バンタム級日本王座連続防衛回数ランキング(記録関連) ボクシング選手名鑑ピックアップ! 2018/10/27

バンタム級日本王座連続防衛回数ランキング(記録関連) ボクシング選手名鑑ピックアップ! 2018/10/27
 
 

さて、本日はバンタム級の日本王座連続防衛回数ランキング。
日本からも何人も名世界王者を産んだこの階級。
日本王座にも魅力あふれる選手が多数・・・。
 
 

バンタム級日本王座連続防衛回数トップ10
 
 

 

第1位 9度防衛 第60代日本バンタム級王者

サーシャ・バクティン(協栄)

サーシャ・バクティンこと、アレクサンデル・バクティンが1位の9度連続防衛。
アマチュアではユースで世界の頂点に立ち、プロを目指して来日。
アレクサンドル・ジミントレーナーがいた協栄ジムでキャリアをスタートする。

デビュー5戦目にはOPBF東洋太平洋バンタム級王座に挑戦したばかりの熟山 竜一(JM加古川)を撃破。

わずか7戦目で仲 宣明(尼崎)が返上した王座を額賀 勇二(鹿島灘)と争い、7RTKOで王座獲得。
圧倒的強さで3年に及び王座に君臨。
村越 裕昭(三津山)を皮切りに木嶋 安雄(角海老宝石)に2度、過去に破った熟山 竜一をさらに2度、
瀬川 設男(ヨネクラ)池森 久貴(帝拳)川端 賢樹(姫路木下)、立木 正祥(花形)…

なみいる挑戦者を下しながら、世界挑戦のチャンスに恵まれず…
結果的には待たされ続けた結果の9度連続防衛。

そんな折、突如飛び込んできたニュースは、現役日本王者逮捕のニュース。
路上で一般男性二人を殴り傷害容疑で逮捕。
結果この王座を返上、一度は協栄ジムを解雇ともなった。

この事件で1年半のブランクを作ってしまったものの、復帰すると5連勝。
ディフェンスマスターと呼ばれた本田 秀伸(グリーンツダ)をもリングに沈めている。

そのまま無敗でOPBF東洋太平洋バンタム級王座を獲得。
ここでバクティンは戦いの場を沖縄に移している。

協栄ジムより沖縄ワールドリングジムへ移籍。
リチャード・サモシル(インドネシア)を下し、初防衛を飾る。

ここまで日本で戦い続けたバクティンだったが、この王座を返上してロシアへ帰国。
その後も負けなしのまま、WBAインターナショナルスーパーバンタム級王座を獲得。
次戦では日本でこそマイナー王座と呼ばれるが、世界的には相応の価値を持つIBO世界王座に挑戦。
IBO世界スーパーバンタム級王者に上り詰めるも、その王座は防衛せぬまま返上。
最後の試合をノンタイトルで勝利し、一度も負けぬままグローブを壁に吊るした。

協栄ジムの金平会長が「世界挑戦させてやれなかったのは一生の後悔」と語るほどの強豪は
日本から遠く離れたロシアの地でリングを去っている。
 
 

第2位 8度防衛 第7代日本バンタム級王者

堀口 宏(堀口)(3期目)

戦後ボクシングの大スターとして”拳聖 ピストン堀口”と呼ばれた堀口 恒男(不二)の実の弟。
当時、ピストン堀口を筆頭に、堀口4兄弟は抜群の人気を誇ったという。
周囲の期待通り、36勝2敗3分と破格の快進撃を続け、秋村 竜三(広島)
初代日本バンタム級王座決定戦を争って王座獲得。

その後ノンタイトルで7勝2分を記録。
この時代、ノンタイトルで何戦も戦い、日本王者に勝った選手が
挑戦者として改めて王者と戦う構図が主流。

しかし、全く負けない堀口。
初防衛戦には戦前からフライ級で無敵を誇ったスター選手、花田 陽一郎(帝拳)があてがわれる。
この試合では大ベテランに堀口が敗れ、花田は二階級制覇を達成。

しかし堀口は、陥落後4連勝を飾って再度花田へ挑戦し、王座を奪い返す。

ここから幾度もノンタイトルを挟みながら王座を3度防衛。
20戦もの戦いの中で、唯一負けた桜庭 春夫(極東)へはタイトル戦でリベンジしている。

そして迎えた4度目の防衛戦の相手は、当時カーン博士とタッグを組み、
日本フライ級王者になっていた白井 義男(王子)
カーン博士と組んで以降、連戦連勝だった白井だったが、
流石に大スターだった堀口は荷が重いと見られたよう。
堀口優位の予想が大方を占めた。
しかし、結果は白井の判定勝利…この試合が白井の世界へ向けた出世試合だったと言われることもある。

陥落した堀口は、4連勝を飾り…ここでビッグチャンスを手に入れる。
世界王者として来日遠征中だったダド・マリノ(米)との対戦。
ここで勝てば世界挑戦も見える試合だったが…世界の壁は厚く8RKOに沈んでいる。

その後2勝を追加して日本フェザー級王座へ挑戦するも王者の後藤 秀夫(坂口)に敗北。
さらに日本フライ級、日本バンタム級の同時王者になっていた白井 義男のバンタム級王座に挑んだリマッチ。
ここも判定で敗れてしまう。
さらにマリノのスパーリングパートナーだったロイ・ヒガ(米)にも敗北。
キャリア初の連敗となる。

ここでへこたれることなく、ライバル白井が世界王者になった為に
返上した日本バンタム級王座を中西 清明(坂口)と争って獲得。

翌戦にはOPBF東洋太平洋バンタム級王座をフラッシュ・エロルデ(比)と争うが、これは惜敗。
当時、日本人選手と海外選手の力量差は大きかったという。

ここから日本王座の防衛に専念した堀口。
3度目の王座では連続防衛数を8まで伸ばす。
途中、世界挑戦直前のレオ・エスピノサ(比)と戦うも敗北。
白井との世界戦、実質勝っていたともされる実力者、エスピノサには敵わず。

