世界4階級制覇王者 レオ・ガメス(ベネズエラ)① ボクシング選手名鑑ピックアップ! 2016/04/13
ミニマム級~スーパーフライ級を制した4階級制覇王者。
レオ・ガメス(ベネズエラ)。
世界王座を獲得してから15年近く…世界のトップ戦線に居続けた男。
日本のリングに幾度も登場し、馴染みの深かったこの強豪を、どれだけのファンが覚えているだろうか?
猛烈な強打からついたあだ名は、小さな闘牛「トリート」。
48戦35勝(26KO)12敗1分
複数階級制覇王者と言えど、圧倒的な強さを誇ったわけではない。
サウスポーに特段弱く、負けても負けても王座に挑み、底の知れない強さで何度もベルトを抱いた。
ただただ挑み続けた男の証。
レオ・ガメスの戦歴を振り返ると、そんな印象を受ける。
本名はシルビオ・ラファエル・ガメス。
ベネズエラはグアリコ州の州都、サンフアン・デ・ロス・モロス出身。
この土地の男は「勇猛果敢で持久力がある」と言われます。
まさに、ガメスそのもの。
トウモロコシと牛乳と蜂蜜で育ったガメス。
スペイン語で「ライオン」を意味するリングネームの”レオ”は母親の姓から。
13人兄弟の稼ぎ頭として世界を飛び回るその果敢な挑戦は、生活の為でもありましたた。
世界戦線に長くとどまり続けた分、若い時から活躍したようにも思えますが、
南米の選手にしては意外と遅い21歳でのプロデビュー。
しかしながらこの時点でアマキャリアは7年。
やはりこの選手も少年期から南米の濃いボクシングを染み込ませた選手です。
デビュー以来破竹の13連勝を飾り、2年強のキャリアを積んで国内王座を獲得。
14戦目で初めて、タイトル獲得経験のある相手と対戦。
元パナマライトフライ級王者、レオナルド・パレデス(パナマ)
4RTKOであっさりとこの試合をクリア。
その勢いのままベネズエラ王座を1度防衛後に返上すると、国内で負けなしを誇ったホープ、
ビクトリアノ・エルナンデス(ベネズエラ)を判定で破り、世界挑戦の順番待ちの列で待機。
ガメスにそのチャンスは意外と早く訪れます。
WBAが新設したミニマム級(当時ストロー級)の王座決定戦への出場オファー。
幸運にも前戦からわずか3ヵ月の期間でこの試合を迎えることになります。
敵地韓国でキム・ボンジュン(韓)との対戦。
不利な戦いを強いられる可能性もある中、ガメスもまた、
他の屈強なベネズエラ戦士と同じように、勇敢に敵地に乗り込みます。
しかしこの試合、実は逆地元判定とも言われる試合。
ボンジュンの強引なコリアンスタイルに大苦戦するものの、
僅差判定でWBA初代ミニマム級王座を奪取。
このとき、デビューから3年弱、24歳。17戦全勝。
この王座の初防衛戦でガメスは初来日を果たします。
帯同したスパーリングパートナー ヘスス・ロハス(ベネズエラ)はのちの世界2階級制覇王者で、
この選手ものちに何度も来日を果たす、ベネズエラの名選手。
ある意味、日本ボクシングの敵役として一時代を築いたベネズエラ戦士。
上述の二人とともに、少し遅れて現れる強打のアレクサンデル・ムニョス(ベネズエラ)を入れての三傑が
有名だったりします。
挑戦者は横沢 健二(三迫)。
この挑戦は、各紙から実績不足として叩かれています。
しかし新設間もないミニマム級。
また47.6Kg以下と、体重制限の過酷なこの階級では、人材は不足。
そこから見るとこの横沢も立派な挑戦者。
新設された最軽量級に懐疑の声が上がる時期。
「そんな軽い階級ではKOなど生まれない」
南米の強豪は、猛烈な強打を振るって日本のファンを黙らせます。
攻防の駆け引きで圧倒的に上回るガメス。
フェイントにかかった横沢に何度も何度も強打を叩き込んでいく。
クリンチ際では上体をのけぞらせての強烈なアッパー。
2R後半には右ストレートでダウンを奪い…この時点で既に横沢の顔面は血まみれ。
3Rには撃たれるだけになってしまった横沢をレフリーが助け出し…。
10分かけずに3RTKO勝利。
この試合で放ったアッパー。
もらった横沢の歯が唇を突き破り、さらにグローブさえも突き破り…
ガメスの拳に深い傷を負わせた…そんな伝説を残すほどの強打。
実際この傷痕は今でもガメスの拳に残っているそうです。
ちなみに身長だけ見るとガメスはこのミニマム級がベストか…。
今後階級を上げていくんですが、対戦相手はガメスより背の高い相手ばかりになっていきます。
しかしながら広い背中のガメス…減量の影響か、ミニマム級での世界戦ではスリップが目立ちます。
足に力が入っていなかったようにも…。
ここからガメスの4階級制覇の道のりが始まるわけですが…。
それは、勝ち負けの交錯する激戦の歴史…。
そんなところはまた次回。
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