灼熱の渡嘉敷 張正九(韓)④ ボクシング選手名鑑ピックアップ! 2016/02/17

灼熱の渡嘉敷 張正九(韓)④ ボクシング選手名鑑ピックアップ! 2016/02/17
 
 

さて、本日はチャン・ジョング(韓)の4日目。
伊波 政春(協栄河合)協栄 トーレス(協栄)ソット・チタラダ(タイ)…と3度の防衛を飾ったところ。
4度目の防衛戦からですね。
 
 

相手は、同級のWBAのベルトを失って挑戦してきた渡嘉敷 勝男(協栄)
コリアンキラーとして韓国でも知名度がありましたが、
この頃既にジョングは韓国ボクシング界のエース。
圧倒的にジョング有利の予想が立ちます。
 

1Rから攻めて出る渡嘉敷。
いきなり展開された猛烈な撃ち合いで、見栄えがいいのは渡嘉敷。
カウンター気味にバンバン渡嘉敷のフックが決まる。

しかしそこはジョング。
撃ち合いは望むところとばかりに、コーナー近くでフックの撃ち合いへ。
もらったパンチはジョングが多く見えますが、ダウンしたのは渡嘉敷…。
お互いの左フックが相撃ち気味に決まったところで膝を突く。
ジョングの撃たれ強さは驚異的。
 

2Rの撃ち合いでもダメージを引きずった渡嘉敷が不利な形。
 

しかし3R、ステップを踏んでジョングの周りを回り始めた渡嘉敷。
これまで幾人ものアウトボクサーを沈めて来たジョング…ですが渡嘉敷は勝手が違った。

アウトボクシングというにはかなり近い距離でのサークリング。
ミドルレンジより近い位置を維持しながら、手を出せば当たる距離で旋回します。
この戦法にジョングが撃ち負ける。
特にボディはかなり効いたよう。
 

4Rの撃ち合いも互角以上に展開…していたはずが、やはり差を分けた撃たれ強さ。
ラウンド後半になると鈍った渡嘉敷に連打を浴びせるジョング。

5Rも同じ展開…。
ジョングより数多くのパンチを放り込みながら、最終的に足元が定まらないのは渡嘉敷。

6Rからはジョングが足を使い始め…すると渡嘉敷、成す術なく一方的に撃たれ始めます。
7Rには効かされて後ずさりながらいくつもの強打を浴びますが、朦朧としながら撃ち返し…ダウンを拒否。
するとこの直後、チャンスが訪れます。

8月18日という夏真っ盛りのこの日、記録的な猛暑を観測した韓国。
試合会場は30度近い気温。
7Rで試合を決めようといくつもの強打を放ったジョングはスタミナ切れ。
クリンチを振りほどこうとしたタイミングで力なくリングにへたり込むほど。
 

ジョングが疲弊しきった9R、揉み合いの中で放たれたジョングの右ストレート。
渡嘉敷がグラつきます。
千載一遇のチャンス、効いたと見るや、ここを逃すかと7Rと同じような展開で再びラッシュ。
このラッシュを渡嘉敷が乗り切れば…ジョングのガス欠は必至…。

防戦一方になった渡嘉敷ですが、ダウンすることはなく…。
 

しかしここでレフリーが割って入り試合をストップ。

9RTKOでジョングが薄氷の勝利をもぎ取ります。
試合後、ストップが早いと漏らした渡嘉敷。
あと一歩及ばず…。

ジョングの撃たれ強さも相当なものですが、渡嘉敷の回復力にも驚愕します。
各ラウンド終盤には足元が定まらなくなっていても、次のラウンドでは全快でスタートしてた渡嘉敷。
渡嘉敷がこんなに強かったなんて…。

勝利したジョングの喜びようや会場の盛り上がりは、世界を獲得したサパタ2戦目以来。
TKOに至るまでのポイントでも差がついた試合ではありましたが、
負けたサパタ1戦目を除くと、ここまで明確に苦戦したのは初めてかもしれません。
韓国の年間最高試合に選ばれた激戦でした。

ちなみに、この試合後、脳にダメージが確認された渡嘉敷は引退。
日本のボクシング界は、この時まだ24歳だった有望な元世界王者を失うことになります。
 
 

