大混乱 ロジャー・メイウェザー(米)㉑ ボクシング選手名鑑ピックアップ! 2016/10/21

大混乱 ロジャー・メイウェザー(米)㉑ ボクシング選手名鑑ピックアップ! 2016/10/21
 
 
 

ロジャー・メイウェザー(米)のピックアップの21日目。
 
 

WBC世界スーパーライト級王者となったメイウェザーが際どく2度目の防衛を成功させたところまで。
 
 
 

3度目の防衛戦ではこれが3度目の世界挑戦となる
メキシコウェルター級王者、ロドルフォ・ゴンサレス(メキシコ)。
この試合が49戦目。前戦に引き続いての大ベテラン。

こちらは圧倒的に試合を制したロジャー。
食い下がるベテランを12RTKOで沈めての防衛。
 
 

4度目の防衛戦は元IBF世界ライト級王者で
のちにはWBA世界スーパーウェルター級も制する、ビニー・パジェンサ(米)

このカードに観衆は超満員。
客席にはジーン・ハックマンやウーピー・ゴールドバーグなどのハリウッドスターも押し寄せる。

それもそのはず、この日のメインはシュガー・レイ・レナード(米)がドン・ラロンデ(カナダ)と戦った
WBC世界スーパーミドル級/ライトヘビー級のタイトルマッチ。
2階級のベルトがかけられるという異例の試合で、
レナードが歴史的な5階級制覇を飾ったのがこの日のイベント。

セミファイナルにはメキシコの人気王者、
ヒルベルト・ローマン(メキシコ)シュガー・ベビー・ロハス(コロンビア)
ロジャーの試合はセミセミファイナルで行われる形のトリプルタイトルマッチ。
 

1R、遠い距離からジャブを刺していくロジャー。
近い距離で戦いたいパジエンザはラウンド終盤、右のショートを当てながら
思い切って飛び込むもロジャーのクリンチに絡め取られる。
終始ロジャーのジャブが制したラウンド。
 

2R、静かにジャブを着くロジャーに対して、飛び込みながら右をヒットさせ、
ボディに連打を撃ち込むパジエンザ…圧力を強めて主導権を握りに行きます。
パジエンザがバランスを崩したところに右アッパーを突き上げて反撃するも
ラウンド自体はパジエンザが獲ったように見える。

ラウンド終了後、二人は何やら言い争い…ロジャーが手のひらで
パジエンザを突き飛ばし、二人はヒートアップ。
会場は騒然となり、客席も一気にヒートアップ…。
 

3R、組みついてボディの連打を撃ち込むパジエンザ。
そのまま上へもパンチを返し、強烈なヒットを奪う。
ロジャーはパジエンザを持て余す展開。

入り際に強烈な撃ちおろしを合わせて反撃するロジャー…
しかしパジエンザは効いてないとアピールして挑発。
このラウンド終了後も二人は口論に…
 

4R、ランド開始とともに暴風雨のようにボディへ連打を叩き、
そのまま顔面にもパンチを散らすパジエンザ。
そんな連打の中で、被弾しながらも左フックに右フックを合わせたロジャー。
パジエンザはリングに両手をを着いてしまう。

しかしこのパンチが入った瞬間はレフリーの死角に入っており、
スリップとして試合が再開されてしまう。

再開後は距離をとったパジエンザですが、
飛び込んで左フックをヒットさせるなど、ゴリゴリ攻めてロジャーを翻弄する。

このラウンドの終了ゴング後、右ストレートをロジャーに叩き込んだパジエンザ。
しかし即座に反撃したロジャーが右アッパーを2発めり込ませる。
パジエンザ側のセコンドは激昂し、収集がつかなくなりそうなところを必死に収めるレフリー。

世界No.1レフリーとされるミルズ・レーンさえも翻弄される二人のやり合い…。
ここからたびたび、ラウンド終了後のゴングを無視して攻めるパジエンザに、
やり返すロジャーのやり取りが…そこはあまりに頻繁なので今後割愛…。
 

5R、ジャブを撃ちながら、パジエンザの突進をサイドに躱すロジャー。
足を顕著に使い始めたことで、パジエンザの突進の効力は弱まる。
ロジャーが細かいジャブで主導権を握り直したラウンド。
 

6R、また足を止めたロジャー。
こうなるとパジエンザの飛び込みを正面から受け止めることとなり、またパジエンザを持て余し…
中盤以降、とにかくしつこいパジエンザにボディ、顔面と幾度も強打に襲われる。
一時は防戦一方に陥りながら、えぐるような右アッパーを幾度も突き刺し反撃。
ラウンド終了時には、パジエンザが必死にロジャーの拳をホールディングしている形…。
数多くのパンチを入れながら、ダメージを蓄積させていたのはパジエンザの方に見えます。
 

