2019/07/20 -愛知・刈谷市あいおいホール- 見どころ(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!

2019/07/20 -愛知・刈谷市あいおいホール- 見どころ(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!
 
 

さて、いよいよ1週間後からは中日本ボクシング夏の陣!

ここを皮切りに、8月の中日本新人王決勝戦、さらには田中 恒成(畑中)の世界戦が控えます!
敵地で伊藤 仁也(三河)太田 卓矢(とよはし)矢吹 正道(緑)といった
A級ボクサーたちが結果を残し、勢い付く中日本。

久々の松田スーパーファイトは期待のホープたちが濃厚なドラマを魅せつける。
この夏、最初の中日本興行はそれぞれが次に向かうための重要な試合が並んでいます!
 
 

【56.0kg契約4回戦】
甲斐 貞行(HEIWA) vs 森泉 正巳(鈴鹿ニイミ)

甲斐 貞行 3戦2敗(1KO)1分

豊島 竜樹(伊豆)、太田 奏人(中日)、中野 精(杉田)…
好選手と対峙し続け、デビューから3戦未勝利。
前戦では2年近くのブランクを経てリングに戻ってきたが、
たったの一発のパンチで勝敗が決した。

好選手に思えるだけに、あとは結果…。
 

森泉 正巳 15戦5勝(4KO)9敗(3KO)1分

2013年の中日本新人王。無敗でB級に駆け上がり、
B級1勝を記録しているものの、壁にぶつかり8連敗。
一時はリングから遠ざかり、2年以上のブランクを作ったが
昨年4回戦で復帰…復帰戦では9つ目の黒星を付けられている。
 
 

お互いにブランクを作った事のある二人。
お互いに勝利が遠い二人。
そして…お互いにあきらめない二人。

頂点を争う試合ではない、輝かしい才能に胸をときめかせる試合ではない。
しかし…戦う男二人の「強さだけではないボクシングの魅力」が凝縮された試合。
この日は激熱のオープニングカードとなっている。
 
 

【ミニマム級4回戦】
小島 蓮(江見) vs 後藤 圭人(タキザワ)

小島 蓮 3戦1敗2分

岡山県津山市の江見ジムから中日本のリングに登場。
地元岡山のリングで2分、敵地のリングで1敗を記録している。
有望ボクサーを何人も輩出している、ボクシング強豪地域とも言える岡山県。
地方ボクサーの雄姿を目撃したい。
 

後藤 圭人 2戦1勝1分

デビュー戦では今年の中日本新人王決勝にコマを進めた田中 蓮志(トコナメ)を相手にドロー。
2戦目はこの日戦う小島の同門、須藤 凪(江見)を相手に敵地での初勝利を挙げている。
来年の新人王戦、期待の逸材…。

今年の中日本ミニマム級新人王決勝に進んでいる丁野 拓海(中日)の来年の参戦がなければ
堂々の優勝候補に数えられる選手だと感じている。
地元初勝利で、存在をアピールできるか。
 

同門、須藤の仇討ちマッチの構図もあるこの試合。
岡山のリングと刈谷のリングの交流は、最近、他地区に比べて盛んにも感じる。
地区対抗的な色合いもあり、様々な角度の楽しみ方が見える試合。

さらに、来年の中日本新人王戦を楽しむ意味では後藤 圭人の存在は無視できない。
この選手、要注目!
 
 

【56.0kg契約6回戦】
干場 悟(蟹江) vs 溝越 斗夢(緑)

干場 悟 8戦5勝(2KO)3敗

デビュー2連敗から、2017年の中日本新人王に駆け上がった、柔らかいインファイター。
西軍代表戦で敗北し、その後1勝を飾ると、引退を宣言してリングから消えていた。
しかし、移籍を経てこの試合で復帰。

僕は生粋のファイターとしては、現在の中日本No.1にテル のび太(緑)を挙げているが…
干場が帰ってくるなら話は別。

どんな相手もファイトに巻き込んでしまう、怒涛のファイトが帰ってくる!
 

溝越 斗夢 6戦4勝(2KO)1敗1分

血気盛んなヤンキー系の人気者が登場。
抜群のカウンターセンスを持ち、カウンターパンチャーにありがちな
見過ぎる癖は負けん気の強さで補ってしまう。

ここまで、予想不利の試合を覆し続けてB級昇格。
シビアなカードを勝ち上がってのB級という意味では特筆すべき選手の一人。
 
 

お互いにB級初勝利を目指す試合、相性は干場絶対有利に思えてしまうが…。
干場の土俵で戦わざる得ない場面が訪れるはず…その時、溝越がどんなファイトを見せるのか。
それとも…突撃してくる干場を溝越が切って落とすこともあり得るのか…。

ファイターvsカウンターパンチャーという、解りやす過ぎる試合の魅力。
この先、注目選手になるべき干場復活のリングに立ちはだかるのは
下馬評不利を覆し続けてきた溝越。

ドラマも、そして試合自体の魅力も申し分ない一戦!
 
