スーパーバンタム級日本王座連続防衛回数ランキング(記録関連) ボクシング選手名鑑ピックアップ! 2018/10/29

スーパーバンタム級日本王座連続防衛回数ランキング(記録関連) ボクシング選手名鑑ピックアップ! 2018/10/29
 
 

本日はスーパーバンタム級の日本王座連続防衛回数ランキング。
世界の舞台では日本人王者は産まれても、防衛した日本人世界王者はいなかった…なんて歴史を
今年、岩佐 亮佑(セレス)が塗り替えてくれました。
この階級の国内の歴史はどうなっているのか…覗いてみます。
 
 
 

スーパーバンタム級日本王座連続防衛回数トップ10
 
 

 

第1位 9度防衛 初代スーパーバンタム級日本級王者

太郎浦 一(新和)
 

4回戦時代には3つの敗北を喫して負け越し先行だったが、
1961年の新人王戦にエントリーすると連戦連勝で、全日本バンタム級新人王を獲得する。

その後、のちにフライ級で世界を獲る海老原 博幸(協栄)に敗北するなどしたものの、
1962年から1963年にかけては引分けを挟んで10連勝。

現役のOBF東洋(OPBF東洋太平洋前身)バンタム級王者だったクァーリー・アギーレ(比)との
敵地マニラでのノンタイトルで敗北、14連勝中だった塩山 重雄(鈴木)にも敗北し連敗となるが、
中根 義雄(不二)を相手に再起したところで
新設された日本スーパーバンタム級王座挑戦のチャンスを手に入れる。

古木 秋雄(東京ボーリング)をほぼフルマークの勝利で下して
初代スーパーバンタム級王者となると4年半に渡って王座に君臨。
ノンタイトルを間に挟みながらすべて判定決着の9度の防衛を重ねた。

ちなみにこの間、当時世界バンタム級王者だったファイティング 原田(笹崎)とも
ノンタイトルで対戦している。

10度目の防衛戦で迎えたのは清水 精(ヨネクラ)
老獪なテクニシャンとしての地位を築いていた太郎浦は21歳ながら30戦以上を重ねる清水の
若さが爆発するような猛攻の前にリングに沈み、その長い長い時代に幕を下ろした。
 
 
 

第2位 8度防衛 第14代スーパーバンタム級日本級王者

岩本 弘行(ヨネクラ)(2期目)

2度目の新人王トーナメント参戦で東日本新人王に輝いた岩本。
その後は強豪と手を合わせる中、勝ち負けを繰り返したが、デビュー5年目で日本王座初挑戦のチャンスを得る。
当時の日本王者は笠原 優(SB川口)。既に世界挑戦も叶えた強豪王者。

「エンドレス」と言われたスタミナとテクニックでパンチ力のなさを補い、
このチャンスを判定で制してベルトを手に入れると、初防衛戦となったリマッチでも勝利。
さらにOPBF東洋太平洋スーパーバンタム級王座に挑んだばかりの大都 兼勝(大阪帝拳)には
ほぼフルマークの勝利で2度目の防衛。
安藤 文治(斎田)を迎えた3度目の防衛戦では接戦を落として王座陥落するも、
リマッチで勝利して返り咲き。

2度目の政権では安藤とのラバーマッチや、強打者のマルシアノ 関山(センターS)を下し、
3年に及んで8連続防衛を達成することとなる。
 

途中、OPBF東洋太平洋スーパーバンタム級王座に挑むも、チョン・スンヒョン(韓)に2RKOで敗北。
この頃の日本とOPBFの差がうかがい知れる。

歴代最多連続防衛記録にリーチを賭けた9度目の防衛戦。
挑戦者は「エンドレスファイター」と呼ばれた、のちの第41代WBA世界バンタム級王者、六車 卓也(大阪帝拳)

優位に試合を進めた岩本だったが、戦い続けてきた中で切れやすくなった瞼から出血。
六車は勝利を求めて、躊躇なく傷口を狙う。

4R終了時点でこの傷が限界となり、試合がストップ…。
古傷が限界になるまで戦い続けた名王者はこの試合で引退した。

通算防衛回数では日本スーパーバンタム級史上最多の11度。
1期目、2期目を合わせて、4年2ヶ月に渡って日本タイトルマッチを戦い続けたことになる。
 
 

第3位 7度防衛 第15代日本スーパーバンタム級王者

六車 卓也(大阪帝拳)

岩本から王座を奪い取った六車が3位。
「エンドレスファイター」と呼ばれたアグレッシブなスタイルでデビューから連戦連勝。
全日本新人王決勝ではフェザー級で世界挑戦も叶える杉谷 満(協栄)を破っている。

14連勝で岩本に挑んで王座獲得。
そのまま防衛数を4度に伸ばしたころ、当時のOPBF東洋太平洋スーパーバンタム級王者である
キム・ジウォン(韓)がIBF世界スーパーバンタム級王座を獲得してOPBF王座を返上。
韓国王者のチェ・ヨンガプ(韓)と六車で空位のOPBF東洋太平洋スーパーバンタム級王座を争うこととなる。

敵地韓国で行われたこの試合ではスプリットまで行く善戦だったが王座獲得はならず、初の黒星となる。
日本に戻り、さらに3つの防衛を重ねると、世界挑戦を目指して王座を返上。
ここで日本王座の連続防衛記録はストップすることとなる。

日本王座返上から1年後、見事に第41代WBA世界バンタム級王者となった六車。
キャリアの多くを西のリングで戦い、関西のファンには忘れられないレジェンドとなっている。
 
 

第4位 6度防衛 第16代日本スーパーバンタム級王者 マーク 堀越(八戸帝拳)
第4位 6度防衛 第27代日本スーパーバンタム級王者 渡辺 純一(楠三好)
第4位 6度防衛 第35代日本スーパーバンタム級王者 芹江 匡晋(伴流)
第7位 4度防衛 第6代日本スーパーバンタム級王者 サルトビ 小山(笹崎)
第7位 4度防衛 第10代日本スーパーバンタム級王者 ワルインゲ 中山(神林)
第7位 4度防衛 第11代日本スーパーバンタム級王者 笠原 優(SB川口)
第7位 4度防衛 第22代日本スーパーバンタム級王者 新井 泰(角海老宝石)
第7位 4度防衛 第24代日本スーパーバンタム級王者 真部 豊(宮田)
第7位 4度防衛 第28代日本スーパーバンタム級王者 中島 吉謙(角海老宝石)
第7位 4度防衛 第36代日本スーパーバンタム級王者 大竹 秀典(金子)
 
 
 

4位以降は6度防衛が3名、4度防衛が7名並んでいる。
芹江 匡晋や大竹 秀典など近年の王者もトップ10入りとなった。
 

現在、世界を狙える選手たちが世界ランカーとしてひしめき合っているこの階級。
久我 勇作(ワタナベ)との試合を制した現役王者の和氣 慎吾(FLARE山上)もその一人。
世界戦目前とも思える和氣が長期防衛を重ねることはなかなか考えづらいところ。
日本王座の連続防衛記録は裏を返せば、さらに上の王座への待機を重ねた時間でもあったりする。
トップ10に新顔が登場するのは、少なくとも数年先になると思われる。

選手本人にとって是か非か…一概には言えない部分もあるが、
このタイトルに長期君臨し、現地観戦ファンの記憶に色濃く残っていくような
王者の登場も期待したい。
 
 

 

※記録は2018/10/29時点
 
 

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