7R、パジエンザが終始押し込んでいく形…。
ラウンド終盤にはロープに詰めて滅多撃ち。
強烈なアッパーを返されるものの、撃ち込んだパンチの量自体が段違い。
このラウンドも攻防はゴング後まで続き、パジエンザは怒りを見せる。
 

8R、前のラウンドまでの撃ち疲れが出てきたか、
パジエンザのしつこいボディの連打はこのラウンドでは見られない。
そうなると、ロジャーのジャブが試合を支配し、
パジエンザの飛び込み際に刺さるロジャーの左アッパーも冴えを見せる。
 

9R、鈍り始めたパジエンザにロジャーのカウンターが冴え始めた矢先…
パジエンザに出来上がった左目上の傷に対してドクターチェックが入る。
再開後、試合が止まる前に…と一気に詰めたパジエンザ。
ボディーの連打から顔面へ返していく流れでまたもや主導権を奪い返す。

しかし、ラウンド終盤、強烈なワンツーを喰ったパジエンザ。
ふらつきながら後退しますが…これは明らかに効いたフリ。
ロジャーも攻め入ることはせず、このラウンドが終了。
 

10R、相変わらず強引に攻め込まれると持て余してしまうロジャー。
ジャブで圧倒的に試合を支配しながら、一転パジエンザがガチャガチャと
ボディを叩きに来ると、上へ下へパンチを喰ってしまう。

カウンターで強烈なダメージを与えるロジャーですが…ヒット数が全く違う…。
 

11R、展開としては10Rと変わらず…
しかし、猛烈に攻めるパジエンザをよく見てかわしていくロジャー。
ラウンド終盤にはビッグパンチをカウンターで叩き込み始め…。
ラウンド終了直前に強烈なアッパーで尻もちを着かせる。

ダメージとヒット数で判定が割れそうに思える展開…大きなダウンを奪取します。
 

12R、近づいて暴風雨のようなパンチを見舞うのはずっと変わらないパジエンザ。
しかしそのパンチは見切られ、強烈なカウンターを浴びせられる。
ダウン寸前まで追い込まれながら、最後の最後には盛り返す。

最終ラウンドもゴング後…手を出すバジエンザに応戦するロジャー…。
これにブチ切れたのは…なんと終始吹っ掛けていたパジエンザ側のトレーナー、ルー・ドゥーバ。
止める人間を引きずりまわしながら、リング上を暴れる巨大な老体。

師弟での逆ギレ劇場の末、逆に冷静になってドゥーバをなだめるパジエンザ。
「ルーがそんなに怒ったら、俺…怒れないじゃん…」みたいな切ない表情が印象的。
歴史的勝負の前座試合として…思い切りふさわしくない大混乱。
…いや…これもボクシング…これも師弟愛なのかもしれません。
 

判定は…118-108、117-110、117-110、3者3様でロジャーの大差判定勝利…。
終始パジエンザが押しているように書きましたが…
パジエンザが撃ち込んだのは細かいボディが大多数。

これをどう取るか…思い切りヒットとしてとった僕は…パジエンザが3P差で勝利。
これ…僕がジャッジ席にいたら、きっと「白人に金で買われた」とか言われるんでしょうね…。

素人判定であるのは承知ですが…、判定なんて見方によって変わってしまう。
10人中2人がパジエンザの勝利、10人中8人がロジャーの勝利と見る試合だったとして…
少数派の2人がジャッジ席に座っていれば、勝者が入れ替わる…
運の要素を多分に含んだものであったりもします。
 

結局、自分の見る目がないだけなのかどうなのか…
ちょっと分からない結果でしたが、どうあれ大差判定勝ちを収めて4度目の防衛。
 

ちなみに、この後パジエンザは交通事故に合い、医師から選手生命が終わったことを告げられますが…
諦めずにカムバック…トレーナー、ケビン・ルーニーとともに奇跡の2階級制覇を成し遂げ、
映画化までされてしまう活躍っぷり。

かたや、この試合でトレーナーを務めていたルー・ドゥーバは…。
悪徳トレーナーのイメージが着いてしまい…しかしそれを利用してプロレスへ進出。
演出に一役買ったりと…選手、トレーナーの二人ともまるで冗談のようでほんとの話。

人生いろいろ…あるもんです。
 

ちなみに、この18年後、サブ・ジュダー(米)のコーナーを守っていたドゥーバ。
ロジャーの甥っ子フロイド・メイウェザーJr(米)とジュダーの試合で、
ジュダーのローブローとラビッドパンチを浴びて倒れ込んだメイウェザーJrにブチ切れたのも…
この試合があっての因縁だったのかもしれません。

時代は繰り返す…いや、ドゥーバが懲りないだけか…。
 
 

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