2018/11/25 -刈谷あいおいホール- 見どころ(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!

2018/11/25 -刈谷あいおいホール- 見どころ(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!

 

刈谷あいおいホールで、WBOアジア太平洋王座が争われる。
チャンピオン、リチャード・プミクピック(比)に挑むのは
中日本期待のホープ、森 武蔵(薬師寺)

日本のリングで強豪相手に2連勝を飾り、猛威を振るうピノイファイター。
世界ランクを所持するマニラの戦士に、若き少年が挑んで行く。
背筋がゾワゾワするようなメインイベントの前座もまた好カードの連続となる。

【フライ級4回戦】
鈴木 啓市(とよはし) vs 藤田 裕崇(名古屋大橋)

鈴木 啓市 デビュー戦

今年6月にプロテストに合格した鈴木がプロデビュー。
もちろんデビュー戦の為、初見。
前情報も見つけられず…。 

藤田 裕崇 デビュー戦

新興の名古屋大橋ジムから二人目のプロ選手。
早大ボクシング部で活躍。
同期にはデビュー前から注目を集め、ロサンゼルスでデビューする岩田 翔吉(帝拳)がいる。 

この時期のデビュー戦は来年の新人王戦の前情報として貴重。
春が来る前に発表されるトーナメント表をよりワクワクしながら眺める為には絶対に見逃せない。
前情報の見つからない鈴木と、大学で超強豪選手と環境を同じくして戦った藤田。
対照的な背景もまた、カードに面白みを付随させる。

【55Kg契約4回戦】
森泉 正巳(鈴鹿ニイミ) vs 永治 悟志(薬師寺)

森泉 正巳 14戦5勝(4KO)8敗(2KO)1分

デビュー以来の引分けを挟みながらの5連勝で中日本新人王に輝いた2013年。
以降B級のリングで8連敗を喫していた森泉が2年半ぶりのリングへ。
6回のリングで喫し続けた敗北。
長い時間を経て、4回戦から復帰する。
彼が活躍した当時の中日本を見ていない自分にとって、森泉の復帰は嬉しい限り。 

永治 悟志 デビュー戦

デビュー戦の為、初見。
前情報も見つけられず。 

デビュー戦の永治と、既に14戦を戦っている森泉とのカード。
経験という秤であれば、かなり釣り合わないカードにも思えるが…。
それだけ永治が有望株と言うことだろうか。
強い選手が集まって来るジムではある薬師寺ジム。
この選手も来年の新人王…どう絡んでくるか、期待して戦いぶりを確認したい。

【56.6kg契約4回戦】
高田 雅人(とよはし) vs 佐藤 康平(薬師寺)

高田 雅人 2戦1敗1分

デビュー戦ではこの日対戦する佐藤 康平と引分け。
佐藤の土俵である密着戦になりながらも、ドローに持ち込んだように見えた。

次戦では阿部 史也(タキザワ)と対戦して1RKO負けを喫した。
開始直後の左ストレートでダウンを奪われ、決定的なダメージを受けたうえでの敗戦。
この試合では何かをする前に試合が終わってしまい、高田の力は確認できず。
いったいどんなボクサーなのか、2試合とも見ているが、まだその全貌は見れていない選手と感じる。 

佐藤 康平 5戦1勝(1KO)3敗1分

佐藤独特の密着型ボクシングがスタイルとして板についてきている。
巧い選手ではないし、強い選手でもない。

しかし、その独特のボクシングをやりやすいと感じる選手はいないだろうと思う。
どんなに強い相手でも、嫌がらせるだろう佐藤のスタイルに、最近僕はハマり気味だ。
大きなフレームを駆使して相手を捕まえ、ドロドロの試合に引きずり込む。
徹底的に貫かれるそのスタイルに、「素人ファン殺し」という声も聞こえる。 

今年の中日本フェザー級新人王戦の準々決勝の再戦となるカード。
前戦では引分けで、優勢点で佐藤がその先に勝ち進んだ。
佐藤が自身のスタイルである密着戦に高田を引きずり込んだ前戦。
しかし、佐藤の土俵であるはずの密着戦で、高田は拮抗して見せた。

