アマボクは一回見とけ!(コラム) ボクシング選手名鑑ピックアップ! 2017/02/06
今日はアマチュアボクシングの話題…
特に推したいのは、大学リーグ戦。
…団体戦である。
ボクシングは個人競技…そんな固定概念を覆して団体戦にはチームワークが加わる。
ボクシングとは、ある意味メンタルスポーツだったりすると思う。
行くべき時に行けるか、引くべき時に引けるか…
瞬時の判断に、精神的な面はもろに影響し…
そしてのその一瞬が試合を決める。
何も一撃KOだけがそういった類の試合ではない。
…たった一発のパンチが警戒心を植え付け、その後の展開を大きく左右したり、
コンマ数秒の間に受けたダメージが判定決着の勝敗を決めたりする。
個人競技…しかし、精神面が大きく影響するボクシングは
団体としての声援の影響がある試合も多くあるのだと思う。
両大学の声援が飛び交う大学リーグ戦。
こんな熱気はプロの試合にはない。
アマチュアの試合では試合前の光景もまたプロとは少し雰囲気が違う。
選手同士がミットを持ち合う姿から、
アマ歴の長い選手がパーリングに長けている理由を知る。
さらに、トーナメントを見れば、実力差があっても否応なく試合が組まれ…
はっきりと1位が決まる仕組み…
欠点と言えば、ラウンドが短い分、ジャッジの採点に違和感を感じやすいことがある。
3R制のため、1R逆につければ、自分の感覚とは勝敗が入れ替わってしまう。
さらに、痛烈なダウンもたった一発のパンチとしてポイント反映される。
そういった違和感はあるものの…
しっかり入らなければ、打撃としてカウントされなくなったことで
火の出るような撃ち合いも多くなった…。
”触ればポイント”などとアマを揶揄する言葉は、もうただの知ったかぶりになってしまっている。
3Rにギュッと凝縮されたアマチュアボクシング。
たった9分間でトップアスリートがズルズルに疲弊するペースは
プロボクシングが霞んでしまうほどのハイテンポ。
中身が濃すぎて、その3分間はプロ以上に長く感じる。
日本人では井上 尚弥(大橋)が最強なんて思っているファンが多いだろうけど…。
同時期の完成度を見れば…堤のほうが上じゃないか…。
そんなアマボクファンの言葉にうなずけてしまう。
逸材がわんさか転がっている。
「なぜプロに行かないか?」
「その質問はプロの世界王者に、なぜK-1に行かないのかと言っているのと同じこと。」
アマボクに生涯をささげる選手も数多くいる。
そもそも、ワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)も
アマボクに生涯をささげる選手の一人と目されていた…。
彼はプロに行かず…プロボクシングのファンからは無名のまま終わるはずだった男なのである。
彼はアマでも飛びぬけており、彼と同等の選手がたくさんいるとは言い難いが…
…ロマチェンコほど飛び抜けていなくとも、
プロに行ってしまえばスターになるだろう選手はいくらでもいる。
祖国へ金メダルを…
オリンピックこそ人生最高の目標…
プロになる為には犯罪者にならなければならない(亡命)…
母国にはプロになるルートがない…
プロに魅力を感じない
トーナメントが気に入っている
さまざまな理由でアマにとどまる選手たちがいる。
もちろん、アマが肌に合わないファンもいるだろう…
しかし、一度見てみてほしい。
“アマチュアなんて迫力のない当てっ子ゲーム”
そんな先入観を覆されたファン…
まさに僕自身がそうだったりする。
プロ>アマ …なんて先入観を持つのは、一度見てからにしてほしい。
大学リーグ戦、一部リーグに登場する選手は、
すぐにでも日本ランカーになっておかしくないレベルの選手もごろごろいると思う。
逸材探しの目線もよしだが…そこにかける男たちの放つ熱気は、
プロもアマも変わりなく、「ボクシング」だと感じさせてくれる。
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