渡辺の苦戦 渡辺 二郎(大阪帝拳)③ ボクシング選手名鑑ピックアップ! 2015/12/19

渡辺の苦戦 渡辺 二郎(大阪帝拳)③ ボクシング選手名鑑ピックアップ! 2015/12/19
 
 
 

今日も本題に行く前に…。
 
 

渡辺二郎のピックアップの最中ですが、
渡辺と同じく日本拳法出身の選手がいまして。
一応紹介しとこうかと…。
 

日本スーパーフェザー級王者尾川 堅一(帝拳)
とんでもない1発を持った選手です。

今ね、国内のスーパーフェザーはとんでもないことに…。
次の世界挑戦が誰かってとこで、有力な選手たちが潰し合いに潰し合いを重ねてる。
世界ランカークラス同士が、後楽園ホールでバチバチ…。

尾川も日本王座は内藤 律樹(E&Jカシアス)を破っての獲得。
それまでは内藤が少しだけ頭抜けてるかな…ってところが、尾川の勝利でとんでもない大混戦になっちゃった。

飛び出すのは誰か…もしくは全員でつぶし合って誰ひとり世界に行けないか…。
 

ちなみに内藤 律樹のお父さんは、アリスの名曲「チャンピオン」のモデルにもなった、
第18代OBF東洋(OPBF東洋太平洋前身)ミドル級王者のカシアス 内藤(金子)

それぞれがタレント的にも、実力的なぶつかり合いでも、
とにかく国内のスーパーフェザーは今、超絶に面白い。
 
 

 
 

さ、渡辺 二郎(大阪帝拳)の第3回。
もう3回なんですね…この人おしゃべり面白いからいろんな話が残ってて…
余談がすっごく多くなる…。
 
 

 

さて、4度目の防衛戦。
ここで初めて苦戦らしい苦戦をします。
相手はメキシコからの輸入ボクサー、仙台ジムのセンダイ・ラミレス

1Rに3度のダウンを奪った渡辺。
しかしレフリー…3度目のダウンを見落とし。
世界初挑戦に続いて2度目です。

その後、ムキになってKOを狙う渡辺。

実はこの試合、マットが通常より軟らかかったそうで、終盤には渡辺がガス欠。
かたやラミレスは元マラソン選手。
驚異の回復力とスタミナで、最終ラウンドには渡辺をダウン寸前に追い込みます。

渡辺自身も「倒れんようにだけしとこと思った…」と語るほど苦しかった最終15R。
2-0の判定勝ちでなんとか勝ちを拾います。
(この当時、WBA世界タイトルマッチは15R制。のちに選手の健康面に配慮し改正)
 
 

5度目の防衛戦ではクォン・スンチョン(韓)を迎えます。
コリアンファイター特有の頭からガツガツ来るボクシング。

この試合は11R、渡辺がバッティングで負った傷により続行不能。
負傷判定で大差判定勝ちを決めた試合でした。
 
 
 

6度目の防衛戦は指名試合。
セルソ・チャベス(パナマ)戦は圧倒的にポイントリードしながら
14Rに両目上をバッティングによるカット。
ほぼ視界を塞がれます。

渡辺大ピンチ!…と思いきやこの直後、渡辺の左ショートフックでチャベスがダウン。
ゴングに救われますが、15Rにはラッシュで攻め立てたところでレフリーがストップ。
 

ここで、以前から交渉が進んでいたビッグマッチが実現します。
WBCの同級王者 パヤオ・プーンタラット(タイ)との王座統一戦。

同じ階級に王者が2人(この頃IBFやWBOはまだメジャー団体とは認められていなかった)。
これに対して渡辺の「それじゃあいっちょやってみるか」の一声で交渉が開始されたと言います。
ただし、当時WBAは15R制、WBCは12R制。
ルールの壁もあり、WBAより「王座統一戦は認めない」と、もしやったら王座剥奪と…。

これに対し、帝拳プロモーションが王座剥奪を試合終了後にしてもらうよう交渉。
もし勝てば、ほんのわずかな時間ではありますが、統一王者となるチャンスができました。
 

ここでもやっぱり余談…。

この頃、スーパーフライ級ではカオサイ・ギャラクシー(タイ)がランキングを上げてきており、
渡辺がカオサイを避けるためにWBCへ移った…などと言われていますが、以下から見当違いでは…と。
 

【開催地問題】
この頃カオサイはタイでの試合しかしていなかった。
ちなみに初来日した松村 謙二(JA加古川)戦は、松村を弱い挑戦者とナメてかかっての来日。

タイでの海外防衛となると、世界初挑戦時に韓国で痛いメを見た渡辺陣営としては避けたいはずです。

また、タイでの試合となるといわゆる「タイ秤」というヤツ…計量疑惑ですね。
計量で不正を行い、実際には2階級ほど上の体重で戦っていたなんて言われたりもします。
確かにタイで行われたカオサイの試合映像は、上半身の大きさが挑戦者とは不釣り合いに見えますし、
来日した2試合ではどちらも1度目の計量でウェイトオーバーし、その後の計量でなんとかクリアしています。
 

真相は不明ですが、充分警戒の対象になるタイ秤。
カオサイが日本開催を了承するとも思えず、そのあたりで交渉が成立する可能性は低かったと思われます。
 

【王座統一戦の時期】
渡辺は指名戦をこなした直後。
逃げてWBCであれば、このタイミングではないはずです。
 

【パヤオvsカオサイは?】
WBC王者が自国の選手であったこと。
最も挑戦しやすいはずの自国王者に挑戦しなかったカオサイ…。
これはカオサイがランキングを上げて来たころには、
パヤオが渡辺との交渉を本格化させていた可能性が高い…と考えられます。
 

【そもそもは統一戦】
そもそもこのパヤオ戦は統一戦を行う交渉でした。
WBAのかたくなな態度で仕方なく、WBA王座を剥奪されWBC王座に移る形になった訳です。
カオサイ戦を避けることが目的であれば、統一戦としての交渉自体無理があります。
 

いずれにしても状況証拠ですが、渡辺のカオサイ回避説自体に証拠があるわけでなく、
否定するのには充分な材料です。

いつの時代も、こういうイチャモンを吹っ掛ける人はいるものです。
 
 

まぁ、それはさておき、WBA/WBC王座統一戦に挑む渡辺。
この王座統一戦はちょいとひと波乱あります…といったところでまた次回。
 
 

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