世界王座連続防衛回数ランキング(記録関連) ボクシング選手名鑑ピックアップ! 2016/11/23

世界王座連続防衛回数ランキング(記録関連) ボクシング選手名鑑ピックアップ! 2016/11/23
 
 

 

ボクシングの長い長い歴史の中。
最初は一人だったチャンピオンが、階級分けや団体の分裂により数が増え。

陥落と獲得を繰り返しながら…何人もの世界王者が産まれてきました。

その数…今日までのべ1980人。
(ちなみに、4団体統一した場合、4人としてカウント。延べ人数ですし…おおよそと捉えてもらえれば)
 

さて…今年、我らが内山 高志(ワタナベ)が、具志堅 用高(協栄)の連続防衛記録まであと1歩と迫りながら…
ヘスリール・コラレス(パナマ)に敗戦するという”まさか”が発生…
 

そんなこともあって…
連続防衛記録、果たして何度防衛が世界記録なんだろう…
なんて疑問から、ちょいと調べてみました。
 

…と、いうわけで、トップ10くらい行っときますか。

※WBA以前のNBA時代は除く。

ちなみに暫定から正規に昇格し、さらにスーパーへ…なんてパターンの場合、すべてを合算しています。
“連続防衛記録”なわけですので、悪しからず。
 
 

第1位 23度防衛 第3代WBO世界ライトヘビー級王者 

ダリス・ミハエルゾウスキー(ポーランド)

約10年近くWBO世界ライトヘビー級を占有した「ポーランドの虎」が歴代トップ。
在位期間は1994年9月10日 – 2003年10月18日。

アマチュアでは欧州王者として133勝15敗2分を記録。
ドイツへ移ってプロデビュー。
 

リーオンザー・バーバー(米)から判定でWBO世界ライトヘビー級王座を奪取すると約10年に渡ってベルトを保持。
フリオ・セサール・ゴンサレス(メキシコ)に敗れるまで23度の防衛を記録しました。

そもそもWBO王座が台頭した経緯として…それまでの既存王座が米国を中心に回っていたことから、
欧州のプロモーターが積極的にWBO王座を活用したことで、欧州のツワモノをあぶりだすことになり…
そして、欧州を中心とした強豪たちがWBOの価値を高めていった…。

ミハエルゾウスキーはその中心的な選手の一人と言っても過言じゃない…と個人的には思います。
WBOが世界的にマイナー王座と信じて疑わなかった当時、最強がWBOにいたことに驚きを覚えたりしました。
 

在位中にはWBO世界クルーザー級を同時保持したり、WBAとIBFを含めた3団体統一も果たしています。
ロイ・ジョーンズJr(米)がヘビー級王座を獲得した時には、本気でヘビー級進出も考えたとか…。
 
 

ちなみに…
ベルトが1つしかない時代、チャンスに恵まれずに消えていった強豪たちは今以上に多数。
大げさな言い方をすれば、WBOの台等によってもたらされた欧州勢の台頭で、
世界王者が本当の意味で”世界”王者に近づいた…なんて言える気がします。
(あくまで大げさに言えば…)

ただ…そういう見方をしてしまうと、まだまだプロへのルートが確立されていない旧共産圏や中東諸国(アマはすげぇ強い!)から
スーパースター達が雪崩れ込んでくるまで、本当の世界王者ではない…とも言えてしまうので、
そんな味気ない話はここまでということで…。
 
 

第2位 22度防衛 第5代WBC世界ミニマム級王者 

リカルド・ロペス(メキシコ)

ほんとね、日本人ってこの選手大好きですよね。
「小さな巨人」が歴代2位。

大橋 秀行(ヨネクラ)を何度もリングに転がし、圧倒的勝利で王座を獲得。
以降延々と勝ち続け…22度の防衛を記録。
20度目の防衛戦ではWBO王者だったアレックス・サンチェス(プエルトリコ)を破って王座を統一。(WBOはすぐ返上)
21度目の防衛戦ではWBC王者だったロセンド・アルバレス(ニカラグア)と負傷引分で防衛。
22度目の防衛戦でアルバレスとの再戦を制して王座を統一。

最後はミニマム級王座を返上し、IBF世界ライトフライ級王座を獲得して2階級制覇。
…そして無敗のまま引退したまさに伝説。

漫画「はじめの一歩」に登場する最強王者リカルド・マルチネスのモデルにもなった人物。
マルチネスが来日して、公開スパーの相手となった一歩が、
マルチネスのパンチが見えずにボコボコにされる話がありますが…

大橋に挑戦するために来日したロペスが、日本ランカーの桜井 靖高(多寿満)をボコボコにした話のオマージュです。
桜井はスパーの後のインタビューで、「右が見えない…右が見えない」とうわ言のように繰り返し…
映像があったら見てほしいな…茫然自失とはこのことを言うのか!と思えるようなインタビューです。
 

ちなみに、アルバレスと引き分けた試合では、カットの傷が悪化。
セコンドがレフリーではなくWBC会長のホセ・メンドサ氏にこれ以上続行できないと訴え、
WBC会長経由でレフリーが試合をストップ。

この経緯がかなりの波紋を呼んだようです。

また、本場と呼ばれる米本土では…ロペスはそれほど評価されていないのだとか。
それは対戦相手の質が問題だと。
同時期に1階級上のライトフライ級では、マイケル・カルバハル(米)ウンベルト・ゴンサレス(メキシコ)なんて大スターがいた時代。
当然、ファン感情としては、ロペスもその対決に絡んで欲しかった…んだろうとは思うんですが。

戦いを見ればロペスのその圧倒的強さは一目瞭然なわけで…
また、彼によってミニマム級という階級に価値と歴史がもたらされたように思います。
 

「ロペスを評価できないラスベガスなんて、日本人が行く価値ない」
…誰かが言ってましたが、その気持ち、めちゃくちゃ分かります。
 
 