 

【バンタム級6回戦】
松浦 克貴(岡崎) vs 高井 一憲(中日)

松浦 克貴 8戦5勝(1KO)3敗

無敗で4回戦を駆け上がり、中日本新人王を獲得、そのまま全日本新人王決定戦まで勝ち進んだ。
全日本新人王戦に敗北した松浦に用意されたのは、中日本新人王対決。
同じ年、一つ下の階級で圧倒的に勝ち上がった近藤 冬真(蟹江)と対戦し、ダウンを奪いながらも敗北。
さらに、次戦では日本ランカーの矢島 大樹(松田)に敗れている。
B級の壁と言うには高過ぎるハードルを課せられて3連敗中。
 

高井 一憲 13戦6勝(3KO)5敗2分

3度目のチャレンジで中日本新人王をようやく獲得。
高井に負けたオーソドックスは「左が見えなかった」とコメントすることが多く、
不利な試合展開でも、その一撃を振り抜いて展開をひっくり返してしまう。
元々の武器、硬質な拳に加え、負けを重ねながら手に入れた「見えない左」で勝ち上がった。
 

リズムとポジションが高井の生命線。
距離の選択権をつかんだら離さない松浦。
勝負としての魅力はエグい。

2017年の中日本新人王に輝いた二人が共に三連敗中。
力はあるもののB級昇格後、苦しむ二人がサバイバル。
ここでどちらかが負けなければならない…充分にA級でやれるはずの二人が、
B級で4連敗を刻む事となる残酷なカード。

勝者が得るものは大きいだろうと感じるが…
見る側にとっては大き過ぎる勝敗のコントラストに、胸が苦しくなる試合となりそうだ。
 
 

【スーパーウェルター級6回戦】
松井 敦史(薬師寺) vs 美柑 英男(渥美)

松井 敦史 6戦4勝(4KO)2敗

昨年、全日本新人王戦まで駆け上がった、中日本期待の新鋭はデビューが遅く36歳。
来年1月にはボクサー定年の37歳を迎える事となる。
全試合1RKOでB級まで駆け上がったものの、全日本新人王には届かず。
前戦では距離を潰されてよもやの敗北を喫した。

タイムリミットまであとわずか…松井がどこまで辿り着けるだろうか。
日本ランカー以上は除外となるボクサー定年、ここから半年…
チャンスに辿り着くにも、勝利を手に入れたい試合。
 

美柑 英男 23戦8勝(2KO)13敗2分

2013年の西日本新人王。
A級では6戦6敗と結果が出ていないが、中身のカードを覗けば相手はチャンピオンクラスばかり。
西田 光(川崎新田)井上 岳志(ワールドS)淵上 誠(八王子中屋)細川 チャーリー忍(金子)
錚々たる名前が並んでいる。
 
 

B級のリングで2戦2敗の松井と、6回戦のリングでの勝敗は3勝3敗1分の五分の記録を残している美柑。
トータルの戦績では松井の優位に見えるものの、対戦相手のグレードやプロのリングでの
経験(試合数)は美柑が圧倒的に上回っている。

勝ち星を稼ぐために敵地に呼ばれた選手ではないと感じる美柑。
松井のドラマの前に、難敵が立ちはだかる。
 
 

【フェザー級8回戦】
竹嶋 宏心(松田) vs ジョンジョン・エストラーダ(比)

WBOアジア太平洋フェザー級14位
竹嶋 宏心 3戦3勝(3KO)

高校時代からアマチュアの国内線戦でトップ選手として活躍した竹嶋。
101戦82勝19敗の記録を残してプロのリングにやって来て3連勝中。

前戦ではWBO-APランカーを撃破しランキングを手に入れるも…
「勝負はまだまだ先」を感じさせる圧倒振り。
まだ、プロのリングで見合う相手には出会っていない。
 

WBOアジア太平洋フェザー級2位
ジョンジョン・エストラーダ 18戦11勝(10KO)6敗1分

これで日本のリングには2度目の登場。
前回の来日時は圧倒し続けた上での7RKO劇で勝利を飾っている。

直近2戦はロシアのリングに呼ばれて連敗中ではあるが、相手は世界上位ランカーと
今後世界ランクに食い込んで来るであろう無敗ホープ。
この試合に勝利すれば、世界ランク獲りの再チャンスに一気に近付くチャンスでもある。
 
 

竹嶋はここまでの3戦で見合う相手に出会っていない…とは言え、
ここまでジャンプアップするかという驚きを感じる4戦目。
プロへのアジャストもまだ見せられていないまま、アジアの強豪と相まみえる。

