よくも悪くも亀田時代(コラム) ボクシング選手名鑑ピックアップ! 2016/02/01
今日のタイトル「よくも悪くも亀田時代」…これはボクシングビートの12月号で使われていた見出し。
これほどしっくりくる見出しはなかなか無かった。
ライターさん、流石と唸らされちゃった。
これまでこのブログを読んでいただいた方はとうに気付いていると思いますが、
僕は亀田擁護派と言われることがしばしば…。
亀田擁護の内容をネットに書き込んで叩かれたこともあります。
坂田 健史(協栄)やアレクサンデル・ムニョス(ベネズエラ)がロートルの一言で片づけられてしまったり、
地域タイトルに何度も挑んでる中南米の選手が一発逆転を狙って亀田に挑む試合が、
噛ませ犬の一言で片づけられてしまったり…。
フアン・ランダエタ(カシミ)の判定が、地元判定だと大袈裟に騒ぎ立てられたり…。
我慢ならなかった…大人げない…。
何故亀田がスターダムをのし上がったのか?
まずはここから…。
三兄弟での世界獲得は偉業だし、曲がりなりにも三階級を獲った。
要素としては充分だとは思う。
デビュー当時からスパーリングで日本王者に全く触れさせないアウトボクシングを披露し、
ビッグマウスとは裏腹な老獪なテクニック(反則でベルトを手に入れ損なうポカはあったが…)ではあったが
世界ランカー達を相手に10年以上、一定の水準を保って戦い続けていた…。
これも要素としては充分。
多数のファンがそうであるように、ただし…である。
僕はもろ手を挙げて亀田万歳ではない。
「亀田より熱中できるボクサーはいくらでもいる。」
この意見においては多くのボクシングファンの賛同を得られるのではないかと思っています。
世間一般は亀田…亀田…。
そんなことよりクレイジー・キム(ヨネクラ)に世界戦させてやれよ!
日本タイトルマッチ…見逃せないカードがあるよ!
何で他のボクサーまで弱いとか言われなきゃいけないんだよ!
そんなフラストレーションを抱えたボクシングファンも多かったはず。
そこは僕も同じです。
ただし、なぜ僕が亀田擁護派となってしまうような論調をネットに晒してしまうのか?
それは彼の全てを盲目的に批判することで、世界チャンピオンベルトの価値まで見えなくなってしまうのでは…
という杞憂から。
亀田 興毅が三階級制覇にふさわしいボクサーだったか…。
これは未だにネットをにぎわす議論の対象だったりします。
まず、事実として亀田 興毅が三階級制覇を達成した。
これは認めないといけないことだと思うんですね。
正規のルールに従って獲得したベルトなんです。
ランキング操作、指名戦の回避…など様々言われてますが、それは外野の想像(疑惑)の範囲でしかなく、
管理団体の敷く正当な手続きやルールの元に3階級のベルトを手に入れたわけです。
僕はチャンピオンベルトの価値を作るのは、それをたたえ、認めるファンだと思うんです。
4本に増えようが、暫定が乱立されようが、ファンが受け入れられるかどうか…だけなんですよ。
僕たちファンがチャンピオンベルトを過小評価すればするほど、その価値は薄れてしまう。
確かに、ベルトが増えることで、世界一強いワケじゃなくても世界王者にはなれてしまう。
しかし、その階級の頂上決戦で無かったとしてもベルトを入れれば人生が変わる、貧しい生活が一変する。
そのあたりは何の変りも無く、ボクサーたちのベルトが欲しいという思いは変わらないわけで…。
(特に発展途上国の選手たちは…)
過去にもベルトの価値は階級が増える度に取り沙汰されましたが、ファンが慣れればそれも収まります。
スーパーがつく階級(ジュニア階級)の世界王者に価値が無いなんていうファン…
今はもうほとんどいないですよね。
10年以上前からメジャータイトルは4つあり、2つのタイトルしか認めていなかった日本でも、
最近になって4つのタイトルを世界王者と認めるようになった。
それまでは、IBFやWBOに最強の世界王者がいれば、その選手と日本人が戦うなんて0%に近い状態だった。
しかし今はその可能性に胸をワクワクさせることができる…。
僕はいいことだと思うんですよね。
選手や歴代の世界王者達が、命を賭けて手に入れようとしたベルト。
それを獲得した選手を、おいそれと弱い、面白くないなどとは言いたくない。
僕の亀田擁護はそういった思いから来ています。
亀田という普通のボクサー(3階級制覇している時点で普通ではないですが、ここはあえてそう書きます)の
背景や戦ってきた経緯、それにいくらかのデコレーションをすることで、亀田は他のボクサーが
どうあがいても手に入れられないような認知を得てしまった。
これはね、他のボクサーでも全然できることで、その選手の背景や辿ってきた道のり…これを知るだけで、
ファンになっちゃう人って沢山いると思う。
ただそれに触れる機会がなかなか無くって、一般的には“知られていない…”だけであって。
知られれば人気の出るボクサーなんていっくらでもいるんです。
川崎 タツキ(草加有沢)のように元ヤクザだったり、
亀田三兄弟のように兄弟三人が世界に届くボクサーだったり…
いわゆる“珍しい選手”だけが世間の認知を得ていく…まぁ、当然なんですけどね。
でも珍しくなくたって、その選手の歩んできた道が面白くないとは限らない…というか面白い!!!
世界挑戦する選手はね、TVでこれまでの道のり紹介してもらえますけど、それも数分じゃないですか…。
世界に挑む選手の歩いた道のり…そんなに薄っぺらくないから!
海外の選手だってマリオ・ロドリゲス(メキシコ)なんて日本国内での認知は
高山 勝成(仲里)がIBFのベルトを獲得する時に戦った、いわば斬られ役でしかない。
…というかボクシングそこまで詳しくない人は、誰それ?…でしょ。
彼が王座獲得までに連続して演出したアップセット…。
噛ませ犬と目されていた彼が、噛みついていった経緯がもし世間一般の知るところになっていれば、
後々、「面白いボクサーだったよね」ってなってもおかしくないわけじゃないですか。
圧倒的に勝ち星を先行させていたボクサーが突然の引退。
期待のホープが、怪我を境に星を喰われる側の選手に回ったり、
負けても負けてもなおランカーに挑み続けるランク外のA級ボクサーがいたり…。
そんなよくあることでさえ、クローズアップすれば、とっても面白い内容になると思う。
本当はこのブログでそういうことをやりたいんだけど…
主に文章力の無さが響いて、やれてるか…って言われるとちょっと。
誰かその道のプロの人なんとかしてくんないかな…。
ボクサーがリング上でショーとして晒すのは、彼らの人生の大きな一部。
それを楽しませてもらっているファンとしては…。
彼らが目指すものの価値を損なうような物言いは控えたい…。
そんな思いなんです。
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