2025/05/18 -静岡・ふじさんめっせ- 第3試合、第4試合(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!

2025/05/18 -静岡・ふじさんめっせ- 第3試合、第4試合(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!

 

【フライ級8回戦】
マーク・ビセレス(駿河男児) vs リー・シャン(中)


見合いながら、タイミングを測り合うサウスポー同士の戦い。
上は堅く、両者ともボディへ拳を伸ばすタイミングが増えていく。
ラウンド終盤にはビセレスが左ボディストレートを何度も突き刺す。


2R、リーがダッキングしたところへの左フック、立て続けの右ボディでビセレスが先制。
斬って落とす狙いか、手数を制限しタイミングを測り続けるリー。
積極性で上回るビセレスが、手数でもヒットでも上回っていく。
終盤、ビセレスの入ってくるところに強烈に合わせたリー。
ラウンド終了間際にはコンビネーションで攻め込んだビセレスに
パンチを合わせていこうとするリーだが、ここの攻防をはっきりと上回り、
リーの拳を綺麗にかわしながら、一方的に拳を叩きつける。


3R、緊張感高く見合う二人だが、拳をヒットさせるのはビセレスの方。
リーのパンチを当てさせない距離から、撃ち出し、撃ち終わり、
様々なタイミングで鋭く踏み込んで強烈なヒットを奪っていく。
ジャブ以外にほとんど手が出ないリー…八方ふさがりになっているようにも見える。


4Rも前のラウンドと同じ展開。
ビセレスが主導権をがっちりと握った状態で試合が膠着しはじめたか。
ポイント的にも展開もはっきりとビセレスのものとなる。


5R、このラウンドも展開変わらず。
あえて展開を変える必要もないビセレス。
中盤にはジャブを連続で突きながらコーナーに追い込み
リーがサイドへ逃げ出そうとするところに強烈に左ボディを叩きこむ。


6R、ボディの頻度を増やすリーだが、上はなかなか当てさせてもらえない。
ビセレスはリーの撃ち出しをカウンターで効かせると、
コーナーに詰めてコンビネーションで襲い掛かる。
ようやくKOにつながりそうなシーンとなるが、リーは耐えながら右フックをヒットさせ
この窮地を奪取。


7R、ビセレスが右ジャブを繰り出し続け、試合を支配する。
後半に入っても二人のパンチは鋭いままだが、ディフェンス能力も高く、
ビセレスのジャブが淡々とヒットしていく。


8R、攻めの姿勢を強めたビセレス。
リーの拳をヒットさせぬまま一方的に強打を叩きこむ。
決して無理攻めはせず、危ないシーンは作らないまま試合終了のゴングを迎えた。


マイジャッジ 80-72 ビセレス

公式ジャッジ
80-72×3

3-0 勝者:ビセレス


完璧な戦いぶりだったように思う。
リスクを最小限に抑えたうえで、最大限攻撃的にも戦った。
ペースを握ると、その展開をがちがちに固定したまま、
KOへの色気も出さず、勝利へ最も固い道を走ったようにも思えた。
それでも、試合を面白いと思わせてしまうのがこのクラスの選手なのか。
試合終了のゴングが鳴るとともに、客席から爽快な拍手が送られた。

勝ち筋をなぞるように一直線に走る姿は、
世界トップクラスの勝負の厳しさの中で生きる選手だからこそにも思えた。
この先もビセレスの戦いが中日本で見れると思うと嬉しくてたまらない。

雁字搦めの展開の中、一つ一つのパンチは最後まで鋭利に振るわれ
最後まで耐え、抵抗し続けたリー。
リーの頑張りがあってこそ、ビセレスが際立ったようにも思う。

ビセレス、フルマークの圧勝劇だったが、一つの作品を見たような試合だった。


マーク・ビセレス 22戦20勝(11KO)1敗1分
シャン・リー 15戦9勝(4KO)4敗2分

 

【59.4kg契約8回戦】
大畑 俊平(駿河男児) vs コウ・ジュンサイ(中)

大きく振るうコウをじっくり見ながら攻防を制していく大畑。
まだ静かな展開ながら、ひとつひとつを確認するように
柔らかく軽く拳を出していく。


両者、手数も動きもぐっと増えた2R。
踏み込んでアッパーを突き刺した大畑の離れ際に左フックでやり返したコウ。
しつこく詰め、強引にでも手を出してくるコウに、
的確に捉えはするものの、手数で下回ってしまう大畑。


3R、高く上げたコウのガードの上からでもジャブを突き続ける大畑、
コウは時折見栄えのいい大きな強打で反撃。
ラウンド中盤から大畑は強烈なボディを交え始める。
コウがボディを連続で捉えると、大畑は無理せずいったん距離をとってリセット。
大畑がその後も、強烈なボディを重ねていく。


4R、ジャブを突き続ける大畑に、コウは貰いながらの強打で捉える。
密着した場面では、力のこもったボディ連打を叩きこむ。
体が重なった場面や、大畑のダッキングに合わせて左右フックで大畑を捉える場面も。
大畑、強烈な右フックをカウンターで叩きこむ。


5R、ファイトに転じた大畑。
撃ち合いは一進一退…危ないパンチが交錯する中、
ジャブとボディを交える大畑が徐々に徐々に撃ち勝ち始める。
コウのボディも痛烈に大畑をえぐるが、ラウンド終了間際には
コーナーに詰めて連打を叩きつけた大畑。


6R、このラウンドも前に出る大畑、
コウが飛び込んだところにショートアッパーを合わせると、コウはズルズルと後退。
追いかけて拳を叩きつけていく大畑だが、
コウがロープを背負いながら思い切り振る右フックも大畑を捉える。


7R、またも大畑の右アッパーが功を捉えるコウは右フックのカウンターをボディへと持っていく。
大畑がロープに詰めて攻め立てる中、
コウがガードを固めて耐えながら渾身のカウンターで捉える展開、
被弾が重なるコウ、時折痛烈な反撃を食う大畑。


8R、大畑が右ストレートで捉えると、またもロープに下がっていくコウ。
一気に攻め立てる大畑に対し、まさにリング上を逃げ回るといった動きの中、
大きな右フックのカウンターで反撃も見せる。
まだ、賭ける一発は失っていない…攻められる中にチャンスを見出すような戦いぶり。
それでも構わず攻め立てる大畑に、レフリーが止めに入って試合が終了。


TKOタイムは8R 53秒


4Rまでのマイジャッジは五分。
至近距離でやっかいだったコウに対し、その距離に乗り込んで試合を制した。
終盤は追いかける大畑から大きく逃げながら、致命傷の一撃を狙ったように見えたコウ。
大畑は猛烈に攻め立てながら倒しきれず、最後はレフリーが試合を止めた格好。

「KOする練習はしてないから、倒したくなっても変な感じになっちゃう」とは
大畑の勝利者インタビュー。
しかしながら、試合が止まるには充分に痛めつけていたようにも思える。

ただただ、コウが耐えに耐えて最後まで可能性を感じさせるパンチを振るい続けた結果。
充分以上のKO劇だったようにも思えた。


大畑 俊平 7戦6勝(3KO)1敗
コウ・ジュンサイ 12戦6勝(3KO)5敗1分

 

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