足止めから世界獲得へ カオサイ・ギャラクシー(タイ)② ボクシング選手名鑑ピックアップ! 2015/12/01

足止めから世界獲得へ カオサイ・ギャラクシー(タイ)② ボクシング選手名鑑ピックアップ! 2015/12/01

さ、本日はカオサイ・ギャラクシー(タイ)の2回目!

国内タイトル戦で同門対決に敗れてから12連続KO勝利を飾ったカオサイ。
レコードは19戦18勝(17KO)1敗。

国内にやってくる海外選手をリングの上にコロコロ転がし、
わずか2年半でこれだけのレコードを積み上げます。
国際式転向が20歳の頃なので、これだけのレコードを誇っておきながらこの時点で22歳。
特にイバネスを破った星は大きく、注目を集め出します。

ちなみに国内だけでこれだけ海外の選手とやるってすっごいお金かかってるはずです。
特に為替レートの低いタイ。よっぽど見込みのある選手か人気選手じゃなければここまで出来ないのが常。
だいぶ初期の段階で、タイ国内では世界を獲れるという認知があったのでは…と。

まぁ、あれだけの強さを誇った選手ですから、当然と言えば当然なんでしょうが…。
ムエタイで通用しなかったカオサイ、どこのタイミングかははっきりしませんが
気が付けば国際式の期待選手に変貌しているわけです。

さて、次の20戦目に戦ったのが、パク・チャンヨン(韓)
のちの第20代WBA世界バンタム級王者。
この頃は全勝のホープ。
ようやく連続KOを止めますが、カオサイの勢いを止めるには至らず。
判定でカオサイに敗れます。 

このあたりで突然カオサイの対戦相手が安全運転になります。
ちょうどこの頃に同国のパヤオ・プーンタラット(タイ)がWBCのベルトを獲得し、
世界挑戦が現実味を帯びてきたところ。
しかし、WBA王者の渡辺 二郎(大阪帝拳)と、WBCのパヤオ…
のちに実現する王座統一戦に向けて両者が交渉に入ってしまい…

同国王者が統一戦を行おうとしているところに割って入るわけにもいかず、
カオサイは順番待ちをさせられることとなります。 

この時期の安全運転は、二人の交渉が難航する間、万が一の躓きを避ける方向に舵を切ったといった感じ…。
強いだけじゃ世界は獲れない…そんな痕跡がカオサイのレコードに残されています。 

ギル・ラガス(比)
デビュー戦で引分け後、4連勝。まだ6戦目の若手選手です。
ラガスにとってはチャレンジマッチというところでしょうか。
7RTKOでカオサイ勝利。

不知火 丈(角海老)
レコード初期は連戦連勝だった不知火も、この頃は負けが混んでいた頃。
4RTKOでカオサイ勝利。

オム・チェソン(タイ)
名前から行くと韓国系の選手なんですが、国籍不明。
BoxRecに残される記録は、タイでこの1試合のみ。
もしかするとキックやムエタイからの転向組か…。
実際カオサイ相手に判定まで持ち込んでますんで、単純なデビュー戦かというとそうでもなさそうです。
10R判定でカオサイ勝利。

バル・デ・ベラ(比)
BoxRecですがこちらも負け越し選手。
7RTKOでカオサイ勝利。 

さて、ここで潮目が変わります。
このベラ戦の1週間前に、渡辺vsパヤオが実現。
勝利した渡辺がWBA王座を剥奪され、WBC王者になります。

当時WBAは15R、WBCは12R。
ルールに隔たりがあり、王者同士が対戦しても統一戦と認められることが少なかった。
結局、渡辺はこの統一戦を強行したため、WBAが渡辺の王座を剥奪。
試合には勝利した為、WBCのベルトを手に入れた…という流れです。

こうしてようやくWBAの王座に空席ができたことで、王座決定戦のチャンスが回って来ます。
韓国フライ級の現役王者であったムン・ヨンリ(韓)との前哨戦を2RKOでクリア。

いよいよ世界挑戦です。 

さて、ここから伝説のレコードを刻み始めるカオサイ。
23歳。25戦24勝(22KO)1敗。 

エウセビオ・エスピナル(ドミニカ共和国)との王座決定戦に挑みます。
エスピナルは13戦11勝(10KO)2分。
勝った試合の9割以上がKO勝利。

世界初挑戦同士、階級屈指のハードパンチャー同士がぶつかりあいます。
結果は6RKOでカオサイ勝利。
コーナーに追い込むと、ムエタイ仕込みの首相撲から強烈なボディを2発。
沈むという表現がぴったりのKOで世界王座を手に入れます。

初防衛戦にはイ・ドンチュン(韓)を迎えます。

このイ・ドンチュン、のちに日本に渡り活躍した、グレート 金山。
最後は壮絶な試合の末、リング禍で亡くなった選手です。

この頃は韓国の国内タイトルを獲得し、世界挑戦に駒を進めたところ。

この試合、ドンチュンをリングに転がしたのはカオサイの左肘。
レフリーからは角度的に左ストレートに見えたと思います。
ムエタイ上がりの恐ろしいのはこういうとこですね。
映像もスローで見てみないと素人目にはなかなか難しい。
とにもかくにも7RKOで防衛。