前回がそういった試合だったために、高田が変えて来るかどうか…。
佐藤は自分のボクシングを貫くタイプ。
高田がどう出るかで試合展開は大きく変わる…1Rの高田がどんな形を選択するか…注目したい。

【スーパーフライ級4回戦】
曽根 光輝(浜松堀内) vs 菅原 健太(名古屋大橋)

曽根 光輝 1戦1敗 サウスポー

昨年の新人王トーナメントでデビューした曽根。
プロ8戦目の堀井 翔平(トコナメ)を相手に3RTKO負け。
序盤に効かされたことで、ペースを握られたが、2R終盤にはペースを引き戻しかける展開を作った。
戦い続ける中で伸びていく姿を見たい選手…前回からの伸び率を確認したい。 

菅原 健太 1戦1勝(1KO)

名古屋大橋ジム期待のプロ1号選手。
デビュー戦の会場は菅原目当ての客がたくさんいた人気者。
試合はボディから崩しての4RTKO。
愛されている選手である菅原、期待を背負っての活躍に期待したい。 

この試合もまた、来年の新人王を占う意味で重要な試合に思える。
フライ級が混線するだろう来年の新人王戦。
下から上げてくる選手も何人か現れる可能性はあるが、
昨年のエントリーから顔ぶれに変化がなければ…。
優勝予想にこの試合の結果が大きく関わる可能性が高いように思える。

【フェザー級4回戦】
高瀬 衆斗(蟹江) vs 菅原 秀馬(市野)

高瀬 衆斗 8戦5勝(1KO)2敗(2KO)1分

昨年の中日本フェザー級新人王。拳法をルーツに持ち、真っ向勝負が魅力の選手。
前戦で連敗を脱出しA級昇格へ王手をかけた。
最近、敵地連戦となっている蟹江ジム。
格上に挑んで敗れる試合が続いており、ジムは前戦の高瀬の勝利以降、白星がない。
チームワークを標榜する蟹江ジムの選手、ジムメイトたちの為にも、絶対に勝ちたいところだろう。 

菅原 秀馬 6戦5勝(3KO)1敗 サウスポー

唯一の敗北は佐伯 瑠壱斗(岐阜ヨコゼキ)。OPBFにもランクされたことのある選手で
この秋には元日本王者を相手に善戦を演出している。
そんな佐伯との試合は4回戦のレベルを超えた試合とも言われた。
中村 祐斗(市野)とともに、三重の二枚看板を張れる力を持つ選手だと思っている。 

高瀬が出場した昨年の全日本新人王戦後…。
言葉を交わした菅原と高瀬はお互いに「戦いたい」と口にし、意識し合い…
菅原は高瀬との対戦を会長に直訴したそうだ。

一度は決まりかけた二人の対戦だが、高瀬に飯見 嵐(ワタナベ)との対戦が決まったことで一旦は流れる。
菅原は高瀬と同門の今田 雄大(蟹江)に判定で勝利して、「秋に高瀬との対戦」の約束を取り付ける。

お互いに対戦を望みあった二人がぶつかる。
殴り会う日を待ち続けた前途有望な二人が、この日…ようやく。

【60Kg契約4回戦】
横川 聡也(堺東ミツキ) vs 五十嵐 嵩視(トコナメ)

横川 聡也 22戦9勝(8KO)11敗2分

負け越し戦績ではあるものの、これは一時期に連敗を重ねたことが原因。
現在は4連敗から立ち直り、直近の3戦では2勝1分。
連勝を刻んで、OPBFランカーとぶつかる構図。
ランク奪取のチャンスに挑む横川…かなり調子がいいとの声も聞こえる…。 

OPBF東洋太平洋フェザー級13位
五十嵐 嵩視 16戦13勝(5KO)3敗

現在6連勝中。
体に刻み付けたようなコンビネーションを撃ち込んでいく選手。
多少被弾しても止まらないそのコンビネーションで相手を飲み込んでしまう強さがある。

父は極真空手の館長、弟は極真空手のジュニア世界王者。
五十嵐自身ももちろん極真の経験がベースとなっている。

現在日本ランキングは21位まで設定されており、ランキングに入る資格は
8回戦以上の試合で日本人相手に2勝以上、もしくはランカー撃破。
しかし…既に3勝している五十嵐だが、日本ランキングには入っていない。
フェザー級では17位までしか埋まっていないのだが…。

