ベールのアフリカ王者 ナナ・コナドゥ(ガーナ)② ボクシング選手名鑑ピックアップ! 2016/08/21
本日は…ガーナの超特急、ナナ・コナドゥ(ガーナ)の二日目。
母国ガーナでキャリアをスタートさせたコナドゥ。
2戦目は8回戦。
相手はマイケル・エボ・ダンクア(ガーナ)。
後々にはライトフライ級のコモンウェルス英連邦王座、アフリカ王座を獲得する選手。
1990年には来日して3試合をこなした選手。
当時、帝拳プロモーションと契約していたのちの第32代WBA世界フライ級王者…
ダビド・グリマン(ベネズエラ)とも拳を交えている。
お互い1戦1勝の戦績でぶつかった二人の試合は8R判定で引分。
しょっぱなからかなりハードなマッチメイクである。
そもそも、プロになるルートが乏しく、ある程度のアマ実績が必要なガーナ。
プロとして戦うだけで、それなりの実力を兼ね備えている分、
対戦相手の質は高く、そして選手数が少ない。
この国で戦う誰しものマッチメイクが、初期からハードなものになりがちだったりする。
そしてわずか3戦目。
コナドゥは西アフリカフライ級王座決定戦に出場する。
相手はフラッシュ・コンテ(ガーナ)。
このコンテはコナドゥとのこの試合以外記録が残っていない。
いったいどんな戦いの末にこの試合に辿り着いたか…知りようもなく、残念でならない。
この試合を1RTKOで勝ち取り、西アフリカ王座を手に入れたコナドゥ。
2度の防衛を記録し、1度のノンタイトルを挟んで迎えた3度目の防衛戦。
相手は元コモンウェルス英連邦フライ級王者、レイ・アモオ(ナイジェリア)。
この試合を2RTKOで片づけて、3度目の防衛を飾ると、ワンランク上の王座に挑むチャンスが訪れる。
ABUアフリカフライ級タイトルマッチ。
西アフリカのチャンピオンから、アフリカ全土のチャンピオンへ…
王者はスティーブ・ムチョキ(ケニヤ)。
この試合が2度目の防衛戦。
過去にはサントス・ラシアル(亜)が持っていたWBA世界フライ級王座に挑んだこともある強豪。
そんな相手を最終12RKOで下し、いよいよコナドゥの名が世界的に浮上…。
次の試合を敵地ナイジェリアでの判定勝利で勝ち抜くと、アフリカ王者として本場アメリカのリングに呼ばれます。
相手はデビューしたての完全な格下…ラモン・ピチャルド(米)。
2RKO勝利…6分に満たずリングを後にするコナドゥ。
自分の見たものしか評価しない…そんな米メディアへのお披露目を済ませます。
帰国したコナドゥは、すぐさまコモンウェルス英連邦王座決定戦に出場。
アルバート・マサンキャバラ(ザンビア)を6RKOで下して、アフリカの王者だけでなく、英連邦の王者にもなります。
その後、王座を返上して転級。
バンタム級に主戦場を移し、アジアで回されるWBC王座、南米で回されるWBA王座…
当時の情勢を尻目にノンタイトルで4連勝。
のちのABUアフリカバンタム級王者のルーファス・アデバヨ(ナイジェリア)も1RKOで葬り、
テストマッチを終える。
そのままの勢いで当時のABUアフリカバンタム級王者ミューク・ミューケンジ(ガーナ)に挑み…
こちらも1RKOで粉砕…。
まさにアフリカ敵なしの活躍を見せます。
ここまでデビューから3年半、世界へ飛び出す機会を待つばかり…
戦績は16戦15勝(13KO)1分まで伸びていました。
そうしてようやくつかんだ世界へつながるビッグチャンス。
階級をひとつ下げ戻し、WBCインターナショナルスーパーフライ級王座への挑戦。
相手は元IBF世界スーパーフライ級王者…セサール・ポロンコ(ドミニカ共和国)。
手に入れた世界王座を一度も防衛できずに陥落していたポロンコ。
当時のIBFは新興王座だった為、WBC王座の獲得を目指して、WBCインターナショナルを獲得。
さらに世界王座挑戦の権利を手元に引き寄せる為…。
当時アフリカで破竹の勢いで勝ち進みながら、情報が少なく、
実力未知数とも思われたコナドゥを倒しにガーナへ乗り込んできます。
しかし、この試合を勝ち抜いたのはコナドゥ。
12R判定で、ポロンコを返り討ち…一気に世界挑戦への現実味を手繰り寄せます。
この王座の防衛戦では遥か遠く…インドネシアへ遠征。
パク・デヨン(韓)を1RKOで破ると…
メキシコでの世界挑戦を迎えます。
相手は…ヒルベルト・ローマン(メキシコ)。
その時代屈指のテクニシャンであり、渡辺 二郎(大阪帝拳)からベルトを持ち去った王者。
ジョー小泉氏が「触らぬ神」とまで評した男。
不運なカットで手放したベルトを取り返し、通算では11度防衛に成功。
世界戦戦績13勝1敗…。
WBAには世界王座19度防衛のカオサイ・ギャラクシー(タイ)が君臨しており…
この時代はまさにローマン&カオサイ時代。
超のつく人気王者に成り上がっていたローマン…。
メキシコシティの会場”メキシコアリーナ”は超満員。
アメリカのリングに立ったことがあるとは言え…まだまだ得体の知れない挑戦者だったコナドゥ。
リングアナのコールに鳴り響くブーイング…。
かたやローマンのコールに注ぐ大声援。
途上国のボクサーに必ずと言っていいほど立ちはだかる完全アウェイの空気。
そんな中でガーナの超特急がベールを脱ぎます。
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