2019/08/11 -神戸常盤アリーナⅠ- (中日本ボクシング観戦記番外編) ボクシング選手名鑑ピックアップ!

2019/08/11 -神戸常盤アリーナⅠ- (中日本ボクシング観戦記番外編) ボクシング選手名鑑ピックアップ!
 
 

尼崎の興行が終わって一旦大阪に戻った10日。
漫画喫茶に飛び込んで観戦記の一部を書いて時間を潰した後、北新地のおにぎり屋竜へ向かう。
ボクシング好きで仲良くなった新聞記者の方に呼んでいただいた。

第19代WBO世界ミニマム級王者の山中 竜也(真正)が引退後に開いたおにぎり屋さん。
元WBA世界スーパーバンタム級王者の久保 隼(真正)も迎えてくれて、
旨いおにぎりとおでんをつつきながら、ボクシング談義を朝の3時まで。

世界王者なのに、気取った部分もない二人とプロの記者。
ただのボクシング好きがそこに混ざり込み、朝までずっとボクシングの話。
ボクシングが好き…というたった一つの共通点で、4人は何時間もボクシングの話。
 

する者、勝つ者、負ける者、見る者、書く者、言う者、支える者、作る者…
全ての人々は、根っこのところで同じものを抱えている。
それが嬉しくて、浮かれ気分で宿泊先と言う名の漫画喫茶に戻って眠りにつく。
 
 

翌朝、目覚めたのは予定より1時間遅かった…。
慌てて電車に飛び乗るも、途中で阪神電車と阪急電車を間違えるという大誤算。
いつもは開場1時間前に到着するのがルーチンだが、
この日はオープン時間を過ぎてから会場に滑り込んだ。

すると…左隣には少し前に引退した、僕の憧れのヒーロー 芝田 もーと(フォーラムS)
さらに、右隣りには昨日快勝でのA級昇格を決めた竹嶋 海刀(勝輝)

この日のチケットを売ってくれた徳山 洋輝(千里馬神戸)が粋な計らいをしてくれた。

ヒーローたちに囲まれての観戦…緊張でドギマギしながら、神戸のリングにゴングが響く。
 
 

【51.5kg契約4回戦】
中川 敦(フュチュール) vs 合田 怜央(VADY)

中川 敦 3戦3敗
合田 怜央 1戦1分 サウスポー
 

1R、一回りフレームの大きな合田。
プレスをかけていく中川に対し、足を使いながら左ボディをヒットさせる。
さらにカウンターの左ストレートを突き刺すと一気に手数で襲っていく。

何度も何度も顔面を跳ね上げられる中川。
レフリーストップもあり得そうなほどに攻め立てられる。
反撃も柔らかく躱していた合田を、あきらめずの反撃で強烈に左右フックで捉えて窮地を脱出。

もらった合田はいったん仕切り直すかのようにまた足を使い始めると、
フリッカージャブを連続で突き刺し、強烈に合田の顔面を跳ね上げ、ここで合田の腰が落ちる。
合田がまたも一気に攻め立て、ロープまで追い詰められた中川は、ダメージが噴出したように膝を着くダウン。

ここでレフリーが試合をストップ。
 

TKOタイムは 1R 2分51秒
 
 

圧倒的に敗れてしまった中川だったが、フレーム差もスピード差もある中、
攻め込まれてTKO負け直前かと思われた刹那、左右フックを叩きこんで一旦は合田を止めた。
反撃をことごとく外され、捉えられ続ける中で、
諦めずに振るって捉えたそのパンチに、中川の意地を感じた。

これでデビュー4連敗だが…、あの局面でやり返せるボクサー。
まだまだ、あきらめないで欲しいと願う。
 

デビュー戦は無念にも1Rの負傷ドローで勝利を挙げることが叶わなかった合田。
初勝利は快心の内容…序盤で効かせ、攻め立てた場面でも反撃をほぼ食わずに遅いかかり
一旦もらった場面では冷静に組み立て直す…。

そして2度目のアタックのきっかけは、相手の腰を落としてしまう強烈なフリッカージャブ。
ジャブからTKOに繋げる試合は、なかなかお目にかかれない。

わずか3分に満たない試合だったが、その強さをアピールするには充分。
来年の西軍代表戦、中日本新人王の前に立ちはだかる可能性は充分にあるように感じた。
 
 
 

【58.0kg契約4回戦】
崎口 達希(本橋) vs 宮 正太郎(VADY)

崎口 達希 デビュー戦
宮 正太郎 1戦1勝
 

フレームは一回り崎口が大きいか。
少し距離の遠い中、頻繁にジャブを突いていくのは崎口の方、
宮はじっくりとタイミングを見て、飛び込みながらの強烈な左フックを炸裂させる。

ラウンド中盤、崎口は宮の入り際に左フックを叩きこむも、
宮は再度アタックして左アッパー、右ストレートを撃ち込む。
崎口もコンビネーションの中の右フックをガードの横からねじ込ませ、一進一退の展開。

終盤、飛び込んでの左フックと右ストレートを強烈に突き刺した宮。
崎口は距離が縮まったところで左アッパー、右フックをムチのようにしならせて宮の顔面を襲う。
 

2R、ぐっと距離が縮まった二人。
強烈にボディを襲っていく宮に対し、崎口は右アッパー、
右フックで顔面を跳ね上げて宮のバランスを崩す。
宮は徹底的にボディを攻める中、上にも返して右フックで捉える。

ラウンド中盤には宮がダイレクトに右を強烈に撃ちつけると、
崎口をロープ際に追いつめたところで
崎口の左フックと宮の右ボディが相打ち…。
体をくの字に折り曲げた崎口に対し、宮が一気に攻め立てていく。
 

3R、徹底的に腹を攻めて行く宮。
強烈に襲われながらも相撃ちの右フックで捉えた崎口。
しかし、崎口のジャブの撃ち終わりに右ストレートを突き刺すなど、宮のペースが上がっていく。

中盤、カウンターでの強烈な右を突き刺し、ロープに追い詰め、徹底的に腹を叩く宮。
猛烈に腹を効かされながらこらえる崎口だったが、最後は崩れ落ちるようにダウン。
レフリーはそのまま試合をストップ。
 

TKOタイムは3R 2分6秒
 

序盤、ペース争いの中、長いジャブを多く突いた崎口が優位に感じたが、
距離が詰まった2R、宮がボディを効かせると、そこから徹底したボディ攻めで試合を決めた。
襲い掛かる崎口のパンチは、近い距離でもしなる様に宮を襲ったが、
宮は臆せずボディを叩き続けて、崎口をリングに沈めた形。
 

ボディで倒されると、「気持ち」のせいにされることも多いが、
ここまで徹底的に腹を攻められた中、逆によく耐えたと感じてしまう。
2R終了時点でかなり効かされている状態の中、宮を鋭利に襲った崎口のパンチは
まだまだ試合を引き戻す可能性を感じさせた。

それに怯まず、腹攻めを貫いた宮の戦いぶりが凄かったように思う。
 

腹で沈め切るのは早々簡単なことではない。
腹が効いたら、おざなりになった上を攻めるのは定石の一つだが
宮は徹底的に腹攻めを貫いて、倒し切ってしまった。

試合勘を感じる姿に、今後この選手が勝負強いボクサーになる姿を想像してしまった。
 
 

 
 
 

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