絶対王者 ラリー・ホームズ(米)⑪ ボクシング選手名鑑ピックアップ! 2016/06/07

絶対王者 ラリー・ホームズ(米)⑪ ボクシング選手名鑑ピックアップ! 2016/06/07
 
 
 

ラリー・ホームズ(米)のピックアップも11日目に突入…
長いです…そりゃ…70戦以上もしてるボクサーですから…
 
 

13度目の防衛戦はランドール・コブ(米)。
マイケル・ドークス(米)ケン・ノートン(米)に連敗して一時後退するも、
その後3連勝を飾って挑戦者の座を射止めた28歳。
 

1Rからリング上を旋回し、ジャブ、ストレートを突き刺していくホームズ。
コブは顔面へのヒットを全く奪えず…
 

2Rには顔にパンチが届かず、ボディを狙うコブ。
後半に入ってようやく浅い顔面へのヒットを奪いますが、そのころにはホームズのパンチをいくつも浴びている。
技術的にもハンドスピードでも及ばず、追い足も及ばない…距離を完全に支配されてしまっている状態。
 

3R、ホームズがしっかり距離を取るので、お互いのパンチはほとんどストレート系。
たまにコブが捉えても、その3倍以上のホームズの強打にさらされる。
…しかし、まったく効いた素振りさえ見せないコブ。
 

4R中盤、この日初めてとも言えるコブのビッグヒット。
ホームズの右ストレート合わせたカウンターの右ストレートがヒット。
しかし、その後猛烈な連打をもらって、コブは一瞬棒立ちに…。
 

5R、ジワジワと前に出るコブが引っかけるような左をヒット。
しかし直後にホームズに滅多撃ち…
攻勢を強めたホームズに、時折パンチを当てれるようになるも…
5発もらっては1発当てるといった展開。
しかしその1発で観客は大歓声…、ホームズは完全にヒール役なのか…。
それにしても、相当もらっているはずなのに怯まずに撃ち返すコブの撃たれ強さには驚き…。
 

6Rは開始からボディにヒットを重ねるコブ。
撃ち疲れからか手数の減ったホームズに対し、初めてポイントを持っていくかに思えた残り30秒。
ホームズは連打を叩き込み、しっかり優勢を印象付けます…。
世界ヘビー級を12度も防衛している王者。このあたりも抜け目ない…。
 

7Rも前半はホームズはほとんど手を出さず、コブがボディーストレートを中心に追いかけていきます。
しかし残り1分を切るとホームズも攻めて出る…。
そうなるとコブは劣勢に立たされるものの、それでもなんとか撃ち返し…
ラウンド前半の貯金も含めるとこの試合初めての微妙なラウンド。
 

8R、ジャブを増やしたホームズは左手一本でコブをコントロール。
コブはボディストレートに活路を見出そうとひたすらボディ…。
しかし、時折左フックなどを交えながら試合を進めるホームズに支配されてしまいます。
 

9R後半にこの試合ホームズが初めての足を止めての撃ち合い。
初めこそいくつか撃ち返していたコブですが、スピード、技術、パンチ力…
ほとんどのスペックで上回られて徐々に一方的に…。
効いた素振りを見せないコブ…撃たれ強さでは唯一上回るか…。
 

10R、前半はやはり手数を抑えるホームズにボディへ手を伸ばすコブ。
しかし中盤にはホームズの強烈なフックを連続で叩き込まれてしまう…。
後半の撃ち合いではいくつか撃ち返すものの、ホームズの強烈なパンチに比べると物足りない。
 

11R、このラウンドはホームズがジャブを突き刺していく。
威力あるスナッピーなジャブにコブの頭は何度も跳ねあげられる…。
 

12R、消耗してきたコブのパンチは上下がバラバラでスリルさえ感じさせない。
しかしそれでも、決してあきらめずに手を出し続けるコブ。
時折ホームズの連打をもらうものの、前へ進める足は止まらず…。
 

13R、ここでも戦況は変わらず。
ポイント差では圧倒的に開いてしまったと思える状況。
それでもつかみ取った世界挑戦のチャンス…可能性を信じて撃ち返すコブ。
しかし、もう力を込めることさえ許されないほど消耗したコブを
強烈なジャブで突き刺し、隙あらば連打で飲み込むホームズ。
チャンピオンという特別な存在を誇示するよう。
 

14Rも…また、ただただ愚直に前に出るコブ。
両目の周りは真っ黒に内出血し、視界も狭まっていそう。
 

15R、最後の力を振り絞り、ひたすら手を出し続けるコブ。
撃ち合わずに距離を置くホームズ。
歓声にはブーイングが混じります。
最後の30秒、攻めて出たホームズはコブを滅多撃ち…。
しかし最後まで撃ち合おうとし続けたコブ。
 

