2024/6/23 -静岡・ツインメッセ静岡- 第1試合、第2試合(中日本ボクシング観戦記)　ボクシング選手名鑑ピックアップ！

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■2024年度中日本フライ級新人王準決勝
【フライ級4回戦】
村田碧(和光)　○　vs　桂ケンシロウ(とよはし)

試合開始から詰めていく桂だが、
多彩な左を突き刺す村田…グサリグサリと拳が突き刺さる。
それでも前に出ながら強烈な右で捉えた桂。
10発もらいながら1発思い切り返すと言った展開。

2Rに入ると右の比重も強めた村田のコンビネーションが次々と桂を襲う
中盤には足元を揺らす場面を作りながらも
逆転の可能性を秘める一撃を放り込む。
しかし、中盤の左ボディを境に、桂の動きが鈍くなる。

3Rには村田の軽い左にも足元を揺らす桂。
ダメージが溜まって来たか、村田が一方的に拳を浴びせて行く。
いよいよ圧倒的になってくる中でも、前に前に…
そして思い切り振り抜く桂の姿は変わらない。

最終ラウンド、頭を付けてのファイトの中で強打を次々を叩き込む村田。
桂も逆転にかける強打を振るうが、村田はその多くをかわし、自分の拳を叩き込む。
村田のコンビネーションが桂を襲っていく中、ついにレフリーがストップ。

TKOタイムは4R 2分32秒

桂の手が返っていないわけでもなく、
ロープに詰められたわけでもないタイミングでのストップ。
度重なる被弾のダメージを考慮してのものに見えた。
止まった瞬間、リングに座り込んだ桂。

村田がただただ強さを見せつけ、そこに桂が立ち向かっていった試合。
技術勝負になれば、4回戦ではずば抜けた村田に対して、
徹底的に攻めての一撃を狙うのは勝ち筋の一つだったようにも思う。

村田碧の兄である村田翼(和光)と、
桂のとよはしジムの先輩である時弘将志(とよはし)が争った
2020年度中日本フェザー級新人王決勝戦。

主導権を圧倒的に握った村田翼が、時弘の一発を二度被弾し、二度のダウン。
ドローの優勢点で勝ち上がったのは時弘だった。
あの時の再現もちらついた試合で、村田碧は桂の猛攻を完璧に弾き返した。

決勝は対戦相手棄権により中日本新人王が決定。
次戦は秋に開催される九州での中日本・西部日本新人王対抗戦となる。

「弟は兄以上」

この日の結果を持って、デビュー前から囁かれた触れ込みが
正しかったと言えるように思える。
兄が届かなかった中日本新人王を獲得。
威風堂々、今年の主役とも言える男が各地の新人王との対決へ向かって行く。

村田碧　4戦4勝(2KO)
桂ケンシロウ　2戦1勝(1KO)1敗

■2024年度中日本バンタム級新人王準決勝
【バンタム級4回戦】
綾野太晴(中日)　vs　中村列亜(畑中)

忙しく左を交換し合う二人。
積極的に手が出るのは綾野の方、足が前に出ているのは中村の方。

手数で上回る綾野、ボディも交えてヒットも多く奪うが
中村は綾野が詰めたところに狙いすましたようなアッパー。

撃たせながらも、要所で反撃を入れる中、
右に合わせてクロスカウンターを叩き込むと、
綾野の反撃をものともせず一気に攻め込む。

ラウンド終盤、ボディを多く叩いて終えた綾野。
手数、ヒット数では綾野、印象的なヒットは中村か。

2R前半、綾野が右のカウンターで先制するも、
中盤、ジャブから左右ボディを叩いた中村が巻き返す。
グサグサとジャブを突き刺していく中村。
綾野も負けじと右をヒットさせたところでバッティングの中断。

再開後、徹底的にジャブを突き刺す中村。
試合終了間際には左フックからボディを強烈に返す。

3R、ジャブを突き刺しながら押し込んで行く中村に対し、
時折カウンターをとって強烈に返す綾野だが、
手数をより増して来た中村に、後手に回る時間が増えて行く。

4R、変わらずジャブを突く中村に綾野が強烈なボディを返すが
中村も強烈なボディでお返し…両者好戦的になる最終ラウンドで
接近戦の時間が増えると、綾野が左フックを強烈に突き刺す場面も。

マイジャッジ　39-37　中村

公式ジャッジ
39-37×3

3-0　中村

接戦だったように感じたが、左で何度も相手の顔面を跳ね上げた中村が勝利。
触るようなジャブでなく、しっかりと突き刺すジャブ。
ジャブが評価されたというよりは、評価させたといった印象を受けた。

ボディへのダメージか、終盤僅かに綾野のテンポが落ちたようにも見えたが
中村のペースは変わらず、4Rをしっかりと走り切った。
安定した強さを感じさせた戦いぶり。

「勝負」への強さを感じさせて、中日本新人王決勝戦への出場を決めた。
決勝の相手は、この次の試合で決定する。

綾野のペースは後半、確かに落ちたが、最終ラウンドのファイトの局面では、
落ちながらも互角以上の戦いを見せたように思う。

中村の力強いジャブに下がりながらの戦いとなったが、
前へと進めていればどうだっただろうか。
あのジャブを外して入り込む形になっていたらどうだっただろうか。

いくつものたらればを言いたくなる。
完全な力負けではなかったように思える。

「ファイトをさせれば強い」

まだまだ強くなる選手。
特に経験の積み重ねがあれば…、今は強さの構築段階にも思える。
自分の強みを活かして欲しいと思えた。

綾野太晴　3戦2勝(1KO)1敗
中村列亜　3戦3勝(2KO)

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