また、OPBF東洋太平洋でのランキングも、昨年にランク入りして以降、
2連勝しているにも関わらず11位から13位にランクが下がっている。

アピールしたいところで、西からの刺客。
かなり調子がいいとも聞こえてくる横川。
五十嵐は勝利してランキング上昇をアピールできるか…。

【フライ級8回戦】
冨田 真(HEIWA) vs ファイヤー 一休(三谷大和)

冨田 真 16戦8勝6敗2分 サウスポー

止まらぬフットワークでの出入りが特徴的だった冨田。
A級初戦となった前戦は撃ち合い続けて、勝利をモノにし、新たな一面を見せた。
これまで戦って来たライトフライ級から1階級上げての試合となる。 

ファイヤー 一休 8戦6勝(4KO)1敗1分

6連勝でA級に昇格したが、8回戦のリングでは1敗1分。
1分は不運な負傷判定によるもの。
前戦では、現在日本ライトフライ級12位に入っている多田 雅(TI山形)と対戦し、8RTKOで敗れている。

現在、ライトフライ級もフライ級も21位までは埋まっておらず。
冨田はこの試合に勝てば、日本ランキングに入る資格を手にする。
資格が手に入るだけで、実際のところランク入りするかと言われると
そうならない可能性も…が、チャンスには変わりない。

相手は東の有望選手…冨田が捌き切れるかどうか。
ランキングを求めるA級ボクサー同士の対決。
面白い構図の一つが、そのままカードに反映されている。

■WBOアジア太平洋フェザー級タイトルマッチ
【フェザー級12回戦】
リチャード・プミクピック(比) vs 森 武蔵(薬師寺)

WBOアジア太平洋フェザー級王者/WBO世界フェザー級8位/OPBF東洋太平洋スーパーバンタム級3位
リチャード・プミクピック 31戦21勝(6KO)8敗2分

初来日の相手は、のちに日本王者となる戸部 洋平(三迫)
この試合を引分けると、次の来日ではのちの世界王者である岩佐 亮佑が当時所持していた
OPBF東洋太平洋スーパーバンタム級のベルトに挑む。
この試合、岩佐が判定で勝利をもぎ取るが…プミクピックが勝っていたと言う人もいるほどの接戦。
松岡 輝(大成)にも敗北するが、その後、天笠 尚(FLARE山上)から
WBOアジア太平洋王座を奪い、注目ホープだった木村 吉光(白井・具志堅S)を相手に初防衛。
勇敢なフィリピンの選手が、日本のリングで暴れまわっている。

WBOアジア太平洋フェザー級10位/OPBF東洋太平洋スーパーフェザー級8位/日本スーパーフェザー級11位
森 武蔵 7戦7勝(5KO) サウスポー

昨年、全日本新人王を獲得してランク入りすると、今年に入って2連勝。
前戦では比国王者だったアラン・バレスピン(比)との接戦を制し、勝負強さを見せた。
まだ18歳の森 武蔵、勝てば日本人としてWBOアジア太平洋フェザー級の最年少獲得記録ともなる。
モンスターレフトの異名を持つ左は多彩であり強烈。
森を知る誰もが、森の練習量の凄さに下を巻く…。
究極の努力型選手…とも思える。 

デビュー時から連戦連勝の森…勝負の試合が2試合続く。
これに勝って世界ランクを手に入れたいところだが…。

相手のプミクピックは世界ランカーに相応しい実力であることを既に日本のリングで証明している。
ラフな突進に、森がどう対処するかもまた、興味深いところ。
日本のリングを喰い荒らしているプミクピック…止めるのが森であることを願っている。

 

【カテゴリ別】
2018年中日本ボクシング観戦記一覧に戻る

中日本ボクシング観戦記一覧一覧に戻る

カテゴリ別記事一覧に戻る

【日付別】
【記事一覧】2018年11月に戻る

【記事一覧】2018年に戻る

【記事一覧】に戻る

各選手の戦績はこちら。
ボクシング選手名鑑

コメント

タイトルとURLをコピーしました