因縁決着 ドワイト・ムハマド・カウイ(米)⑨ ボクシング選手名鑑ピックアップ! 2016/08/01
ドワイト・ムハマド・カウイ(米)、9日目。
前回はWBA/WBC世界ライトヘビー級王座統一戦でマイケル・スピンクス(米)に敗北。
WBA世界ライトヘビー級王座の獲得に失敗するとともに、WBC世界ライトヘビー級王座の
4度目の防衛に失敗…王座陥落となったところまで。
さて、陥落したカウイ…
再起戦に選んだ相手は…1勝1敗となっていたライバル、ジョニー・デイビス(米)。
前戦でカウイ(当時ブラックストン)に敗北したものの、そこからホープのリック・ジェスター(米)や
当時既に3度の世界挑戦を叶えていたヤキ・ロペス(メキシコ)などを打倒し、
3連勝で当時WBA王者だったマイケル・スピンクスに挑戦。
ここでは敗北するものの、カウイの初防衛戦の相手にもなったジェリー・マーティン(アンティグア・バーブーダ)、
のちのIBF世界クルーザー級王者であるジェフ・ランプキン(米)に連勝。
世界再挑戦に向けて…既に名前では圧倒的な差が開いていたライバルとの第3戦に挑んできます。
世界戦として行われてもおかしくないレベルの二人のラバーマッチ。
様子見の1R、丁寧にジャブを突き刺すデイビス。
カウイは必要以上に反応せず、距離を詰めて強打を狙う。
数多くのジャブを刺したデイビスにとって出だしは順調。
2R、デイビスのジャブを丁寧にブロックし始めたカウイ。
デイビスはカウイのボディでさえしっかりブロック。
腹から切り崩すカウイをよく知っています。
試合は技術戦の様相を呈し、両者のパンチは鼻先で、ブロックで…吸収され合っていく。
3R、一転、一気に距離を詰めにかかるカウイ。
撃ち合いになると、パワーと回転に勝るカウイが圧倒的。
カウイの強打がデイビスを捉えていきます。
4R、ジャブの刺し合いでも勝り始めたカウイ。
距離を詰めればフックを振るい、カウイの一方的な展開になるかと思われたラウンド終盤。
デイビスはダッキングしたカウイを左右フックで捉え、最後は左アッパーを突き刺して終了のゴング。
まだまだ試合の流れは完全には渡しません。
5R、長い腕を伸ばしてジャブを突き刺し、回り込むような左ボディフックを叩くデイビス。
しかしひとたび接近戦になれば、カウイがショートパンチを上下に突き刺し強烈なアッパーでデービスを揺らす。
デイビスのパンチはカウイの独特のウィービングで外されていく。
小さな体で信じられないプレッシャーを生み出し、足の運びで追い込んでいく。
丸ノコ殺法と呼ばれたカウイのスタイルを見せつける。
6R、デイビスはフットワークを使いガードの上からでも左で叩き始める。
カウイが飛び込んでくればアッパーやフックで応戦。
スピンクスが見せたカウイの攻略法…。
全く手が出なくなったカウイは頭から飛び込むなど多少ラフに応戦。
両腕を下げて飛び混む、広げて飛び込むなどトリッキーな動きも見せながら対応。
7R、フットワークとジャブで捌きにかかるデイビスをローブ際に追い込んだカウイ。
強烈な左ボディフックを浴びせると、これが効いたかデービスはクリンチに逃げる頻度が増えます。
足が止まり始めるデイビス、カウイにつかまり始める。
8R、撃ち合いになっても強いのがデイビス。
しかしボディを嫌がりクリンチに逃れる。
手が出なくなり、ただカウイに下がらされるだけになっていく…。
9R、クリンチの頻度が増えていくデイビス。
ただ抱きつくだけで3分を消費したかのように見えるラウンド。
わずかな可能性にしがみつき、必死で接近戦を拒否します。
カウイもここまでされると攻めあぐねてしまう。
最終10R、フットワークを使ってリング状を駆け回るデイビス。
しかしカウイをトラブルに陥らせるような一撃は放てず…。
ジャブを突き刺してもカウイに躱され、強引に詰められては強打の餌食になる…。
そのまま試合終了のゴングが鳴り響く…。
なぜか判定が割れて2-1。
デイビスのジャブをどれだけ取るかにもよるけども…、そう見えたジャッジもいたということか。
スプリットと発表された瞬間、悲鳴にも似た大きなブーイング。
内容的には圧倒的な形で因縁に完全決着をつけたカウイ。
マイケル・スピンクスとの再戦での世界再挑戦も浮上しますが、
この試合はカウイのトレーニング中の負傷でお流れに…
チャンスを水に流してしまったカウイは、なんとここから階級を上げます。
166cmでこの階級を戦う為にパンプアップしていたカウイは、
ライトヘビーの体重を維持することが難しくなっていたのです。
ライトヘビーでも小さいのに、さらに重い階級へ?
懐疑的な目を向けられるカウイ…
彼の新たな挑戦が始まります。
【カテゴリ別】
2016年選手紹介一覧に戻る
【日付別】
【記事一覧】2016年8月に戻る
各選手の戦績はこちら。
ボクシング選手名鑑
コメント