2025/03/29 -愛知・愛知県国際展示場- みどころ(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!
【50kg契約6回戦】
ナタノン・トーンチャイ(タイ) vs 入田 力斗(ワタナベ)
ナタノン・トーンチャイ 18戦13勝(11KO)3敗2分
中日本のリング初登場のために初見。
タイ国内では負けなし戦績も、国外では3戦全敗。
日本のリングには3度目の挑戦となる。
過去二度はいずれも8回戦を最終ラウンドまで戦ったが大差判定で敗れている。
入田 力斗 デビュー戦
デビュー戦のために初見。
アマチュア戦績:30戦21勝9敗
熊本県八千代市出身の20歳。
東日本管轄、東京のワタナベジム所属。
昨年10月にデビュー予定だった入田だったが棄権。
仕切り直しのデビュー戦となる。
日本での過去2戦はライトフライ級で挑んだナタノン。
小兵だが勇敢に挑む姿を見せてきた。
長身となる入田に対してどう潜っていくか、3度目の正直を叶えにやってくる。
【スーパーフライ級8回戦】
花田 颯(KWORLD3) vs イェロゲ・グラ(比)
花田 颯 4戦2勝(1KO)1敗1分
中日本初登場となった昨年の試合では無念の負傷引分。
埼玉県出身の22歳。
アマチュア戦績:49戦35勝14敗。高校選抜3位の実績を持つ。
西日本管轄、大阪のKWORLD3所属。
イェロゲ・グラ 10戦8勝(3KO)1敗1分
フィリピンスーパーフライ級13位。
前戦は静岡のリングで佐野 遥渉(LUSH)とWBC世界ユース王座を争い敗北。
佐野に匹敵するスピードとワイルドな攻撃で佐野に迫ったが、
冷静沈着に試合をコントロールされて大差判定に敗れた。
ポテンシャルの高さは見せている二人。
前回の試合を不完全燃焼に終わった花田と、空転させられたグラ。
実力ははっきりある二人が、先を臨んで仕切り直しの一戦となる。
【バンタム級8回戦】
佐野 遥渉(LUSH) vs ナッタポン・ジャンケーウ(タイ)
佐野 遥渉 10戦9勝(4KO)1分
WBC世界スーパーフライ級ユース王者。
同級日本4位、WBOアジアパシフィック2位、OPBF東洋太平洋14位。(3月初旬時点)
静岡県富士宮市出身の22歳。
冷戦沈着にWBC世界ユース王座を奪取した佐野。
デビュー戦以降、苦戦という苦戦もないまま9連勝を飾り、更なる高みを感じさせている。
左ボディと引き出し、天性とも思える試合運びは絶品。
ナッタポン・ジャンケーウ 17戦13勝(9KO)4敗
中日本のリング初登場のため初見。
日本のリングには2度目の登場。
強打の矢代 博斗(帝拳)にフットワークを使ったが、終盤7Rに仕留められた。
過去アジアタイトルに2度挑んでいるが、戴冠は叶っていない。
LUSH BOMUの主役とも言える佐野が、タイトル挑戦経験者を迎える。
これまでのSF級から階級を一つ上げての戦い。
相手はそのさらに2階級上のWBCアジアフェザー級でタイトル挑戦した選手。
アジアのノーランカーが相手だが、様々なものが試される試合。
ランキング的にも、主要地域タイトル3王座の挑戦がいつ叶ってもおかしくない状態。
タイトル挑戦にふさわしい姿…さらには佐野が
「LUSHの主役」であることを証明してくれるような戦いぶりを期待したい。
【スーパーフェザー級8回戦】
ジョー・サンティシマ(比) vs 英 豪(LUSH緑)
ジョー・サンティシマ 32戦25勝(21KO)7敗
WBOアジアパシフィックフェザー級12位、同級OPBF東洋太平洋12位。
5年前には世界挑戦を叶えたアジアの強豪。
その後、日本には世界挑戦経験者や、世界を睨むホープたちの相手として来日。
敗戦を重ねる者の、存在感は示し続けていた。
昨年12月には日本初勝利、ノーランカークラスは寄せ付けない強さを誇示してる。
英 豪 4戦4勝(2KO)
OPBF東洋太平洋ライト級10位、日本同級8位。
たった4戦、されど4戦、シビアな戦いを重ねての現在の地位。
自らもチャンスの試合を望み、格下相手には期待値通りの1RKOで回答を返した試合も。
愛知県名古屋市緑区出身の24歳。
前戦でアジアのランキングを奪取した英豪が、アジアランカー対決。
順当に階段を上るマッチメイクだが、相手はハードパンチャーのサンティシマ。
国内ボクシングファンにとって強豪として認知される選手が立ちはだかる。
世界を睨むホープたちと何度も拳を合わせた、サンティシマと戦う。
それは、そういったホープたちと英豪が比較されることを意味する。