 

第3位 21度防衛 第10代IBF世界スーパーミドル級王者 

スベン・オットケ(独)

「ファントム」とあだ名された技巧派。
在位期間は1998年10月24日 – 2004年。
 

アマチュア戦績は256勝47敗5分。
バルセロナとアトランタの2度、オリンピック出場。

アマエリートとしてプロ転向しチャールズ・ブルワー(米)に勝って王座獲得。
バイロン・ミッチェル(米)からWBAのベルトを奪って王座統一。

プロでは34戦34勝(6KO)。
この階級では驚きのKOの少なさ…。
圧倒的と言うよりは、際どい試合を着実にモノにして王座を守り続けました。
距離と間合いの支配者…超絶の技巧派王者だったりします。

全勝のまま引退したのはロッキー・マルシアノ(米)以来2人目。
2008年にお互い1戦限りの復帰戦として防衛回数1位のミハエルゾウスキーとの試合が期待されつつ実現せず。
 
 
 

第3位 21度防衛 第4代WBO世界スーパーミドル級王者 

ジョー・カルザゲ(英)

人呼んで「ウェールズの誇り」
在位期間 1997年10月11日 – 2008年9月。

アマチュア戦績、120戦110勝10敗。
3階級で英国チャンピオンに輝き、プロ転向後も圧倒的手数で一気に頭角を現し、トップホープとして注目を浴びる。
クリス・ユーバンク(英)とのベテランvsホープの英国対決は激戦となり…判定の末に王座を獲得。

強者を倒しながら評価が上がらなかったカルザゲ…。
しかし、最終的に3団体統一に成功し、直前にはIBFのベルトも獲得していた(獲得直後に返上)ため、
事実上の4団体制覇王者として再評価される。

3団体統一戦となったミッケル・ケスラー(デンマーク)との決戦が激戦だったことや
ケスラーがカルザゲとは対照的に評価の高い選手だったこともあり、
この試合をきっかけにカルザゲの評価は一気に急上昇した。

ノンタイトルでバーナード・ホプキンス(米)や、ロイ・ジョーンズJr(米)さえも破り、
オットケに続いてパーフェクトレコードで引退。
46戦46勝(32KO)。
 

同じく連続防衛回数3位のオットケとは階級と在位時期が重なっており
対戦話も何度か浮上しましたが、実現することなく、お互いパーフェクトレコードで引退となりました。
 

…と3位まででかなり長くなってしまったので…あとは総括で。
 
 

第5位 20度防衛 第6代IBF世界ミドル級王者 バーナード・ホプキンス(米)
第6位 19度防衛 第4代WBA世界スーパーフライ級王者 カオサイ・ギャラクシー(タイ)
第6位 19度防衛 第11代WBA世界フェザー級王者 エウセビオ・ペドロサ(パナマ)
第8位 18度防衛 第22代WBA世界フェザー級王者 クリス・ジョン(インドネシア)
第8位 18度防衛 第17代IBF世界ヘビー級王者 ウラジミール・クリチコ(ウクライナ)
第10位 17度防衛 第10代WBA世界ライトフライ級王者 ユ・ミョンウ(韓)
第10位 17度防衛 第34代WBC世界フライ級王者 ポンサクレック・ウォンジョンカム(タイ)
第10位 17度防衛 第4代WBC世界スーパーバンタム級王者 ウィルフレド・ゴメス(プエルトリコ)
第10位 17度防衛 第8代WBC世界ヘビー級王者 ラリー・ホームズ(米)
第10位 17度防衛 第5代WBO世界ライト級王者 アルツール・グレゴリアン(ウズベキスタン)
 
 

とまぁ…10位に入ろうと思ったら17度防衛しないといけないわけで…かなり大変。

1位~3位(4名)のうち3名が欧州の選手。
また、時代の重なる近い階級の3名…。
三つ巴の争いがあったなら…ここはどうしても空想してしまいますね。

アメリカからはホプキンスが5位にランクイン。
アジアからはタイのカオサイの6位が最高位です。
旧共産圏からはグレゴリアンが10位に滑り込み。

アフリカからは28位のブヤニ・ブング(南ア)が最高位。
第9代IBF世界スーパーバンタム級王座を13度防衛しています。

この13度防衛は第3代WBA世界ライトフライ級王者の具志堅と同じ数。
具志堅でさえトップ30…今後新たなボクサーによって、時を経るごとのこの順位が下がることを考えると…
世界って広くてボクシングの歴史って長い。

ちなみに、内山と山中 慎介(帝拳)の11度は現在40位。
山中はまだまだ順位を上げていく可能性もあるので、期待しましょう。
 
 

ちなみに…現役世界王者の最高はゲンナジー・ゴロフキン(カザフスタン)
WBA世界ミドル級王座の防衛が16度を数えており、あと1度防衛すればトップ10。

直近のケル・ブルック(英)戦は、ブルックにミドル級の実績がないことを理由に
WBAがタイトルマッチ承認をしなかったため、お預け状態…。
次戦ではWBAがダニエル・ジェイコブス(米)とのWBAの王座統一戦をオーダーしており…。

昨今、ベルト以上にビッグマッチを望む選手も多い状況。
ビッグマッチを求めて返上…なんてことは無いだろうか。

まぁ…どこかで王座を返上したとして記録は記録。
ちょっと残念だけど、別にね…それはそれです。
 
 

…とまぁ、ちょっといろいろ調べてみましたが、これはこれで面白い。
次回からはこれを団体別で分けて見てみましょうか。
 
 

※記録は2016/11/23時点
 
 

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