最終のゴングが鳴ると、両者は健闘をたたえ合う…
発表された採点はほぼフルマークの3-0。
ホームズ、久々の圧勝での防衛となります。
 
 

さて、ここでホームズが君臨するWBC世界王座。
このタイトルマッチのルールに歴史的な変更が加えられます。

それが、1R12R制。
選手の安全に配慮しての変更となり…
しばらくたってからWBAが追従し、現在の形となりました。

つまりコブはWBC世界ヘビー級タイトルマッチの最後の15Rを戦った選手。
一方的な展開となってしまい、つまらないと言われてしまいそうな最後のラウンドですが…。
僕は愚直なコブが好きだなぁ…と思ってしまいます。

挑戦者の目線で見れば、そもそも世界タイトルマッチのリングに立つチャンスさえわずか。
そのチャンスに、圧倒的な力の差を見せつけられながらもわずかな可能性を信じて、戦った。
これもまた、ボクサーの美しい姿の一つだと思うんです。

ちなみに、このコブは引退後、キックボクシング、空手でも活躍。
俳優として映画にもいくつか出演…。
肩書として「ホームズと戦った男」というのがかなり効いたのは…あまり有名な話じゃないかな…。
 
 

さて、14度目の防衛戦。
相手はルシアン・ロドリゲス(モロッコ)。
欧州EBUヘビー級王座を4度防衛しての世界初挑戦。
 

1R開始直後から足を使わずプレッシャーで下がらせながら、一方的に左を刺していくホームズ。
様子見のロドリゲスはほとんど手を出さず。
 

2R、数少ないロドリゲスの攻撃をかわしながら強烈な右を交えていくホームズ。
射程の長いホームズに対し、もう少し距離を詰めたいロドリゲスですが、なかなかその距離には行けず。
飛び込みながら撃つしかない状態ですが、ラウンド終盤に入るとタイミングをつかまれ、そこにカウンターを浴びます。
 

3R、ジャブで距離を保ちながら、時折強烈な右ストレートを叩き込むホームズ。
ロドリゲスにとっては何もできない…という言葉が当てはまりそうな展開。
たまにヒットしても軽いジャブが数発…。
 

4Rもこの流れは変わらず…。一方的に試合を支配されますが、このラウンド初めての見せ場。
ラウンド残り10秒あたりから連続で右をヒット…。
しかしラウンド終了のゴングで流れを切られます。
 

5R、やはり手数少なく、ホームズのジャブに試合を作られてしまうホームズ。
ロドリゲスは強烈な右ストレートがヒットしても単発で終わってしまいます。
なかなか攻めてこないロドリゲスをホームズが挑発する場面も。
最後の10秒は撃ち合いになるも、残り時間が短すぎて流れは止まってしまう。
 

6Rもやはりほとんど手が出ないロドリゲス。
ラウンド終盤に不用意に撃ち合いにでたところでホームズのアッパーをもらってダウン。
打開策が全く見当たらない苦しみます。
 

7R、足を使って回るロドリゲスですが、強烈なジャブを外せず、ワンツーをもらってしまう。
それでも、ラウンド中盤には飛び込みザマの右フックを当てて3連打を入れる。
ようやく見せ場かと思いきや、一旦距離が離れるとまた飛び込む作業からやり直し。
しかしチャンスはそうそうあるわけでもなく…
ラウンド後半には撃ち合いに行こうとしますが、残り時間が少なく流れはゴングに切られます。
 

8R、成す術なくジャブとワンツーの餌食になっていくロドリゲス。
無理に飛び込んでも撃ち合いに負けて下がらされる。
強引に入って行ったラウンド終盤には、ホームズの強烈な右フック、右アッパーをもらってしまう。
 

9R、ロドリゲスが出したパンチはわずか1発。
ホームズの不意をついて出した右ストレートがヒット。
このシーン以外は延々とホームズパンチをもらわないようにステップを踏むばかり…。
しかしそれでも、強烈なワンツーをもらってしまう。
飛び込めばやられる、離れても手段がない…まさに八方塞がり。
 

10Rも展開変わらず。
ホームズは両手をだらりと下げて挑発するも、それでも撃たないロドリゲス。
ブーイングが飛び交います。
 

11Rも12Rも、ただ終了のゴングを待つだけになってしまったロドリゲス。
最終12Rはホームズが強引に撃ちにいきますが、倒しきることはできず。
ただただ一方的だった試合は、フルマークでホームズの勝利。
 

圧倒的な強さを見せつけるホームズ。
まさに絶対王者と思えるのがこの時期。

しかし、やはりタイトルマッチに激戦はつきもの。
次回、ノートン戦以来の大激戦。
 
 

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