い…最終ラウンドにモラレスがダウンするも、判定でモラレスの勝利。
その年の年間最高試合に選出される名勝負を演じて、モラレスはフェザー級へと転級。

この試合では、WBOが判定の結果が間違っているとしてバレラをWBOの王座に再び認定する特別措置が
図られるなど影響力の大きかった試合。

もしモラレスがこの試合をピークにしていたとしたら…きっとこの試合はさらに名勝負として語られ
議論の試合として語られたことでしょうが…
モラレスはこの激戦を塗り替えるようにさらなる名勝負を産んでいく。

バレラとの再戦、マニー・パッキアオ(比)を下した試合…
ここだけでは語りつくせぬ…というか、もうこの辺りは誰しもが感動を覚えた部分だと思いますので、
わざわざここで語らなくとも、きっと動画や情報も多いと思います。
興味があれば漁ってみてくださいな。 

何度も来日したオスカル・ラリオスもこの位置。
順調にレコードを伸ばしつつ、所々の敗北で遠回り。
世界初挑戦も失敗し、デビューから8年半でイスラエル・バスケス(メキシコ)との
WBC世界スーパーバンタム級暫定王座決定戦を制してようやく王座を獲得。
ちなみにバスケスとはこれで2試合目、前回の試合で敗れており、リベンジを果たした形。

福島 学(JBスポーツ)を初防衛戦で破ると、2度目の防衛戦ではかつて敗れている正規王者、
ウィリー・ホーリン(米)を破って王座を統一。
その後は仲里 繁(沖縄ワールドリング)に2度、石井 広三(天熊丸木)を下すなど、
日本人キラーぶりを発揮。

10度目の防衛戦でイスラエル・バスケスとのラバーマッチ。
この試合を落として王座を陥落。

その後はフェザー級へ上げて二階級制覇を達成。
ホルヘ・リナレス(ベネズエラ)粟生 隆寛(帝拳)などと拳を合わせている。

8位にはマルコ・アントニオ・バレラ(メキシコ)

スーパーフライ級でデビューし、順調に勝ち星を重ねるも挑戦者決定戦で計量失格。
スーパーバンタムまで階級を上げて35戦目での世界挑戦。

WBO世界スーパーバンタム級王座を獲得するとKO防衛を積み重ねその王座を8度防衛。
中でもソウル五輪金メダリストのケネディ・マッキニー(米)との倒し合いはスリリングな一戦となる。
スター選手へと成り上がったバレラだが、9度目の防衛戦で、
ジュニア・ジョーンズ(米)によもやの敗北。

ジョーンズのフロックとの声が多い中、再戦でもジョーンズに敗れてしまう。
一時リングから遠ざかるも、リッチー・ウェントン(英)との王座決定戦を制し、
2年の歳月をかけて王座に返り咲き。
1度防衛すると、前述したエリック・モラレス(メキシコ)との人気王者対決に挑むこととなる。

「童顔の暗殺者」との異名で、3階級制覇を達成。
エリック・モラレス(メキシコ)とのライバル関係、マニー・パッキアオ(比)に敗れ去った試合、
裕福なバレラが自身とは対照的に狂気の人生を歩んだジョニー・タピア(米)と戦った友人対決…

9度防衛以降、様々な名勝負を生み出していく…。

9位には2名。
まずはベネズエラのアントニオ・セルメニョ。

9度連続防衛を重ねていたウィルフレド・バスケスから王座を奪い去ると
2年半の歳月をかけて王座を7度防衛。

その中には葛西 裕一(帝拳)の念願を2度討ち砕いた星も含まれる。
技巧派として名高く、葛西との試合では来日し、最終ラウンドに葛西をリングに沈めている。
7度の防衛のうちKO防衛が5度しかないからか、それほど名前が挙がりづらいが
ラスベガスのリングではしっかり地位を確立した選手の一人。

この王座は返上し、二階級制覇を狙ってフレディ・ノーウッド(米)に挑むも大差判定で敗れている。
しかしゲネロ・リオス(ニカラグア)との王座決定戦を制して、念願の二階級制覇を達成。
この王座陥落後には世界戦線から遠ざかるものの、2005年には沖縄で中真 光石(沖縄ワールド)に白星を献上。
2006年の試合を最後に引退している。 

そして日本から西岡 利晃が滑り込み。

バンタム級でウィラポン・ナコンルアンプロモーション(タイ)に4度挑んでいずれもはじき返される。
スピードキングの異名も、アキレス腱断裂によってそう呼ばれることはなくなっていく。
それでもスーパーバンタムに上げて、世界王座決定戦のチャンスをものにすると、
2度目の防衛戦では敵地メキシコに乗り込み、世界的スターのジョニー・ゴンサレス(メキシコ)を打ち破る。
新たに「モンスターレフト」の異名を授かり、軽量級最強候補へと昇華していく。

さらに7度目の防衛戦ではラスベガスでラファエル・マルケス(メキシコ)を討ち破り、
IBF/WBO/WBCと三つのベルトが賭かった当時の軽量級最強決定戦…
ノニト・ドネア戦へと駒を進める。

この試合ではドネアの前に惨敗に終わった試合だったが、
ドネアは「これまで戦った相手で一番強かった」と発言。

ビッグスター達の群雄割拠に片足を踏み入れた功績はとてつもなく大きい。

 

さて、ランキング外の選手たち。

アフリカ、南米、アジアと幅広くランクインしたものの、
欧州と北米の選手がトップ10から外れている。

欧州からはギリギリトップ10から漏れた第34代WBA世界スーパーバンタム級王者のスコット・クィッグ(英)が6度防衛。
カール・フランプトン(英)との王座統一戦に敗れてその王座を手放している。

北米ではブヤニ・ブングに王座を譲ったアメリカのケネディ・マッキニーと
セレスティーノ・カバジェロとの王座統一戦でベルトを手放したカナダのスティーブ・モリターが5度の防衛。

現役王者では4位につけているギジェルモ・リゴンドウが最多。
あと1勝でトップ3につけることとなるが…
なかなか試合が決まらず、決まっても流れることが多いのがこの選手。

2017年…どこまで防衛テープを伸ばすことができるか…。 

バンタム級と同じく、トップ10に名を連ねる王者が現役で君臨している。
この生き証人となれることは歓迎したい。 

リゴンドウのもどかしさもまた、いつか歴史になるんだろう…そんなことをボヤっと考えたりしてみある。

 

※記録は2017/1/13時点

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