当時の国内と国外の大きな差を確認させてくれるような戦歴。
国内最強を誇った堀口だが、8度目の防衛後に日本バンタム級王座を返上して引退。
バクティンが現れるまで、半世紀以上もこの記録は残り続け、
さらには通産11度防衛は未だ破られぬ記録として残り続けている。
 
 

第3位 7度防衛 第54代日本バンタム級王者

グレート 金山(ワタナベ)

1990年代、日本国内で活躍した名王者。
2度の世界挑戦を叶えた元韓国王者として来日。
この時、既に38戦…様々な経験を積んだ世界レベルの強豪が輸入ボクサーとしてやってきた形。

日本で最初の試合は後に世界王者となる畑中 清詞(松田)に判定負け。
この試合、酷い地元判定だったとも言われることもある。

以降の試合は7連勝とし、日本バンタム級王者の山岡 正規(トクホン真闘)に挑戦。
10RTKOで王座を獲得すると、圧倒的強さで安定王者となり…7連続防衛。

この間、日本人ホープに土をつけ続ける憎らしいほどの強さに、いつしか金山は悪役化していったという。
そして迎えた8度目の防衛戦。

相手はソウル五輪に出場した期待のホープ、川益 設男(ヨネクラ)
しかしこの試合も…いつものごとく金山は圧倒的な強さを見せて最終ラウンドのゴングを聞く。
メダリストも金山の牙城を崩せず…しかし発表された採点は川益の勝利。
まさかの金山陥落に会場は騒然…リマッチを求める署名活動が行われたほどだった。

JBCは再戦を指示…しかし熱くなりすぎた金山は、その再戦で返り討ちに合い…
そしてそのリングで帰らぬ人となった。

悲運のボクサーとして知られる金山。
ここには書ききれないほどのその背景は、ぜひググってみてほしい。
 
 

第3位 7度防衛 第59代日本バンタム級王者

仲 宣明(尼崎)

グレート 金山に並ぶ7連続防衛を記録したのが仲。
デビュー戦の判定勝利以降、全てKOで全日本新人王を獲得。
そのままKO記録を続けながら一気に日本王座を獲得した。

初防衛戦からはKO記録は途切れるものの、
2度目の防衛戦では、のちに3度世界に挑み大激戦を見せる仲里 繁(沖縄ワールドリング)を下してみせる。

3度目の防衛戦では池森 久貴(帝拳)に大苦戦。
池森が勝っていたという声も大きかった判定勝利だったが
4度目の防衛戦でリマッチとなり、ここはきっちりとTKOで下して決着をつけた。

5度目、6度目の防衛戦では熟山 竜一(JM加古川)と対戦。
いずれも引き分けで決着つかずながら防衛テープを伸ばすこととなる。
さらに福山 登(大阪帝拳)を6RKOで下して7度目の防衛を飾ると王座を返上…。
世界を目指して上のステージへ足を踏み入れる。

その後、デンマークでジョニー・ブレダル(デンマーク)へ挑戦した仲だったが、世界王座は獲得叶わず。
アレクサンデル・ムニョス(ベネズエラ)に2度世界挑戦し、敗れていた小島 英次(金沢)とのサバイバルにも敗れ、リングを後にした。

当時、世界王者になれる可能性を持った選手達がしきりに潰し合い、
我先にと世界を目指していた国内バンタム級。
そんな充実の時期に記録した連続防衛7度。

熾烈な匂いが立ち込めつつある階級を見ると、
この頃のバンタムの匂いを感じることもあったりします。
 
 

第5位 5度防衛 第13代日本バンタム級王者 石橋 広次(AO)
第5位 5度防衛 第37代日本バンタム級王者 磯上 修一(辰東)
第5位 5度防衛 第55代日本バンタム級王者 川益 設男(ヨネクラ)
第5位 5度防衛 第63代日本バンタム級王者 大場 浩平(真正)
第9位 4度防衛 第36代日本バンタム級王者 ハリケーン 照(石川)(2期目)
第9位 4度防衛 第38代日本バンタム級王者 今里 光男(トーアファイティング)
 
 

各年代の代表的な日本バンタム級王者が並ぶ中、半数が1990年代~2000年代に集中。
大場 浩平以降、2010年代に入ると最高でも2度までの防衛で返上するケースが目立っている。
日本王座で待機を強いられる王者が減ったとも言えるだろう。

“軽量級に強い日本人”が、その幅を年々競り上げてきていることにも関係しているように感じる。
このまま徐々に徐々に上の階級を侵食していく未来予想図も感じさせてくれる。
 
 

現在、呪われたバンタムとも言われる国内バンタム級戦線。
日本タイトルマッチが選手の怪我や計量失敗などで相次ぐキャンセル。
長く王座空位が続いた中、ようやく産まれた日本王者の齊藤 裕太(花形)
怪我により防衛戦ができず、暫定王座決定戦が設けられている。

「バンタムの呪い」が解けるのはいつになるのか。
ベルトをめぐる複雑な運命の絡み合いが繰り広げられている。
 
 
 

※記録は2018/10/27時点
 
 

【カテゴリ別】
日本王座連続防衛回数ランキング一覧に戻る

記録関連に戻る

カテゴリ別記事一覧に戻る
 
 

【日付別】
【記事一覧】2018年10月に戻る

【記事一覧】2018年に戻る

【記事一覧】に戻る
 
 

 
 

各選手の戦績はこちら。
ボクシング選手名鑑
 

コメント

タイトルとURLをコピーしました