世界再挑戦 ラリー・ホームズ(米)⑳ ボクシング選手名鑑ピックアップ! 2016/06/25

世界再挑戦 ラリー・ホームズ(米)⑳ ボクシング選手名鑑ピックアップ! 2016/06/25
 
 

 

さて、前回はラリー・ホームズ(米)が前WBO世界ヘビー級王者のレイ・マーサー(米)を破ったところまで。
この衝撃のアップセットの効果も相まって…
 

マイク・タイソン(米)に敗れて以来、4年半振りの世界タイトルマッチの舞台…。

ヘビー級世界3団体統一王者、イベンダー・ホリフィールド(米)に挑むこととなります。
ホリフィールドは、90年代のヘビー級をレノックス・ルイス(英)やタイソンとともに引っ張ったこの時代の主役です。

42歳のホームズと頭がハゲかけたホリフィールド…ホリフィールドも現役が長かったので、
ベテラン同士の戦いに見えてしまいそうですが、この頃のホリフィールドはまだ29歳。

全盛期の王者に二世代前の最強が挑んだような試合。
戦前予想は圧倒的にホリフィールド。
 
 

1R、下がりながら戦うホームズ、ホリフィールドのスピード前になかなか手が出ず。
しかし終盤にはコーナーに詰められながら、ホリフィールドに強烈な右ストレートを浴びせます。
 

2R、コーナーでの密着インファイトが展開されたこのラウンド。
体格で押し込むのはホリフィールドですが、クロスアームでガードするホリフィールドのガードの隙間に
強烈なパンチをねじ込むホームズ…壮絶な撃ち合いはわずかながらホームズに分があり。
 

3R、スピーディーなジャブから入っていくホームズ。
ロープに追い込まれたホームズはホリフィールドの強烈な右フックを効かされます。
クリンチでホリフィールドの腕をホールドして時間を稼ぐホームズ…
その後も攻め込まれるホームズ、終盤にはコンビネーションを連続でヒットさせるも、
全体的にはホリフィールドに攻め込まれたラウンド。
 

4R、手数少なくサークリングするホームズ…コーナーまで下がり、ホリフィールドを誘う。
またも頭をつけたインファイトになり、強烈なアッパーとフックを重ねるホームズ。
しかしホリフィールドも撃たれながらホームズの右フックのタイミングをつかみ…。
終盤には強烈なカウンターとなる右フックを幾度もホームズに叩き込みます。
 

5R、やはり手数が出ないホームズ。
時折強烈なパンチを撃ち込みますが、その度に
怯まず撃ち返してくるホリフィールドの強打をもらってしまう。
 

6R、ホリフィールドが一方的に攻め込んだラウンドですが、
わずかにかすったホームズのパンチでホリフィールドは右目上をカット。
スローで見ると、空振りした際に肘が当たってカットしたように見えますが…
そこまで正確に把握しろというのも酷な話…
何はともあれ、ホームズ…大逆転のチャンスを手に入れます。
 

7R、開始直後から一気に攻め込むホームズ。
しかし手が止まるとホリフィールドも盛り返す。
ホリフィールドの出血は激しそうですが、血が目に入る感じではなさそうな状態。
 

8R、カットの影響もあってか一転、距離をとって旋回しながら細かいパンチを入れていくホリフィールド。
若いホリフィールドのスピードについていけず、ホームズは右ストレートを1発入れるのがやっと。
 

9R、完全に距離を自分のものにしてしまったホリフィールド。
細かいパンチを入れながら、時折強烈なフックやアッパーでホームズを捉える。
ホームズはまともなヒットさえ奪えない…。
 

10R、開始直後、浅いものの右ストレート、ワンツーをヒットさせるホームズ。
ホリフィールドのジャブを丁寧にブロックしながら頭をつけたタイミングで左右フックを入れるホームズ。
しかし細かいパンチの数では上回られてしまう。
 

11R、開始直後に、強烈なワンツーがホリフィールドを捉える。
左目をしかめるホリフィールド、カットの傷から距離に狂いが生じたか
ホームズのワンツーが連続してホリフィールドを捉えていく。
しかし修正したホリフィールドが断続的にホームズを捉えて盛り返す。

終盤、バッティングに対してホリフィールドに注文をつけるホームズ。
その直後からホームズがホリフィールドを連続してヒット。
もしや…を思わせる展開。
 

12R、最終ラウンド、攻勢を強めたホリフィールド。
力を込めたジャブで攻めていくも、ホームズの強烈な左右がホリフィールドを捉え
ホリフィールドが足をバタつかせる場面も…。
終盤になると展開はド突き合いに…。
ホリフィールドがフックでぐらつかせるもホームズもボディに連続してアッパーを叩き込む。
 