WBOアジア太平洋フェザー級王者には、同じく中日本のリングで活躍する森 武蔵(薬師寺)
竹嶋は森との対戦を希望する声を上げたこともある。

この試合に勝てば二人の距離は一気に近付く試合ではあるが…。
追いかける竹嶋に立ちはだかる相手は、簡単な相手ではない。
本気で…森を狙うのか竹嶋。
 
 

【51.5kg契約8回戦】
畑中 建人(畑中) vs トマス・トペ・フレク(インドネシア)

WBCフライ級ユース王者
日本フライ級6位/OPBF東洋太平洋フライ級15位/WBOアジア太平洋フライ級8位
畑中 建人 8戦8勝(8KO)

第13代WBC世界スーパーバンタム級王者畑中 清詞(松田)の息子として注目を集める。
日本ランキングやWBCフライ級ユース王座のベルトを奪いながら、デビュー以来8連勝。
父親譲りの伸びる左を武器に、着実にその力を伸ばしてきている。
 

トマス・トペ・フレク(インドネシア) 7戦3勝(1KO)3敗1分

タイトル獲得経験はなしだが昨年、タイでABFアジアミニマム級王座に挑み
サタンムアンレック・CPフレッシュマート(タイ)と対戦。

サタンムアンレックは先月、京口 紘人(ワタナベ)のWBA世界ライトフライ級スーパー王座に挑んだ選手だ。
本名のタナワット・ナコーンと表記されることが多い。

付けられた異名の「topan」は台風を意味している。
インドネシア国外のリングでは2戦2敗と未だ未勝利。
 
 

順調にA級へと昇格し、多くのランキングも上昇してきた畑中。
勝負所はどこになるのか…それを見極めるような試合かと思っていたが…。
なんとこの1か月後に世界ランカー挑戦が組まれている。

ビッグチャンスが控える中、負けどころかケガも許されない試合。
この試合は、来月の畑中の勝負をゴールとした序章の試合。

無傷で勝つことがベスト…、勝って当たり前を越えるプレッシャーもかかるだろう。
しかし、畑中が目指す、親子二代世界王者…辿り着こうとする先には
さらに大きなプレッシャーが待っている。
畑中の器が試される…そんな試合でもあるように思う。
 
 

【56.7kg契約8回戦】
水野 拓哉(松田) vs ロリ・ガスカ(大阪帝拳)

OPBF東洋太平洋スーパーバンタム級5位/WBOアジア太平洋スーパーバンタム級8位
日本スーパーバンタム級13位
水野 拓哉 18戦16勝(14KO)1敗1分

中日本で田中 恒成(畑中)の次にチケットを売る男。
その強さ、抜群のKO率と倒しっぷりに凄まじい人気者となっていた水野。
東の何人もの有望選手に土を着ける道のりもまた、彼の人気を創っていたが…。

順調に駆け上がる中、トラブルから日本ユース王座も返上した。
失ったものは決して少なくはないが、3月に復帰戦を飾り、
この日、シビアな相手を迎え、メインイベントのリングに帰ってくる。

強烈なボディブローから顔面を襲う右ストレートは逸品。
 

ロリ・ガスカ 34戦25勝(8KO)8敗1分

元OPBF東洋太平洋バンタム級王者。
中日本から東洋王者となった大橋 弘政(HEIWA)からベルトを奪った選手だ。
日本のリングでは3勝2敗1分。
しかし、2敗は小國 以載(角海老宝石)、1分は下田 昭文(帝拳)と、いずれも世界のベルトを巻く選手。

一時はリングを離れ、大阪帝拳で辰吉 寿以輝(大阪帝拳)のトレーナーを務めていたが
中日本で急激に頭角を現した菅原 秀馬(市野)を相手に、三重のリングで電撃復帰。
選手寿命の延びた昨今、衰えを口にするにはまだ早い30歳。
大阪帝拳所属として日本のリングでもう一度勝負する。
 
 

三重のリングで復帰したガスカは、過去より巧く、
見方によっては全盛期以上に厄介な強豪になっているようにも感じた。

強烈なボディから顔面への右ストレートをぶち込んでのKO劇を幾度も演出してきた水野。
しかし、ガスカは上への攻撃を柔らかなボディワークでいなす分、
ガードの位置は低い場所にあり、ボディの撃ち所は少ない。

肩書的にはノーランカーであり強いが勝っても得られる見返りは少ないガスカ。
本来なら避けられてしかるべき存在だが…水野がここで、ガスカとの試合をする…。

肩書やランキング以上に、手に入れるべきもの。
それは、客席に「強い水野」が帰って来た事を示す事。
固められた覚悟が感じられるようにも思える。

こういう試合を勝って来たからこその水野。
本当の意味で、名古屋のスター選手が帰って来るのか否か、水野は未だ水野であるのか。
この試合に答えがあるように感じる。
 
 

 

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