南米の侍 ホルヘ・リナレス(ベネズエラ) ボクシング選手名鑑ピックアップ! 2015/10/13

南米の侍 ホルヘ・リナレス(ベネズエラ) ボクシング選手名鑑ピックアップ! 2015/10/13
 
 
 

本日紹介するのは、先日10月10日、見事にWBC世界ライト級の2度目の防衛に成功した
ホルヘ・リナレス(ベネズエラ)選手。
 

ベネズエラで生まれ育ち、ジュニア大会になりますが、17歳の時点でベネズエラの国内大会を5連覇。
鳴り物入りで日本にやってくるんですね。
ボクシングが盛んな南米で、ベネズエラって強豪もかなり多いお国柄。
そんな国でアマ5連覇って、けっこう凄いことですよ。

日本最大手の一つ、帝拳ジムに所属します。
ところがところが、日本って最軽量級は世界でもトップクラスに強いんですが、
バンタム級以上になってくると、とたんに選手層が薄くなるんですね。
だから、リナレス、だいぶ初期の段階で、国内敵なしに近い状態になってしまうんです。
日本最高峰のジムでも強すぎて練習相手がいない…。
海外から選手を呼ばないと、本気のスパーリングができないんです。

世界的スーパースター候補だったリナレス、このままじゃ日本からいなくなっちゃう…
というか、日本にいない方がいいんじゃないか…アメリカに渡った方が…なんて、当時かなり心配してました。
先日、オリンピック2連覇のゾウ・シミン(中)が世界挑戦に失敗したように、
スーパースター候補なんていくらでもいて、その中で本当にスーパースターになれる選手なんて一握り。
プロになって順調に階段を上れればいいものの、ほとんどの選手がどこかで転ぶんですね。
だからこそ、練習環境が確保できないというのはこれからのキャリアに
とてつもなく影響が大きいんじゃないかと。

それでも彼は世界獲得まで、日本をホームに戦い抜いてくれました。
世界初挑戦の相手は、WBC世界スーパーバンタム級を9度も防衛して
2階級制覇に挑んできたオスカル・ラリオス(メキシコ)

かなり厳しいと思っていましたが、それはそれは圧倒的で。
勝ったときね、これでもう最後かな…と。
米国とか更に高みに登るチャンスの多い所に移っちゃうのかな…と。
少しさみしい気持ちがよぎった瞬間でした。
コーナーポストに上ったリナレスが、日本語で「やったー!!!!」と絶叫。

日本でしぶしぶ戦ってたわけじゃないんだ、日本のこと好きで日本で戦ってくれてるんだ…なんて感じて、
気が付いたらリナレスぅぅぅぅ!リナレスぅぅぅ…って言いながら大号泣してました。
 

その後は南米の選手らしく、相手のホームに乗り込んで倒していく果敢な世界王者に。
2階級制覇達成後には、超巨大プローモーション会社の
ゴールデンボーイプロモーションと契約したこともあり、
主戦場は海外に移って行きました。
いまやアメリカでも人気を確立しています。

ただ、世界的なトップスターになれたかというと、それはまだまだ。
無敗で2階級制覇達成後、フアン・カルロス・サルガド(メキシコ)に衝撃的なKO負けを喫し
撃たれ脆さを指摘されるようになってしまいました。

その後、3階級制覇を狙うも、王座決定戦、挑戦者決定戦と連敗。
これはカットによるTKO負けなんで、あまり撃たれ脆さは関係ないところで負けちゃってるんですが
前述の敗戦の印象が強過ぎるんでしょうね。
まぁ、1敗が必要以上に大きく印象付けられてしまうのもボクシング。

現在は最強王者の名を欲しいままにしているヘビー級の
ウラジミール・クリチコ(ウクライナ)も、
かつては撃たれ脆さを指摘された時期がありましたし。
今後、トップスターとのビッグマッチに恵まれれば、充分挽回していけるかな…と。
ベルトを保持していればいずれ…あり得るでしょう。
 

現在は3階級制覇王者となり、WBC世界ライト級王者として君臨中のリナレスさん。
世界各地で試合してますが、所属ジムは帝拳ジムのまま、東京在住です。
たまに日本で試合やってくれてます。
彼にはね、それこそ世界を獲った日本人みんなが口にするラスベガスで…っていうのを
がっつり実現してほしいので、日本で試合してくれるとなんだかもったいないような気がしちゃいますが
「日本は自分の家、絶対に負けません」なんてコメントを聞くと…

やっぱり
リナレスぅぅぅぅ!リナレスぅぅぅ…ってなっちゃいます。

民放さん、リナレスもっと大きく扱ってくれないかな…。
ほんっと魅力的なボクサーなんですよ。
 
 

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