二桁防衛 ラリー・ホームズ(米)⑨ ボクシング選手名鑑ピックアップ! 2016/06/03

二桁防衛 ラリー・ホームズ(米)⑨ ボクシング選手名鑑ピックアップ! 2016/06/03
 
 

 
 
 

さて、WBC世界ヘビー級王座の二桁防衛まであと一つと迫ったラリー・ホームズ(米)

続いて節目の10度目の防衛戦…相手はレオン・スピンクス(米)
モントリオール五輪の金メダリストで、かつては全盛のモハメド・アリ(米)からベルトを奪ったこともあるスター選手。
 

試合開始のゴングがなると、これまでのホームズの対戦相手とは段違いのスピードを見せるスピンクス。
対応するホームズのフットワークもトップギア…。
まるでリングが大きくなったように錯覚するほど、二人の戦いはリング上を高速で駆け回る試合になります。
 

しかし距離をつかんだのはホームズ、1Rは一方的にホームズがパンチを集めていく…。
しかしハイスピードの戦いはなかなかスリリング。
 

2R終盤にはスピンクスも負けじとコーナー付近で撃ち合いに持ち込み…
二人の強打がさく裂し合う展開。
 

果たしてこのハイスピードでの攻防で最終ラウンドまで持つのかという懸念が浮かびそうな前半2R。
そんな心配を吹き飛ばしたのは、3Rにロープに詰まったホームズが、つめてくるスピンクスに撃ち降ろした右。
効かされたスピンクスを追い詰めたホームズは、そのままスピンクスを滅多撃ち…。
たまらずダウンするスピンクスは立ち上がるものの、その後もホームズの強打にさらされ、レフリーが試合をストップ。
 

ホームズの強さばかり際立つこの試合、まさに敵なし状態を知らしめる10度目の防衛。
名のある相手に節目の防衛を飾ります。

この試合後は、“ホワイトホープ”ジェリー・クーニー(米)とひと悶着…。
ホームズvsクーニーの予感が漂います。
 
 
 

続いての試合は22戦全勝でランキングを駆け上がってきたレナルド・スナイプス(米)。
この試合が行われた1981年に入って勝負をかけ、ホープ同士のつぶし合いに4戦全勝。
ホームズの対角コーナーの座を射止めます。
 
 

1R、リングを大きく回るスナイプス。
顔面へは手が伸びず、しきりに左ボディストレートを狙う形。
ホームズがそのタイミングで左フックをいくつかヒット。
 

2R、序盤には右ストレートをさく裂させたスナイプス。
しかしすぐにやり返され…その後強烈な左フックを入れて会場がどよめくも、
後はホームズに一方的に支配される…早期決着のにおいそうな展開。
 

3R、やはり圧倒的に試合を支配するのはホームズ。
しかしスナイプスも愚直に前進し、ひたすらボディを積み重ねる。
上へ返すのも忘れず、前に出るボクシングの基本を怠らない。

ラウンド後半にはブレイク後の過激に怒りを示したホームズに滅多撃ちにされるも
そんな中でなんとか撃ち返し、強烈なカウンターで左フックを叩き込む。
実力差が明らかな中、あきらめないスナイプス。
 

4R、このラウンド…愚直に前に出るスナイプスの強打が、ホームズを捉え始めます。
ホームズも足を使って回避することはせず…漢と漢の殴り合いへ突入。
しかしやはり強打を多くもらうのはスナイプス…
 

5R、止まらないスナイプス…ホームズは足を使って回避しようとするも…
先にヒットした強打はスナイプスの右ストレート。
あまりの痛打に会場はどよめき…しかし、ラウンド後半、足をとめたホームズに滅多撃ちにされるスナイプス。
しかしそれでも撃ち返す…。
 

6R、ひたすらボディを責めるスナイプス。
そろそろホームズは腹のダメージが蓄積してきたか少しペースダウン。
しかしそれ以上にもらっているはずのスナイプスが落ちてこない。
「根性」なんて日本語がとても似合うスナイプス。
 

7R開始直後…事態は衝撃の展開へ。
スナイプスのワンツーの右がホームズのアゴを捉えてホームズがダウン。
立ち上がるものの完全に聞かされて、ガクガクしながらコーナーに捕まるホームズ。

圧倒的な実力差を見せつけられながらも、ただひたすらに諦めなかったスナイプス。
わずかな可能性が現実の物として目の前にぶら下がるような、潜在一隅のチャンス…。

一気に襲いかかるスナイプス、しかし振りが大きくなったスナイプスのパンチの合間を縫うように撃ち返すホームズ。
ラウンド後半には撃ち疲れたスナイプスをホームズが捉えていく…
 

8Rは回復に努めたホームズ。
スナイプスも前のラウンドの撃ち疲れを残してしまい追い切れず…。
 

9R、左で試合を組み立て直すホームズ…。
スナイプスはダメージを回復させたくない思いから早く決めようと焦っているのか…
ボディの数がめっきり減ってしまい、中間の距離で撃ち合うように…
ダウンを奪ったのが中間距離だったため、2度目を狙ったのかもしれません。
しかし、厄介なボディが消えたスナイプスは…ホームズにいいようにコントロールされだします。
 

10R、やはりホームズがコントロールする展開。
しかし…強烈なスナイプスの右ストレートがホームズを捉える。
まさにダウンを奪ったタイミングと瓜二つ…。
ここは耐えたホームズ…まだまだ予断を許さない展開。
 

11R、開始直後から左を突いていくホームズ。
強烈な右ストレートがスナイプスを捉える。
完全に聞かされたスナイプス…全く手を出せずにコーナーに詰まると…。
レフリーが割って入り試合がストップ…。
 
 

緊迫感のある展開だっただけに、ストップが早いと大ブーイング。
納得のいかないスナイプスは試合後、ホームズに食ってかかり…
乱闘寸前で会場を連れ出されます…

悔しいだろうな…ほんとに。
やっとつかみ取ったチャンスであと一歩まで行きながら…。

この後、スナイプスは挑戦者争いで勝ち負けを繰り返し、
結局この試合が最初で最後の挑戦となってしまいました。
 

さて、スナイプス戦は苦戦した試合ではあったものの、
それほど名前のある相手ではありませんでした。
ただでさえ不人気のホームズです。

目立つ対戦相手が必要でした。
 

次回は、ホームズのキャリアでもトップクラスに入るビッグマッチです。
 
 

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