ボクシングファンの感覚はズレている(雑) ボクシング選手名鑑ピックアップ！ 2016/11/17
「ボクヲタって地味で真面目な奴ばかり持ち上げる」
ネットでいろいろ情報を探していたときに出くわした言葉。
「ぐうの音も出ない」なんて言葉が頭をよぎる。
うん、確かに…。
ボクサーには様々なドラマがある。
しかし、それを知っているのは一部のマニアックな人間だけの場合もある。
表に出てこないのだ。
試合後のインタビューで優等生的な発言をする選手に、
「おまえは長谷川 穂積(真正)か！」
なんて言いたくなる時がある。
長谷川や八重樫 東(大橋)のようにリングで魅せれる選手ならいいだろう。
しかし…彼らは特別だと思う。
大半の選手は彼らに及んでいない。
それもそう…名を残す世界王者なんだから。
ボクシングに演出は必要ないと言うボクシングファンは多い。
しかし、それは演出なんか必要ないボクシングの魅力を知ってからの話である。
畑山 隆則(横浜光)や辰吉 丈一郎(大阪帝拳)はブームを巻き起こしたが…
彼らの言葉にしびれ、そしてリング上の姿にしびれた…そんなファンも多いだろう。
一般層を引き付けるには、リング上に目を向けさせる何かが必要だったりする。
亀田 興毅(亀田)、亀田 大毅(亀田)、亀田 和毅(協栄)…
亀田三兄弟は抜群の知名度を誇る。
なぜか？
リング上の姿…ではないだろう。
彼らは彼らで実力的には世界のトップで活躍できるものを持ち合わせたが、
長年ボクシングファンを続けている人間をトリコにするようなものではなかった。
知名度ばかり上がり、その分、批判にさらされ続ける。
言葉とリング上のギャップがそうさせたのだろうが…
彼らがボクシング界で稼ぎ出すビッグマネーは大きかったはずだ。
視聴率はずば抜けていた。
認めたくない人も多いだろうが、稀代のダーティーヒーローと言ってしまえる数字を出したことは事実。
さて…ほかの実力派たちは…全然目立たない。
ファンたちが亀田家のストーリーより、もっともっと知ってほしいストーリーはたくさんあったはず。
しかし、表に出ない。
生意気な言葉を吐けば批判にさらされ、ちょっと目立てばすぐ叩く…。
宮崎 亮(井岡)が田口 良一(ワタナベ)に挑戦する際、
ヒール的な発言を繰り返したときも、叩こうとする人間はいたし、
丸田 陽七太(森岡)の特異なキャラも批判されかけた。
日本のボクシング市場と、ラスベガスの市場は桁違いだ。
ギジェルモ・リゴンドウ(キューバ)が天笠 尚(山上)と戦った際、
支払われたファイトマネーは5000万と言われる。
驚きの高額だが…ラスベガスでは１億以上のファイトマネーが飛び交う。
それは軽量級と中重量級の違いもあるが、
そもそも日本のボクシングでは現在、中量級で稀有な才能が現れたとして、
これだけの大規模な金額を飛び交わせるほど、ボクシング人気はない。
本場で骨太のマッチメイクを戦い続けている亀海 喜寛(帝拳)が
一般層にどれだけの認知があるだろうか…
ファンは、選手に強敵との戦いを望む。
しかし、「無名の実力者」なんていうおいしくない相手なら別だが…。
「名のある実力者」と戦おうと思えば、金がいる。
ファンの思うようにならないフラストレーションが、選手やジムやTV局に向けられる。
選手やマッチメイクのせいだろうか？
TV局の演出の問題だろうか？
それぞれにそれぞれの問題があると思う。
しかし…ファンには問題はないだろうか？
マッチメイクを批判し、選手の態度を批判し、そのうえでビッグマッチをやれ…なにか矛盾を感じてしまう。
インターネットが普及し、コアなファンの声はより一般層に届きやすい。
和氣 慎吾(古口)のリーゼントに…
「しょうもない売り込み」
なんて声が上がったとき…
ボクシング人気を省みてみろと言いたかった。
目立たなければ、世界戦をやるチャンスも目減りする…
NHKのゴールデンタイムでノンタイトル戦が中継されていた時代ではないのである。
特異なキャラやビッグマウスを…
「いいぞ！やれやれ！」
くらいの度量で受け入れてやれないものか。
その先に、コアなファンの望む、痺れるようなマッチメイクがある気がしてならない。
様々な意見を持って結構。
いろんな角度から見れるのもボクシング。
しかし…批判的な声は、もう少し慎重に上げてほしい気もしている。
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