ビッグマッチ ラリー・ホームズ(米)⑩ ボクシング選手名鑑ピックアップ! 2016/06/05

ビッグマッチ ラリー・ホームズ(米)⑩ ボクシング選手名鑑ピックアップ! 2016/06/05
 
 
 

前回はラリー・ホームズ(米)
がダウンを許しながらも11度目の防衛に成功したところまで。
 
 

続いての試合は、前の前の試合、スピンクス戦後に乱闘騒ぎで遺恨を残したジェリー・クーニー(米)

白人のクーニーは黒人のスター選手だったジミー・ヤング(米)を4R、ケン・ノートン(米)を1Rで退け、
一気にスター選手としてヘビー級の世界王座を奪いに来ます。

黒人全盛のヘビー級に侵食してきた白人スター選手であり、ホワイトホープと呼ばれたクーニー…。
人種的な盛り上がりと切っても切り離せないような試合。
 

この試合では挑戦者のクーニーのファイトマネーが1000万ドル。
これは当時の最高額…その後、何度も塗り替えられ、昨年フロイド・メイウェザーJr(米)が更新した訳ですが…。
それほど注目を集めた、ホームズには珍しいビッグマッチの一つです。
 
 

ラスベガスの野外アリーナを埋め尽くす人々…。
捌くのは世界最高峰のレフリー、ミルズ・レーン。

リングアナのホームズのコールに対し、大歓声とブーイングが入り混じる。
一方、甲高い歓声につつまれるクーニー。
1982年で最も期待されたヘビー級タイトルマッチのゴングが鳴ります。
 
 

1Rは距離を測るホームズに強烈なボディを撃っていくクーニー。
静かな立ち上がりながら、ラウンド終盤には左右フックをヒットさせるホームズ。
 

2Rも拮抗した戦い、このラウンド、ボディに手を伸ばしていったホームズ。
お互いにジャブを突き合う最中…クーニーの一瞬の隙を貫いたホームズの撃ち降ろしの右。
クーニーは足をガクガクさせながらキャンバスに転ぶ。
再開後もクーニーの足元はおぼつかないものの、無理に攻めないホームズ。
そのままラウンド終了のゴング。
 

3R、なんとクーニーが盛り返す。
決して大振りせずに、ショートの左フック、左アッパーがホームズを捉える。
幾度も強烈なパンチをヒットさせ、劣勢になるかと思われたこのラウンドを盛り返す。
 

4Rもクーニーのラウンド。
強烈なヒットをもらっても丁寧にジャブとボディから組み立て…
ホームズがムキになって撃ち返すと、そこを狙ったようにカウンターを撃ち込む。
ラウンド終了後、クーニーの優勢に観客は大歓声。ダウンの劣勢を取り返します。
 

5R、攻めあぐねるホームズはなかなか手数が出ず、
クーニーはコンスタントにジャブを突く…。
お互いのワンツーが相手を捉える場面はあるものの、駆け引き戦が続く…。
 

6R、完全に待ちのボクシングになってしまったホームズ。
手数が出ず、クーニーのジャブの連打や突然放たれる右が積み重なる…。
しかしラウンド終盤、ホームズのワンツーがクーニーを捉える。
腰砕けになったクーニーを攻め立てるホームズ。
しかしゴング直前、クーニーも強烈なアッパーを返し、このラウンドが終了。
既に熱い客席のボルテージがさらに上がっていきます。
 

7R、ラウンド序盤こそジャブでクーニーをコントロールしたホームズ。
しかし、やはり待ちのボクシングになったところを、
クーニーが丁寧にジャブとボディを重ねていく。
ダメージはクーニーのほうが深いものの、ポイント自体は拮抗しているようにも見えます。
 

8Rも手数で勝るクーニーが多くのワンツーをヒットさせる。
ラウンド終盤、お互い撃ち合いになるものの、ここは互角に展開。
 

9R、ここまでしきりにクーニーに注意があたらえられていたローブロー。
これが完璧にホームズの股間を捉え、一旦試合が中断。
拮抗しているだけにクーニーには痛い減点が課される。
 

10R、スピードを一段上げたようなハンドスピードで攻めて出るホームズ。
クーニーはここで勇敢に撃ち合い…互角以上の展開を見せる。
しかし、効いてしまっているのはクーニーの方。
 

11R、またもローブローでクーニーから減点。
さらにもう一度、ローブローの注意。
ジャブでホームズがこのラウンドを支配します。
 

12R、ボディが撃ちづらくなってしまったクーニー。
消耗も重なり、手が出なくなって行き、ホームズのジャブとワンツーをいいようにもらう。
これまで拮抗していた試合がホームズに傾きだします。
 

13R、ワンツーがクーニーを捉えていく…。
一方的に殴られるクーニー、意地で撃ち返してもホームズは止まらず。
最後はロープ際でふらふらとロープにもたれかかり、ずるずると尻持ちをついたところで
セコンドがリングに飛び込み試合がストップ…。
 

何が起こったか把握できずにざわつく会場とは裏腹に、
苦しかった試合を制したホームズはコーナーで安堵の表情を見せる。
ビッグマッチにふさわしい激戦を制したホームズ。
 

これで一気に大スター…とはいかず、
ただただ白人の嫌われ者になるだけ…。

強過ぎるが故に…
ホームズは多数の人に愛されないまま…このビッグマッチを終えてしまいます。
 
 

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