 

結局この試合、3-0の判定でホリフィールドが勝利。
しかし、もう既に終わったと思われていたホームズが周囲が思っていた以上に善戦した試合だったりします。
ホームズが称えられることになっても良さそうなものですが…
 

実はホームズ復帰の決め手となったジョージ・フォアマン(米)が挑んだ世界王者もホリフィールド。
しかもその試合でフォアマンは周囲を驚愕させる善戦。
大きな感動を呼び、試合後の「老いることは恥ではない」という言葉は名言にさえなっています。

そんな経緯もあって、ホームズはフォアマンの二番煎じとまで言われる始末…
全盛期はアリのコピーと呼ばれ、驚きの世界挑戦もこんな扱い…
 
 
 

ここから半年強の時間を置いて、ホームズは再起。
フォアマンとの対戦を熱望してのことだったりします。

ほぼ同世代の二人は会話を交わすことも多く、二人の目的は同じ。
50歳近い自分たちが今の選手に負けていないことを証明したい。
戦ってきたライバルたちがどれほど強かったかを証明したい。

その上で、お互いに戦いたい…これは実際には実現しなかったわけですが。
 
 

 
 

復帰戦の相手はエベレット・マーティン(米)。
18勝15敗1分と平凡な戦績ながら、かつて全盛期のホームズと激戦を繰り広げた
ティム・ウィザースプーン(米)を相手に、大アップセットを実現していた選手。
 
 

1Rから速くて重たいジャブを突いていくホームズ。
ジャブのスピードだけなら全盛期が戻ってきたよう。

考えてみれば、タイソンに敗れてから3年のブランクをあけてカムバックしたホームズ。
その間に体重は10ポンド以上増量。
これまで何か鈍重な印象を見せていました。

もしかすると、ようやく大きくなった体に慣れてきたのかもしれません。
 

2R、ガードを固めて前進するも、ほとんどのパンチを防がれてしまうマーティン。
強烈なジャブを突き刺していくホームズ。

このラウンド終盤に、ようやく顔面への初ヒットを奪うマーティン。
体全体で押し込んでこつこつボディを叩きますが、強烈なアッパーでホームズにお返しを食らいます。
 

3R、頭をくっつけてボディを狙うマーティン。
飛び込んでの右を当てるシーンはあるものの、また強烈なアッパーを何度ももらってしまう。
 

4R終盤にはアッパーを叩き込んでからバックステップして距離を作るホームズ。
そこから強烈な6連打…効かされたマーティンは足をガクガクさせながらホームズに体を預けてダウンを拒否。
 

5R、飛び込むタイミングをうかがうマーティンにジャブをいくつも突きさすホームズ。
1分すぎにマーティンが狙い通りの強烈な左フックを叩き込みますが…これは相撃ち。
タフさに任せて撃たれても撃たれても前に出るマーティン。
効いたように見えてもすぐに元通りになる回復力はかなりのもの。
 

6R、ジャブを突きながら飛び込み際を狙うホームズ。
入ってこられても技術で一切窮地には陥らない。
終盤にはインファイトでコンビネーションを叩き込みます。
 

7R、ジャブだけでマーティンをコントロール。
飛び込もうとすれば右ストレートで襲う。
しかしそれでも止まらないマーティン。
 

8R,圧力を強めるマーティン。
ボディへパンチを集め、ようやく自分のラウンドになるか…
そんな矢先、ホームズの強烈な連打がマーティンを襲います。
何発入ったかわからないほど、連続で強打をヒット。
まるで不人気だった全盛期が嘘のように会場が熱を帯びます。
 

9Rも同じ展開ですが、少しマーティンがタイミングをつかんできたか…
細かいパンチも大きいパンチも少しずつ当たり始めます
それ以上に痛烈なヒットを浴びています。
試合はマーティンが耐える形で最終10Rへ…。
 

最終ラウンド、最後の望みにかけて前へ出るマーティン。
お互いの撃ち合いとなったラウンド…そのまま最終のゴングが鳴ってタイムアップ。
 

判定は(99-92、99-91、100-90)の3-0。
ほぼフルマークに近い形でホームズが再起を飾ります。
 
 

さぁ…まだまだ諦めないホームズ…
出直しとなったものの、状態自体はホリフィールド戦より良好。
 

43歳になって、状態を戻してくる…。
凄まじい男です。
 

次回はまた…ひたすらに再挑戦へ向けて階段を登るホームズ。
今日はこんなところで…。
 
 

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