チャンチャイ・サイトーンジム(タイ)をもう一度(コラム) ボクシング選手名鑑ピックアップ! 2017/11/01

チャンチャイ・サイトーンジム(タイ)をもう一度(コラム) ボクシング選手名鑑ピックアップ! 2017/11/01
 
 

タイ人・インドネシア人=弱い
フィリピン人=強い
 

現地に通うファンの間で共通認識になりつつあった事象。
この風向きに変化を感じる。
 

元々はフィリピン人ボクサーも、日本のローカルなところに呼ばれる選手は
「噛ませ」と思われていた時代がある。

もちろん例外はあって、来日してホープたちを食い散らかした
フラッシュ・ガレゴ(比)、フラッシュ・エロルデ(比)なんて伝説はあるが…。
彼らが伝説になったのは特殊だったからだろう。

それがいつの日にか、フィリピン人は骨がある…簡単には勝たせてもらえない。
…なんて言われるようになった。

マニー・パッキアオ(比)の出現以降である。
母国から世界的ボクシングスターが生まれたことで意識が変わったのか、
ピノイボクサーたちの憧れがそうさせたのか…。

以降、小銭を稼ぎにくるのではなく、チャンスをつかみに来るボクサーが一気に増えた。
 

同じような現象が、タイ人ボクサーにも起こりつつある。

軽量級の常識を覆し、PFP最強候補にも挙がっていたローマン・ゴンサレス(ニカラグア)を2度にわたって
討ち破った、シーサケット・ソールンビサイ(タイ)が登場したのが大きいのではないか…と思っている。
 

シーサケットがロマゴンとの2度目の対戦で、ロマゴンを完璧にリングに沈めてすぐ、
大阪で行われた世界戦は、タイ人vs日本人対抗戦などと言われた。
前座カードが噛ませばかりで酷過ぎる…と。

それが…現地で観戦したファンはタイ人への頑張りに驚くことになった。
結局勝敗は日本人に上がったものの…これまでとは違う現象が…。

同じような現象が刈谷でも…。
 

メインの畑中 建人(畑中)にあてがわれたタイ人、チャンチャイ・サイトーンジム(タイ)。
結局は4RTKOで沈むのだが…スピードも力も、そしていやらしさも…
存分に見せつけてくれた結果である。
 

驚きを覚えるとともに…チャンチャイとあの選手が戦ったらどうなのか…。
そんな空想さえしてしまう…もう一度、チャンチャイが見たい。
 

タイはボクシング王国だ。
基本的にタイ人は強い。
ただし、強い選手を呼ぼうと思えばそれなりに金がかかる。

ジムや業界のご事情として、力量差のあるマッチメークになってしまうようだ。
ただ…彼らがやる気満々に食い掛かってくるようなら、それはそれでとても楽しめる。
 

繰り返しが重要だと思う。
骨のあるタイ人を呼び続けることで、イメージは払しょくできるはずだ。

そのうち、「タイ人なんて…」って意見を発するファンに対し、
(あぁ…この人最近のボクシング見てないな…)

なんて言う「知ったか露見」のサイクルになってしまえばいいと思う。
 

田中 恒成(畑中)の防衛戦、相手がタイ人ということで
年末に控える田口 良一(ワタナベ)の統一戦に向けたワンクッションなんて思われた。
 
 

結果、挑戦者のパランポン・CPフレッシュマート(タイ)は負けはしたものの、田中の両目の眼窩低を叩き折り、
病院送りにして日本国民期待の統一戦を白紙にしてしまった。
田中が悪いと言うよりも、パランポンが強かったと僕には見えた。
根本的にはタイ人は強いのである。
 
 

繰り返しになるが、僕はチャンチャイをもう一度見たい。
いい試合をしたタイ人は二度と呼ばれないなんて言われることもあるが…。
あれほどスリリングな試合を見せてくれたのだから。
 
 

もし願いが叶うなら、チャンチャイに激励賞を出すチャンスを…。

「世界中、どこのリングに立とうとも、頑張るボクサーをファンはちゃんと見ている」

そんなメッセージを込めたい。
 
 

余談だけれど…

その年、日本人に勝った東南アジアの選手をかき集めて、
日本人との対抗戦とか…どっかのプロモーターさんやんないかな。
賞金マッチにしちゃえば…。

それに出たい選手が、異常な頑張りを見せたりやなんか…
日本中のリングに効果が及んだりしないかしら。

そういう対抗戦、見たいしなぁ…。
タイ人だから、フィリピン人だから…って言ったって、選手の実力はそれぞれ。
そんな色眼鏡、なくなって欲しいもの。

今、強いタイ人呼んでも、完璧に勝ったら、「タイ人だから」って言われちゃうんでしょ?
それは…ね、嫌ですよね。
 
 

 
 

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