チャベス ロジャー・メイウェザー(米)⑬ ボクシング選手名鑑ピックアップ! 2016/10/05
ロジャー・メイウェザー(米)のピックアップ13日目。
前回はロジャーがケニー・ベイスモア(米)とのUSBA全米スーパーフェザー級タイトルマッチに、
圧倒的勝利を収めて、世界再挑戦のチャンスを手に入れたところまで。
デビューから1年半で世界を獲得したロジャー。
約一年守った王座から陥落し、そこから1年半が経過。
たった一年半とも思えそうですが…
ここまで書いてきた内容を読んでもらえれば、それが
いかに濃密なものだったかは理解してもらえるかと思います。
相手は…WBC世界スーパーフェザー級王者、フリオ・セサール・チャベス(メキシコ)。
最終的に100戦以上をこなし、3階級を制するチャベスも
この頃は初の世界王座を獲得し、初防衛に成功したころ。
これが2度目の防衛戦…と、チャベスの実績からすればキャリア初期に当たりそうにも思えますが、
この時点でデビュー以来の46連勝。
ロジャーのホームは…ラスベガス。
しかし、ラスベガスはメキシカンルーツの街。
歓声もブーイングも真っ二つの二人。
1Rから長いリーチでジャブを刺していくロジャー。
しかしロジャーのスピーディーなパンチを鼻先でかわし、
当たったように見えたパンチもしっかりパリングするチャベス。
ほとんど手を出さないチャベスに出しても当たらないロジャー。
チャベスは自分より腕の長いロジャーの射程外でじっくりロジャーを見つめる。
1分が過ぎてこの試合初めて手を出したチャベス。
ジャブにかぶせた右のクロスを見事にヒットさせる。
その後圧力を強めたチャベス…カットオブザリング…
ロジャーの逃げ道をふさぐ足の運びで、ジリジリロジャーの行動範囲を削っていき
飛び込むタイミングを測る…時折被弾しながらも意に介さず…
そのままこのラウンドはゴングで終了。
2R、距離をとりながら左を刺すロジャー。
チャベスが詰めてきたところに強烈な左右のアッパー、右の撃ち降ろしをヒットさせる。
しかしチャベスも飛び込んで右ストレートをヒットさせるとすぐに離れる出入りのボクシングを見せる。
その後、ドシドシ歩いて距離を詰め始めたチャベス。
ロジャーがパンチを出す瞬間に左フック、右ストレートと合わせ始める。
さらにロジャーが左でチャベスを刺した瞬間、チャベスは殴られたことを全く感じさせずに
逆にロジャーに強烈な右フックを直撃させる。
これが効いてしまったロジャー、膝を揺らしますが、
詰めてくるチャベスにサイドに飛んで強烈な右ストレートをヒットさせる。
一進一退の攻防…。
両者の距離が一旦開いて仕切り直しとなったところ。
ロジャーが中途半端にジャブを出したところを、チャベスの右のオーバーハンドが捉える。
たたらを踏んでロープ伝いに逃げようとするロジャー…。
それを追いかけて…まるで飛びつくようにジャンプしてチャベスの右フック。
まるで猫科の肉食獣が前足で獲物を狩るよう…。
野性的…そして天才的なチャベスの一撃に、バランスを失って前のめりに倒れるロジャー…。
ダウンがとられておかしくないシーンですが、パンチが当たった後、
両者の体がぶつかって倒れたことで、ここはスリップの裁定。
再開後、ロジャーは詰めてきたチャベスをクリンチで捕まえようとする。
しかし、体幹の強さで押してくるチャベスの両腕を抑えきれず…
強引に右拳を振りおろされ…わずかに距離ができたところを左アッパー、右ストレートで追撃される。
なんとかチャベスを遠ざけようと、ロジャーが苦し紛れに右フックを振った瞬間…
それに合わせたチャベスの右フックがロジャーの顔面を弾き飛ばす。
崩れ落ちてリングに這うロジャー。
…カウンターセンスまでもが天才的なチャベス。
ここはエイトカウントで試合が再開。
再開後、チャベスが一気に詰めたところでクリンチにのがれようとするロジャーを
腕を使って強引に遠ざけ、右ストレートから左アッパー。
足元をふらつかせながら、両者の体がぶつかってまたも転がるロジャー。
ここでもレフリーはスリップの裁定。
怯えた表情のロジャーを助け起こして試合を再開…。
ここもダウンをとられておかしくないシーンですが、パンチが当たっておらず
どちらとも取れてしまう状況…しかし、ダウンをとられない代わりに休息の時間ももらえないロジャー。
ふらふらになりながら、幾度もチャベスのパンチを浴び…
今度は膝を着くダウン。
ここで試合はストップ…蓄積させたダメージに、レフリーは続行を許さず、圧倒的な内容でチャベスが勝利。
ようやく辿り着いた世界再挑戦も、最終的に87まで積み上がるチャベスの連勝記録のうちの1つとなる。
一つの敗北で、積み上げた物が崩れさる…それがボクシング。
メキシコの偉大な王者に2RTKOで敗れ去ったロジャー…ここからまた、再スタートを強いられます。
また、このとき逃したWBC世界スーパーフェザー級のベルト…
これが後に訪れる新たなメイウェザー家の歴史にとって、最初のベルトとなっていきますが…。
それはそれは遠い先のお話。
このとき、フロイド・メイウェザーJr(米)、8歳の幼き頃である。
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