6年越しの衝撃再び! マイケル・カルバハル(米) ボクシング選手名鑑ピックアップ! 2015/10/25
本日はマイケル・カルバハル(米)の3回目。
ウンベルト・ゴンサレス(メキシコ)との伝説の3番勝負以降です。
軽量級世紀のビッグマッチに決着がついた翌年。
カルバハルは年間6試合をこなし、ゴンサレス戦の決着からわずか2年でIBFのベルトを取り返します。
ただ、それも2度防衛後に、格下と見られたマウリシオ・パストラーナ(コロンビア)にさらわれ…
この試合は途中目の上をカットして距離感がつかめなくなり、ポイントアウトを許した展開。
再起は成功するも、その後のジェイコブ・マトラーラ(南ア)戦でも目の上をカット。
この傷が深くなりすぎてTKO負け。
何度もカットしてる部分なので、もうグズグズだったのかもしれません。
マトラーラ…この人も伝説ですよね。
南アフリカの選手って政治的な理由でしばらく海外選手と試合を組んでもらえない時期があってね。
南アフリカの選手と試合したら、世界ランク剥奪!みたいなことが平気であった。
そんな最中を耐えて耐えて、その辺が緩和されると一気に2階級制覇を達成。
この試合のときも年齢的にはベテランの域だったんですが、この勝利で更に名声を得た。
アフリカボクシング史上で最も有名な選手じゃないでしょうか…。
身長143cmでこの偉業を達成したって言うんですから驚きです。
さて、カルバハルはというと…ここから1年半ほどブランクを作ります。
引退かとも勘ぐられたりしたんですが、カットで止められてのTKO負けってことで、
負けた気がしなかったんでしょうね。
やっぱり再起して3連勝を飾ります。
そして、ホルヘ・アルセ(メキシコ)戦を迎えるわけです。
この選手、昨年の2014年まで世界のトップ戦線に顔を出していた強豪。
昨年ようやく引退したメキシカン初の5階級制覇王者です。
この当時は19歳で初の世界を獲った直後、WBO世界ライトフライ級の2度目の防衛戦でした。
勢いのある若武者相手に6R、タイミングよくカウンターでダウンは奪っていたものの、
1発入れるまでに2,3発ともらうような展開。
圧倒的にポイント負けしてるわけです。
それでもね、チキータ戦1試合目の記憶が頭にあるファンたちは、
大逆転があり得ると信じて大苦戦するカルバハルを見守ります。
そして11R、6年の歳月を経てまたもや大逆転劇が再現されるんです。
渾身の右の大砲がカウンターで炸裂します。
カルバハルの代名詞のような全力のロングカウンター。
倒れないアルセに右を3本追撃しますが、もう最初の1撃で決まってた感じですね。
足元のおぼつかないアルセからスタンディングダウンを獲るレフリー、
ふらついているのを見てそのまま試合をストップ。
11RTKO勝利。
これがカルバハルの最後のレコード。
王者のまま引退したかったそうで…。
ちょっともったいない気はしますが、最後の最後までカルバハルらしい試合で締めて…。
スパースターらしい引き際でもありました。
…と、案外ここまで長くなっちゃいました。
3回にまたがるなんて…。
これね、書いててめちゃくちゃテンションあがりましたよ。
当時、今みたいに海外の試合が手軽に見れたらね…日本でも大ブーム起こしてたかもしれない。
メキシコ系イケメンで華があって試合が面白い。
KO勝ちは解りやすいし、技術戦でもハイクオリティな試合をしてくれる。
素人受け玄人受け(この言葉あんまり好きじゃないんですが…)、どっちにも対応可!みたいな。
ぜひぜひ色んな人に知ってもらいたいボクサーです。
時間があったらYouTubeでも見てみてくださいな。
【補足】
このカルバハルシリーズの1回目ね、カルバハルから辰吉 丈一郎(大阪帝拳)の感じがするって書きましたけど、辰吉の名前出すのってね、実はめちゃくちゃ怖いことで…
ボクオタの中には辰キチと呼ばれる人々がいまして。
…元々は薬師寺 保栄(松田)との試合の時に、カミソリ入りの手紙を送ったり、
松田ジムの前で夜中に大声で騒いだりして松田陣営を邪魔しようとした行き過ぎたファンを
そう呼んだそうですが、今となっては辰吉の熱狂的なファンを指したりします。
もう、辰吉命!辰吉大好き!っていう熱狂的な人たち。
そんな人たちに見えるところで、安易に辰吉に似てるとか言うとすっごい怒られたりしちゃう。
一応フォローしときますけど、辰キチってメチャクチャ辰吉を愛してるだけでね。
前に自他共に認める辰キチさんとお話ししたんですけど、なるほどなって思ったセリフがあって…。
「辰吉が世界最強じゃないことは解ってる。
薬師寺にも負けたし、ウィラポンにも負けた。
それでも、俺たちは辰吉じゃないとアカンのや。
俺たちの中で辰吉は唯一無二の最強なんや。」
これね、名言だと思います。
わかる!!わかるよ!!!!ってなりましたもん。
だからね、ちょっと1回目の辰吉うんぬんの下りは、少し申し訳ないような気持ちで恐る恐るだったんです。
自分の好きなボクサーが○○に似てるとか言われると、
「いやいやいや…一緒にしないでよ」となる瞬間はありますもん。
ただね、どうしても僕はカルバハルと辰吉を重ねてしまうので…押さえられなかった。
辰キチの方、どうか大目に見てください…。
そんなこんなで…また次回。
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