英豪が秤に載せられる試合…世界を知る男を相手に実力を誇示できるか。
【フェザー級8回戦】
岡本 恭佑(HKスポーツ) vs マイケル・ダスマリナス(比)
岡本 恭佑 11戦9勝(6KO)1敗1分
WBOアジアパシフィックフェザー級7位、日本同級6位。
中日本のリング初登場のため初見。福岡県北九州市出身の21歳。
2022年の中日本・西部日本新人王対抗戦では中日本のKOアーティスト富平 謙伸(中日)の
強打を空転させ、ドローの優勢点で勝ち上がるとそのまま全日本新人王へ。
日本ユース王座戦で辻 永遠(勝輝)に敗北するも、その後は勝ち星を重ね、
直近の試合では、中日本の誇る恐怖のノーランカーの一人、干場 悟(蟹江)を1RKOに下した。
西部日本管轄、福岡のHKスポーツ所属。
マイケル・ダスマリナス 41戦36勝(25KO)3敗2分
OPBF東洋太平洋フェザー級6位
中日本のリング初登場のため初見。
かつては世界1位にまで上り詰め、井上 尚弥(大橋)への挑戦もかなえた選手。
井上に敗戦後は引き分けを挟んで、4つの地域タイトルを獲得しながら6連勝。
現在世界ランキングがないのが不思議なほどの実績を持っている。
現在3連勝中の岡本、ここから日本上位へ食い込んでいく場面だが、
この時点での相手としてはダスマリナスは明らかに格上。
ランキング上は同等かもしれないが、世界ランキングに入っていないのがおかしい選手。
このチャレンジマッチを成功させれば、岡本の名も急浮上するはず。
九州のホープがビッグチャンスに挑んでいく。
■OPBF東洋太平洋スーパーフライ級タイトルマッチ
【スーパーフライ級12回戦】
ジーメル・マグラモ(比) vs 横山 葵海(ワタナベ)
ジーメル・マグラモ 34戦30勝(23KO)4敗
OPBF東洋太平洋スーパーフライ級王者
同級WBC世界スーパーフライ級15位、WBOアジアパシフィック5位
中日本のリング初登場のため初見。
中谷 潤人(M.T)と世界王座を争い、現世界王者のアンソニー・オラスクアガ(米)を
相手に途中までリードした選手。
世界トップ戦線で戦う強豪の一人。
横山 葵海 2戦2勝(1KO)
OPBF東洋太平洋スーパーフライ級4位。
アマチュア全日本王者の肩書をひっさげ、
デビュー2戦目でOPBF5位の相手に挑んで接戦を勝ち切り、一気にタイトル挑戦に駆け上がった。
東日本管轄、東京のワタナベジム所属。
前戦ではダウンを奪われ、かなりの接戦でランキング奪取となった横山。
デンマーク・ケビド(比)が並みのランカーではないようにも思えたが、
いったん調整するような試合を入れたくなるタイミングにも思える。
しかし、ここで一気に戴冠を狙うチャレンジマッチ。
自信の現れか、それとも、シビアな戦いで鍛えぬく方針か。
いずれにせよ、世界に向けた本気の期待を感じさせるマッチメイクと感じる。
■IBF世界フライ級王座決定戦
アンヘル・アヤラ(メキシコ) vs 矢吹 正道(LUSH緑)
アンヘル・アヤラ 18戦18勝(8KO)
IBF世界フライ級王者
カメレオンと異名される万能型ボクサー。
全勝戦績だが、南米の強豪たちを一掃しながらチャンスに恵まれなかった時期もある。
WBC世界フライ級挑戦権を得ながら、実際の初挑戦は2年半後のIBF世界王座となった。
プロテクトされた全勝戦績ではなく、その拳で道を切り開いた世界王者。
矢吹 正道 21戦17勝(16KO)4敗
IBF世界ライトフライ級王者
修羅の道と言われるキャリアを重ね、2度の世界王座を戴冠した。
破壊的強打と野生動物のような目の良さ、そして代名詞となったジャブ。
それ以上に、中日本の多くのボクサーの尊敬を集めるカリスマ性は多くのファンを虜にする。
三重県鈴鹿市出身の32歳。
現役世界王者同士が愛知のリングで激突する。
世界ランキングに入る時点で、えげつない強豪たち。
世界挑戦を叶える者はさらにそこから厳選され、実際に世界を獲る者とはまた隔たりがある。
頂に立つ者同士が雌雄を決する。
アヤラ以外を日本を主戦場とする選手たちが世界のベルトを保持するフライ級。
日本のリングで勝利をあげることは、王座統一戦線へぐっと近づくこととなる。
アヤラが矢吹を皮切りに、日本のリングを蹂躙するか
矢吹が二階級制覇を叶え、因縁多き相手たちとのフライ級戦国時代を迎えるか。
この試合の結果で世界フライ級トップ戦線が大きく揺れると思っている。
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