突然の苦難 ロジャー・メイウェザー(米)㉔ ボクシング選手名鑑ピックアップ! 2016/10/27

突然の苦難 ロジャー・メイウェザー(米)㉔ ボクシング選手名鑑ピックアップ! 2016/10/27
 
 

ロジャー・メイウェザー(米)のピックアップの24日目。
 

WBC世界スーパーライト級王座をフリオ・セサール・チャベス(メキシコ)に奪われるも、その後再起。
アフリカの強豪、テレンス・アリ(ガイアナ)を破ったところまで。
 

続いてWBC米大陸ライト級王座とWBA米ウェルター級王座の二つのベルトを持つマイク・ジョンソン(米)。
こちらは中差判定勝ちで切り抜ける。

この後、兄のフロイド・メイウェザー(米)が5年半ぶりにリング復帰。
しかし、ホープのロジャー・ターナー(米)に敗北し、この試合を本当に最後の試合として
グローブを壁に吊るします。

兄の衰えた姿を目の当たりにしながら、三男ジェフ・メイウェザー(米)とともに戦い続けるロジャー。

国内王座に2度、地域タイトルに4度挑みながらタイトル獲得経験のないたサントス・モレノ(メキシコ)は3RTKO。
元メキシコスーパーライト級王者アルベルト・アルカラス(メキシコ)はスプリットの判定で切り抜け、5連勝。
 
 
 

WBC王座の陥落から2年半…
ここでロジャーはIBF世界スーパーライト級王座決定戦のチャンスをつかみ取る。
相手は1階級上のWBA世界ウェルター級への挑戦経験があったラファエル・ピネダ(コロンビア)。

この時点で27戦26勝(24KO)1敗。
高いKO率を売りにしたハードパンチャー。
敗戦はマーク・ブリーランド(米)に挑んだ世界戦の1つのみ。

25歳と脂の乗った年齢で売り出してきたピネダに対し、
5歳年上で既に酸いも甘いも噛み締めてきたロジャー。
ようやく辿り着いた新たなチャンスに挑んでいきます。
 

1Rからサークリングして上下にジャブを散らすロジャー。
その左に合わせて右フックを振るうピネダ…しかし、ロジャーが肩でいなして拳を着弾させない。
逆にロジャーは強烈な右をねじ込み、上々の立ち上がりを見せます。
 

2R、懐の深いロジャーを攻めあぐねるピネダ。
ヒットを奪っても浅く、ロジャーのジャブに阻まれ距離を詰めることができない。
逆にロジャーのロングレンジの右をもらってしまう。
…しかし終盤、ピネダは状況を打開しようとより圧を強め、徐々に距離が詰まってきます。
 

3R、若干焦れて来たピネダは明らかに低いパンチを撃ち込んでしまい、
レフリーのミルズ・レーンからローブローの注意を受ける。
試合に動きは見られず、お互いにパンチがヒットしても単発で終わる。
次第に観客も焦れ、ブーイングが混じり始めます。
 

4R、さらに圧力を強めたピネダに対して、ロジャーは距離の維持を徹底。
お互いに手数も減り、試合はさらに膠着し始める。
終盤、強引に入ったピネダに対し、右の撃ち降ろしからスマッシュで顎をエグったロジャー。
顔面を捉えた強烈なブローは、3分間でこの2つだけ。
静かな展開のまま、前半4Rを終えます。
 

5R、これまでまともなヒットさえ許してもらえないピネダ。
ここで、焦ることなく、ジャブの数を増やして対抗します。
プレスを強めながら、ジャブを刺すことで、ロジャーの手数をさらに減らす。
 

6R、ピネダはさらにグイグイ前に出始め、この試合初めてとも言える右フックをヒットさせる。
さらにラウンド中盤には飛び込みながら左フックを痛烈にヒット。
逆にロジャーもピネダが出てくるところに合わせて痛烈に右フックを合わせる。
二人のパンチの交換が急にヒリヒリし始めます。
 

7R、ひたすらにロングレンジで勝負したいロジャー。
下がり続ける消極性が、ジャッジに与える影響が気になるところ…。
このラウンド、お互いに明確なヒットはないまま…
ロジャーはほとんど手を出さないままに終わります。
特に右に関してはほとんど出さず…まるで拳にトラブルでも抱えたよう。
 

8R、ピネダが入ってくるところに強烈な左アッパーを合わせたロジャー。
その後も、圧力をかけてくるピネダに左フックを突き刺す場面はありますが…
右はピネダの突進を止める為に、軽く出す程度。

ラウンド終盤、ピネダの圧を止めきれずに右を振るったロジャー。
しかし、直後にピネダの不用意な左をもらってしまう。
 

9R、開始直後に強烈に右を突き刺したロジャー。
しかし、その後、やはり右は全く出なくなる。

ピネダが軽く頭を下げ、撃ち込むタイミングを探る…。
ロジャーの右の撃ち下ろしが最も生きる場面…。
ここで、手が出せないロジャーに対し…飛び込んでピネダが左フック。
衝撃音とともに試合が終了する。

何が起こったか把握できないほど唐突に、あっけなく横たわるロジャー。
数え上げられるテンカウント…虚ろな目で瞬きを繰り返し、目以外はピクリとも動かさないロジャー。

判定まで行くのが当然とも思えそうな静かな試合が迎えた、衝撃的な幕切れ…。
一撃KOで、IBF世界スーパーライト級王座をピネダが手中に収めます。
…静まり返る場内…観客も頭の中を整理するので精いっぱい。
 

時期を同じくして、ホープとして鳴らしていた、弟のジェフが
ソウル五輪代表のトッド・フォスター(米)に土をつけられる。
兄弟揃って苦難の時期を迎えます。
 
 

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