転級 ドワイト・ムハマド・カウイ(米)⑩ ボクシング選手名鑑ピックアップ! 2016/08/03

転級 ドワイト・ムハマド・カウイ(米)⑩ ボクシング選手名鑑ピックアップ! 2016/08/03
 
 
 

ドワイト・ムハマド・カウイ(米)、10日目。
 
 
 

前回は王座陥落後の再起戦で、キャリア初期からのライバル、ジョニー・デイビス(米)とのラバーマッチ。
これに勝利し、ライトヘビー級での因縁に決着をつけたところまで。
166cmでライトヘビー級を戦い、歴史に残る名王者を倒して世界王者になったカウイ。
 

「クルーザー級はさすがにフレームが違い過ぎる」
「カウイの腕は届くはずがない…」
「大人と子供の戦いになる」

懐疑的な声が湧きあがります。
 

そんな中でスタートしたカウイのチャレンジ。
 

クルーザー級への転級初戦を、フロリダ州王者のパット・クイル(米)、
2戦目はのちにUSBA全米クルーザー級に挑むスタンリー・ロス(米)と戦い、いずれも圧倒的な判定勝利。
 
 

転級後2連勝を飾ると、3戦目でマイケル・グリーア(米)と対戦。
のちにはヘビー級まで上げていき、ラリー・ホームズ(米)とも手を合わせる選手。
この階級でものちにWBC米大陸クルーザー級王者となる選手です。
 

ライトヘビー級時代と比べれば、さらに大きくなった対戦相手。
そして、パンプアップしたカウイ。

小さなカウイがクルーザー級でどれほど戦えるのか…試されたのがこの試合。
 
 

ジャブをダブルで撃ち込みながら突っ込んできたグリーアに、圧力で押し倒されてしまうカウイ。
これはスリップの判定。

体格差ではさらに不利になってしまったクルーザーのカウイですが、
相手を下がらせるプレッシャーはさらに厚みを増したようにも…
手を出していないハズのカウイにずるずる下がっていくグリーア。
 

2R、プレッシャーでもみ合いのようなインファイトに持ち込むカウイ。
時折アッパーを浴びながらも、ひたすらにボディをたたきます。
カウイにローブローの注意が与えられると、次にコーナーに詰まったタイミングで
ローブローのアピールをするふりをして、一気に反撃するグリーア。
…なかなかしたたか。

しかしその直後、怒りのカウイはグリーアの股間にパンチをめり込ませ…グリーア悶絶…。
カウイに減点が課されて試合が再開されます。
汚さでは、カウイの方が上か…。
 

3R、足を使ってジャブを刺すグリーア。
しかしローブローのダメージが抜けていないのか…動きは鈍い。
試合はインファイトが中心になっていく。

かたやカウイも、減点の影響もあり、距離が詰まったところでこれまでのようにボディが撃ちづらい。
至近距離でグリーアのアッパーがカウイに刺さっていきます。
グリーアは距離の詰まったところで繰り出すアッパーがなんとも上手い。
ガードの隙間を狙って通していく。

3R終盤、開き直ったかまたボディを撃ち始めたカウイ。
そうなると至近距離はカウイ有利。
次第にグリーアは防戦一方になっていく。

4R終盤からはグリーアも開き直ったか、距離を詰めて猛烈な撃ち合いへ…。
カウイはボディへ強烈なアッパーを突き刺し、上があけばいきなり狙う。
その攻撃の切れ間に顔面へつきさすグリーアの強打。

顔面を頻繁に捉えるグリーアのパンチ。
その倍以上の数を叩き込むカウイのボディ。
ボディをどこまで取るか…で割れそうな試合。
 

7Rに入ると、足を使ってリングを旋回するグリーア。
休む意図か全く両者のパンチが届かない距離。

たまに飛び込んでジャブを飛ばすグリーアですが、わずか数発。
そんなグリーアを足の運びでコーナーまで追い込んだカウイ。
しかしここでまたもやローブロー…。
グリーアにしばし休息が与えられ、試合が再開。
再開後のグリーアはカウイをコンビネーションで攻め立てる。
 

8R、減点がある分、ポイント的には拮抗しているように見える展開。
カウイは接近戦ではなく、ミドルレンジを選択。
リーチで圧倒的に劣る相手にジャブの刺し合いで勝っていきます。
 

ポイントの振られ方が気になる9R。
このラウンドに限定すれば、ミドルレンジでは下がりながらのグリーアがわずかに上回ったようにも見える。
しかし終盤のインファイトで強烈なパンチで的確に顔面を撃ち抜いたカウイが有利か。
どちらにせよ際どいラウンド。
 

10R、インターバル中、映像に割り込むセコンドの「イーブン…」の声。
放送席もこの試合をかなり拮抗していると見ているよう。

このラウンドを勝ち取ろうと、ゴングとともに一気に攻め込むグリーア。
押し込まれてしまうカウイ…呑み込まれかけるも、体を入れ替えると形成は逆転。
カウイの上下の撃ち分けに捕まってしまうグリーア…まさに滅多撃ち。
しかしカウイが撃ち疲れた終盤は逆に一方的に拳をつきたてる。
 

そのまま最終ラウンドのゴングが鳴る。
結果は…最小1P差を二人がつける3-0の勝利。
勝利者コールの際のブーイング混じりの歓声は、どちらに転んでもおかしくなかった激戦を物語ります。
 

なんとか生き残りに成功したカウイ。
これで転級後3連勝として、ついに2階級制覇のチャンスを手に入れます。
 

場所は南アフリカ…
相手はベールに包まれたチャンピオン。
そんなタイトルマッチは…また次回。

 

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