真っ向からのファイト ラリー・ホームズ(米)④ ボクシング選手名鑑ピックアップ! 2016/05/25

真っ向からのファイト ラリー・ホームズ(米)④ ボクシング選手名鑑ピックアップ! 2016/05/25
 
 

 
 

前回は、世界初挑戦でラリー・ホームズ(米)が歴史に残る大激戦の末、
ケン・ノートン(米)からベルトを奪ったところまで。
 

ここからホームズの長い長い防衛ロードが始まります。
 

初防衛戦で迎えたのはアルフレド・エバンヘリスタ(亜)
1年3ヶ月前に当時のWBA/WBC世界ヘビー級王者だったモハメド・アリ(米)に挑戦し判定で敗北。

以降9連勝を飾って、再度世界挑戦へコマを進めてきました。
勝てば、南米初の世界ヘビー級王者…。
そんな記録もかけての試合。
 

この試合でサークリングしたのはエバンヘリスタのほう。
いつもとは違う展開でも、ホームズは無理に追いかけることはせず。
丁寧にジャブを刺しながら入ってきたところに合わせる。
 

1Rは距離が遠すぎてお互いのパンチはヒットせず。
しかし、わずか数回エバンヘリスタが飛び込んだタイミングで
きっちり右のショートを合わせているホームズ。
この時点で、少し実力差が見えそうな展開。
 

2Rも1Rと同じく静かな展開の中、終盤にホームズが攻め込むと
エバンヘリスタはいくつも強打をもらってしまう。
 

3Rに入り、エバンヘリスタが足を止める。
両者の撃ち合いではやはりホームズに軍配。
 

4Rには足を使おうとするエバンヘリスタに対し、
戦法を変え、よりクオリティの高いアウトボクシングでコントロールしようとするホームズ。
全く及ばないエバンヘリスタは足を止め、ホームズのパンチを一方的に浴びる展開。
 

5R、手が出なくなってしまったエバンヘリスタ。
ホームズが出すパンチを避けるだけの展開をなんとか打開しようと、
強引に懐に飛び込みホームズをバタつかせるも、まともなヒットは奪えず。
 

6Rに入っても、離れた距離から強引に詰めて…を狙うエバンヘリスタ。
しかし入り際に強烈な左アッパーをもらってしまい、以降ロープに詰められて強烈なボディをいくつも被弾。
 

7R、足が死んだエバンヘリスタに対して軽快なフットワークで左右を突き刺していくホームズ。
中盤にガードごと粉砕する右フックでエバンヘリスタがダウン。
立ち上がろうにも完全に足がマヒしたようにリングの上をバタつくエバンヘリスタ。
そのままテンカウントが数えられ、圧巻の初防衛。
 
 

この試合…ホームズが顔面にもらったパンチは10発あっただろうか…。
内容も結果も圧倒的な初防衛となります。
 
 

2度目の防衛戦に迎えたのは初防衛戦と同じく南米からオジー・オカシオ(プエルトリコ)
この時点で13戦13勝(9KO)。
ジミー・ヤング(米)に2連勝して挑戦者の座を射止めた全勝のホープ。
 

ホームズと対するとサイズが少し小さめのオカシオ。
1Rのゴングがなると手数少なくじっくりと様子見するように試合に入ります。
しかし、手の出ない相手に対してホームズは左を突き刺しつつ強烈な右フックを2発。
オカシオは大きな右フックで反撃しようとしますが単発。
このラウンド、オカシオの手数は10発に満たないのでは…。
 

2Rになると別人のように激しい出入りと手数で攻めるオカシオ。
しかしホームズのアッパーを中心とした攻めをもらいながら下がらされ…。
このままズルズルいくかと思いきや、なんとラウンド中盤にはコンビネーションで反撃、
その後も飛び込むように撃つ鋭いフックをホームズに浴びせます。
 

3R、オカシオの踏み込み鋭いフックが幾度もホームズを捉える。
体格差があるため、ホームズは足を使ってジャブやストレートを軸に攻めれば簡単に攻略できそうなところを
この試合では一切足を使わず、プレッシャーで追い込みながらのインファイトを選択。
全く足を使わないホームズに、小回りのきく素早いオカシオがこのラウンドを有利に展開。
 

嫌な展開がにおいそうな4R、今度はホームズが強烈なジャブを突き刺しての左フックで流れを引き戻す。
ラウンド中盤には前のラウンドで何度も浴びたオカシオの右フックに強烈なカウンターを合わせる。
完全に意識が飛んで棒立ちになるオカシオですが、すぐに意識を戻してロープ際を脱出。

明らかに勢いを失ったオカシオ。
いくつか右フックをもらいながらもなんとかこのラウンドを乗り切ります。

このラウンドで決めたホームズのカウンター…。
KOパンチではないものの、滅多に見れないほどに美しいもの。
興味を持った方には一度見てみてもらいたい…。
 

5R、完全に手が出なくなってしまったオカシオ。
ただ下がりながらホームズのパンチをやり過ごそうとするばかり。
しかし、技巧豊かなホームズに、ガードの隙間を通され幾度も被弾。

なんとか右フックを出そうとするものの、前のラウンド同様カウンターを浴びせられ…。
成す術なくまたも後退…このラウンド唯一のヒットと言える左右フックを浴びせた直後も、そのまま下がってしまい…。

そんなオカシオに、ホームズは撃ってこいと言わんばかりに「アァ!!」と雄たけびを上げる。
その後は二人の撃ち合いになるものの、一方的に被弾するオカシオ。
そのままこのラウンド終了のゴングが鳴ります。
 

6R、意地で攻めて出たオカシオが右フックでこのラウンド最初のビッグヒット。
その後も強烈な左フックを当てるものの…勢いに乗ったオカシオの、左フックからの右フックを
綺麗にスウェーでかわしたホームズがカウンターの右フックで効かせると、オカシオはまた手が出なくなってしまう。
重たくて鋭いジャブを一方的に突き刺され、時折左フックを混ぜられる。
オカシオはさらに消耗…。
 

7R、一方的に攻められるオカシオ。
重たいジャブを幾度も突き刺され、ダメージを蓄積させてしまう。
このジャブで最初のダウン。

すぐに立ち上がって試合が再開。
すると、展開は一方的とは言え、さすがにここまでのぼりつめたボクサー。
再開直後にワンツーの右がホームズを捉えます。

しかし反撃もここまで。
ホームズの右フックがオカシオを捉え2度目のダウン。
立ち上がったオカシオは、またも再開直後の右フックで3度目のダウン。
しかし、逆転にかけまだ立ち上がる…。

最後はフラフラのオカシオにホームズの左アッパーが刺さり…
まだ立ち上がろうとするものの、レフリーが試合をストップ。

最後まで試合を投げず、何度も何度も立ち上がろうとするオカシオには感動さえ覚える試合。
しかし、明白な実力差でホームズの強さが際立つ試合でもあります。
また、アウトボクシングをすれば一方的に乗り切れただろう相手に対し、
一切足を使わず、プレッシャーで下がらせながら真っ向からのファイトを見せたのもこの試合。
 

年月を経てから…
「オレは肉体美を誇ろうとか、”ザ・グレイティスト”と呼ばれたい、なんて気持ちになったことは無い。
 ただ、金を稼いで家族を守りたかった…」

なんて語っていたホームズ。
もしかすると、「アリのコピー」…なんていう不名誉な名に抵抗した…なんてのは勘ぐりすぎでしょうか。
 
 

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