屈指の実力者だったドンチュン…カオサイを「肘を使わせるほどに」追い込んだと言える試合でした。

2度目の防衛戦はラファエル・オロノ(ベネズエラ)
WBC王座を2度獲得したベテラン。
3度目の復権にWBAのベルトを狙います。
まだまだ勢いに乗るカオサイ、この難敵を5RTKOで沈めます。

どうしようもないほどボディを効かされてガードを上げるに上げれなくなったオロノ。
顔面に強打を叩き込まれてもなお、ボディを守りつつ手詰まりになってイヤ倒れ。
カウント7で再開するも展開は変わらず、最後は戦意喪失気味に後ろを向いたところでレフリーがストップ。 

余談ですが、弟に続けとばかりに、双子の兄の
カオコー・ギャラクシー(タイ)がデビューしたのがこの頃。

3度目の防衛戦。エドガル・モンセラット(パナマ)
合計で3度世界に挑んだモンセラットの初挑戦。
9連勝で勢いに乗って挑んで来ます。

早いコンビネーションで重そうな連打をカオサイのボディに叩き込みます。
…が、カオサイはどうぞ打ってくださいと言わんばかりにガラ空きのボディでパンチを受け止め、
コンビネーションの中からパンチを選んでカウンターを一閃。
あまりに効きすぎたモンセラット、立ち上がってはすぐ沈められ、3度目のダウンでレフリーがストップ。
圧巻の2RTKO劇。

4度目の防衛戦はイスラエル・コントレラス(ベネズエラ)
のちに1階級上のバンタム級でWBAとWBOのベルトを巻く実力者。

しかし試合は圧倒的。
アウトボックスしようとするコントレラスに何度も何度もボディをねじ込みます。
最後は、足が痺れてダウン。
立ち上がろうにも左足が言うことを効かずに、お葬式で正座が効いたおじさんみたいになってテンカウント。

カオサイが5RKOでコントレラスに初黒星を刻み込みます。

5度目の防衛戦。
相手はIBF世界スーパーフライ級王者のエリー・ピカル(インドネシア)。
この頃は団体同士のルールも統一されておらず、統一戦はかなりハードルが高かった。
また、IBFは設立初期で、この頃はまだマイナー王座だった為、ピカルは王座を返上して挑戦してきます。

そんな事実上の統一戦、初めての敵地防衛で14RTKO。
ポイントでも大幅リードを保った上でのTKO勝利で、実力を見せつけます。
最後は頭を付けた状態からのラッシュ。
アッパーが入った瞬間にレフリーが割って入り、ピカルが崩れ落ちる…。
精神力だけで立ってました…って感じがありありのラスト。

あまりにも強過ぎるカオサイ、この試合をきっかけに、挑戦者が枯渇します。

皆、勝ち目の薄いWBAよりWBCだ…と。

WBC王者だった、渡辺 二郎やヒルベルト・ローマン(メキシコ)が王座の椅子から去り、
この時期のWBCはコロコロ王者が変わる激戦区になっていました。
誰にでもチャンスがあるベルトだったんですね。

カオサイの枯渇具合は試合間隔が空き過ぎるのでノンタイトルの調整試合を1試合(3RKOでクリア)行うほど。

そうしてようやく挑戦者が見つかった6度目の防衛戦。
相手はOPBF東洋太平洋王者のチョン・ビョンクワン(韓)

首相撲からのラッシュでアッパーで仕留める。
ピカル戦の再現のような形で、全く歯が立たず、3RTKOで敗れます。

7度目の防衛戦、相手は1年前にWBAのヒルベルト・ローマンに
挑戦して散ったコントラニー・パヤルカン(タイ)。
タイトル獲得経験なしながら、渡辺二郎と激戦を繰り広げたパヤオ・プーンタラット(タイ)
引導を渡した選手です。

コントラニー…善戦しますが判定負け。最も僅差のジャッジが2ポイント差。
19度の防衛のうち、最も危なかったのがこの試合です。
コントラニーはこの試合で引退しますが…まだ14戦しかしてなかった選手。
こうしてレコードを見てみると、なかなか惜しい選手でした。 

この後また挑戦者が枯渇したカオサイ…
2度の調整試合をいずれもKOでクリア。

この間に兄のカオコー・ギャラクシーがWBA世界バンタム級王座を獲得。
史上初の双子で同時に世界王者となります。

8度目の防衛戦はチェ・チャンホ(韓)
自国開催では条件がまとまらず、敵地韓国で元IBF王者との試合となりますが、
ポイント上も、チャンホが獲ったのは1Rのみ。

最後はコーナーに追い詰めてラッシュ。
8RTKOで危なげなく防衛しています。

9度目の防衛戦は自国開催が叶います。
相手はこの時点でOPBF東洋太平洋王座を保持していたチャン・テイル(韓)。
元IBF世界王者です。

出だしこそポイントを獲ったテイル。
2Rに長身のテイルに対し、距離を潰して最後はクロスカウンター。
テイルが前のめりに倒れてレフリーストップ。

さて、2ケタ目の防衛がかかる一戦。
この試合で初の来日を果たします。

キリがいいのでこの辺で…。
続きは明後日!!!

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