未だ見ぬ新人王 松岡 蓮(浜松堀内) ボクシング選手名鑑ピックアップ! 2018/09/21

未だ見ぬ新人王 松岡 蓮(浜松堀内) ボクシング選手名鑑ピックアップ! 2018/09/19
 
 

昨年12月、中日本の中でも僻地とされる北陸の地で静岡の選手がデビュー戦を飾った。
松岡 蓮(浜松堀内)

石川県金沢市の石川県産業展示館2号館。
北陸の冬は厳しく、そして美しいと聞く。

相手は宮川 祐志(カシミ)。
地元金沢のカシミジムからこちらもデビュー戦。

往年の名選手であり、日本二階級制覇王者だったガーナ出身のビニー・マーチン
レフリーとして捌くリング。
試合は3Rまで全て松岡が制し、4RTKOでの勝利を飾った。
 

この頃、僕は観戦地域を北陸まで広げられておらず、この試合を見ることはできていない。
 

年が明けて、中日本新人王トーナメントの組み合わせが発表される。
ライト級はエントリー1名。

昨年の中日本ライト級新人王、近藤 裕真(畑中)
ライト級でエントリーするかと思っていたが、近藤は今年1階級上げてスーパーライト級でエントリー。

全く見たことのないボクサーが、中日本・西部日本新人王対抗戦にコマを進めたこととなる。
対抗戦の開催地は中日本と西部日本で代わり番こ。
昨年は刈谷で開催されている為、今年は西部での開催となる。

場所は鹿児島アリーナ…確実に見に行けない。
これに勝てば、エディオンアリーナ大阪・第2競技場で西日本新人王とぶつかる西軍代表決定戦。
開催日も把握できていない西軍代表戦…こちらも行ける保証はない。

さらにこれに勝てば…「聖地」後楽園ホールでの全日本新人王決定戦。
12/23…地獄の年末を過ごしているハズの自分…こちらもやはり行ける保証はない。

また、西軍代表戦や全日本新人王は毎年かなりの集客がある一大興行。
どうせ遠征するなら…そちらは他のファンに任せて…といったような感覚に陥ることがあり
全日本新人王決定戦に関しては、これまでほとんど観戦に行っていない。

毎年、名古屋から中日本から出た選手たち、中日本に勝った西軍代表の選手たちを祈る思いで応援するばかり。
 

…つまり、このまま行くと松岡の試合を見るのは来年まで持ち越しとなる。
“松岡の新人王戦”が終わって以降しか、彼の試合を見れないこととなる。

愛着は試合を観戦して湧くもの…もちろん我らが中日本新人王として応援するが…。
試合っぷりも、特徴も、何も知らないまま…当然想像力が働くわけでもなく、
勝敗の白黒のみを注視する形となってしまう。

なんとももったいない…。
松岡が新人王トーナメントの初戦として登場するのは、9/30。
期間が開き過ぎるため、間に1試合か2試合、挟まる可能性も充分ある。
どうか彼の試合を1試合でも観ておきたい…。
 

春から梅雨に季節が変わろうとする頃…松岡の次戦が組まれたことを知る。
相手は…デビュー戦の坂元 隆(レイS)。

レイスポーツボクシングジムは…千葉県市川市のジム。
まさか…、悪い予感で慌てて詳細をチェックする。

場所は…後楽園ホール。
そして…平日の金曜日。

終わった…完全に終わった…。
平日ほとんど動けない自分にとっては非情な宣告となった。
諦めの気持ちとともに、試合当日のリアルタイムのチェックさえスルーしてしまい、後日結果を知る。

2R 2分7秒でのTKO勝利。
 

デビューから2戦続けての敵地で連続KO勝利。
この結果を知った瞬間、スイッチが入る。
 

中日本新人王がこれから挑む全日本新人王への道のりは、敵地連戦となる。
中日本・西部日本新人王対抗戦が鹿児島で行われる偶数年は、奇数年より敵地戦が1試合増える。

「判定では勝てない」と言った先入観から、地元の中日本で魅せてきたボクシングを崩し、
強引な試合に終始して、実力を発揮できない選手もいる。

もちろん選手によりけりではあるが、究極のメンタルスポーツであるボクシングにおいて、
アウェイ決戦が選手に与える影響が大きくなる試合もある。

戦っていく中で、一人敗れ…二人敗れ…。
一昨年、昨年と、全日本まで獲得した中日本新人王はどちらも1名のみ。

敗れていく選手の中には、地元での戦いから考えれば
充分に勝てていただろう試合を落としてしまう選手も毎年存在する。
 

デビュー以来の敵地2連勝…松岡が出した結果の白黒に胸が躍る。
この選手は、きっと敵地で勝負できる選手…。
全く試合を観ていない選手に胸を躍らせてしまう自分の軽薄さが気になるが、そんなことはこの際関係ない。
たとえ見たことがない選手だろうと、選手に期待して何が悪い。

映像観戦と現地観戦では、見える範囲も角度も全く違う。
なにか映像観戦では見たうちに入らない気がしてしまうようにも感じる。
そう思えば、普段楽しんで観ている海外ボクシングの外国人ボクサーへの期待も
「観ていないのに…」の期待に当てはまる。

生で観ていようがいまいが、期待するのは自由だ。
ワクワクしたもの勝ちだ。
 
 

観れる試合もあれば、観れない試合もある。
毎日世界中でボクシングの試合が行われている。

ボクシングの世界的戦績データベースサイトであるBoxRecでさえ、全ては網羅できていない。
タイトル戦の決まった選手の戦歴が突然増えることもたまにある。
大きな試合を前に、過去の戦歴がほじくり出された形だろう。
また、コミッションのご都合で意図的に削除された試合もある。

プロボクシングに限定しても、世の中のボクヲタが思っている以上にボクシングの試合はある。
しかし、ファンそれぞれに生活があり、手の届く範囲しか見ることはできない。
そんな時、発揮されるのが空想力と妄想力。

スタイルが解らない以上、松岡が「敵地に強い」結果を残したのは偶然かもしれない。
たった二つの白星で、妄想的に、「きっと敵地に強い選手だろう」と期待しているのである。
 

昨今、インターネット上では選手を罵倒したり、貶めたりするのに妄想や虚言が使われることが多々ある。
それをしている人たちは、果たしてボクシングが面白いのだろうか。
きっと彼らの中には何十年の観戦歴や、実際のボクシング経験がある人たちもいるのだろう。
しかし、彼らはボクシングの楽しみ方を知らない。
 

正しい、妄想と空想の使い方を見せてやる。
僕が松岡の勝敗の白黒の報に一喜一憂する姿がそれにあたるハズ。
 

今、僕の頭の中には初めて見る松岡の試合がある。
全日本新人王として…日本ランカーとして中日本のリングに凱旋する松岡の姿。

どうか、現実にしてほしい。
中日本から祈っている。
 
 

 
 
 

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