5度目の防衛戦では倉持 正(角海老宝石)を迎えて。

サークリングする倉持を狙い撃ちするジョング。
コーナーに詰めては何度も何度も強打を撃ちつけ、倉持のパンチはほぼもらわず…。

…というか倉持の手がほとんど出ない。
出すとカウンターが飛んでくる…手詰まりになった倉持は
ひたすらジョングの強打をもらいながら…リングを旋回し続ける。

ダウンがなかったのが信じられないような展開でフルマークの判定勝利。
ダウンなしでは最大17R差という驚異的な点差ですが、それも納得できる圧倒的な勝利でした。
 
 
 

6度目の防衛戦は、2度目の防衛戦で破った協栄 トーレスとの再戦。
大関 トーレス(協栄)と名前を変え、2度目のジョング戦に挑んで来ます。

再戦はいつも難しいもの。
トーレスが前回の対戦を踏まえてどういった対策を練ってくるか…。
…と思いきや、トーレスが見せたボクシングは前回と同様。
自分のボクシングを信じての再アタックというわけです。

前回と少し違うのは、クリンチ際のラビットパンチや
プッシングに対してレフリーが頻繁に注意を与えたこと。
これによってクリンチ際の攻防は激減し、トーレスは本来のアウトボクシングを展開。
しかし素早い踏み込みはジョングの武器。

トーレスのアウトボクシングとジョングの踏み込み…これは互角の戦い。
トーレスが前に足を進める場面では、インファイトで分が悪く見えてしまうジョング。
しかし時折効いて後ろに下がるトーレスに連打をまとめ、近い距離でも互角に持ち込む。
 

動いたのは後半の11R。
バランスを崩したところでタイミングのいいパンチをもらったジョング。

躓いたようにリングに崩れます。
しかしこのダウンはスリップ判定。
ダウンを取られてもおかしくない場面。
レフリーがスリップと判断したのが解ると、息をのんだ客席から拍手が漏れるほど。

結果、判定は2-0でジョング。ポイント差は0~2P。
11Rがダウンと取られていれば、王座が交代していた可能性もある接戦でした。

レジェンドのジョングが守る王座に極めて迫ったトーレス。
世界戦6戦1勝5敗…そんなトーレスが名王者に数えられる理由がこの試合にあります。
 
 

 
 
 

7度目の防衛戦は、メキシコから日本へ渡ったテクニシャンのセンダイ・モンティエル(新日本仙台)

サークリングしながら軽打を集めるモンティエル。
しかし、アウトボクサーを追い詰めるのはお手の物。
ジョングは前半、連打を集めてモンティエルを圧倒します。

しかし中盤に入り、モンティエルが軽打から拳に力を込めるようになると、形成が若干盛り返され…
後半に入ると、試合はガラっと変わります。

どんな試合でも、どんな選手でも後半になれば動きが鈍るもの。
まったく動きの落ちないモンティエルはどんどん試合を盛り返し…
その差がさらにジョングを疲弊させていく…
後半勝負を目論んでいたか…。

完全にスタミナ切れを起こしたジョングは、クリンチに逃げます。
相手が休みたいクリンチは振りほどいてしまうジョング。
ジョングの試合でクリンチが頻発する場合って、ジョング側がクリンチを求める場合がほとんど。

ひたすら…ただひたすら試合終了のゴングが鳴るのを待つように、飛び込んでしがみつき。
11Rにはジョングに減点が与えられるほど。
二人がもつれ合ってリングに転がるシーンも複数回。

結局なんとか12Rを乗り切ったジョング。
前半の貯金で3-0の勝利。
最小わずか1P差の接戦で試合をもぎ取ります。

世界ボクシング殿堂にも入っているレフリー、チャック・ハセットのため息も印象的な試合。
不格好ながらジョングがベルトを守りきった形でした。
 
 

渡嘉敷、トーレス、モンティエルと苦戦したジョング。
8度目の防衛戦ではホルヘ・カノ(メキシコ)を無難に判定で下したあと、
接戦を演じた二人と、決着戦を行うこととなります。
 

今日はここまでで一旦切ります。
次戦は9度目の防衛戦から。
 
 

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