少し早めに起き出して準備を整える。
今日はいつもの電車移動ではない…。
かみさんに頼み込んで車を借り…いざ、北陸の地へ。
電車移動にしようか迷ったが、帰りが遅くなる可能性もある。
慣れない場所の長距離移動の地で、途中で電車を失えば…
翌日は仕事、リスクが高過ぎる。
あまり得意ではない運転で、高速を走る。
名二環に乗り、清州JCTから名古屋高速16号一宮線へ…。
一宮ICから名神に乗る。
さらに米原JCTから北陸道へ…。
運転に慣れない自分としては、道を間違えるのが怖くて仕方ない。
緊張の中での運転…北陸道に乗ってようやく落ち着く。
北陸道を走ってすぐ、長浜を通過する。
そう言えば…長浜は自分にとって大きな事件を起こした場所。
数年前の思い出がよみがえる。
仕事先で誤って”ツヤ出しマイペット”を口に含んでしまったことが全ての始まり。
誰も見ていないところでやらかした失態…誰かに笑ってもらえるでもなく
ただただ嫌な思いをしただけの一件…せめて笑いのネタにでもなればとFacebookに投稿する。
「間違ってツヤ出しマイペット飲んじゃった…ヤバい…ツヤ出るかも。」
こんな投稿をしたところ、自分が昔務めていた会社の先輩から
「うちの姉が友達になりたいと言っている」と連絡が入る。
その投稿が気に入ったらしかった。
「まぁ別にいっか…」
その程度でOKの返事。
届いた連絡に、悪ふざけのムシが疼く。
一発目の返信で「デートしましょう」。
どんなリアクションか…楽しみに待つ。
届いた返信は「いいですよ。」
確か、デートはその週末。速攻の展開だった。
選んだ場所が長浜。
北斗の拳が好きなその女性…長浜には海洋堂フィギュアミュージアムがある。
そして、長浜の町並みが好きな自分。
ちょうど両方のニーズを満たした長浜での初デートは、すこぶる低調だった。
その女性は出雲神道の神社の家系に産まれ、親戚はバイオリニストや社交ダンスの先生。
金持ちの家…というわけではないが、教育はしっかりされている。
こっちは箸の持ち方もままならない育ちの悪さ。
高校を1度中退し、1年遅れで入学した高校を卒業。
大学も4年時に中退し、プラプラとバンドマンやらなんやら、ろくでもない人生を送ってきた。
公園生活も3カ月ほど経験している。
9歳年上の車好きの女性…会話も合わない。
特に思い出にも何もならなかった長浜デートの帰り道。
またふざけてみる。
「結婚しましょっか」
返事は…「いいですよ」
何故かそこからノリノリの女性。
後々聞いてみたら「初対面でプロポーズしてくれる人が運命の人だと思っていた」とのこと。
なんなんだこの変わり者は…引くに引けない。
あれよあれよとお互いの両親に会い、その1か月後に入籍。
子供が欲しいと言っていたその女性は、結婚当初36歳。
早く作らなければ体への負担も大きい…慌てて仕込んで即妊娠。
出会って10か月後に長女誕生…。
そこからまた、あれよあれよと二人追加で三人娘の父となり、今に至る。
結婚当時、僕が抱えていた借金を取っ払いで返済し、
リスクなんかてんで省みず、僕の仕事を辞めさせ、独立に導き…。
かなり男前なかみさん。
この観戦記も選手名鑑も、かみさんの「自分のやりたいことをやれ!」の号令で始まった。
僕が仕事とうそぶいてボクシング観戦に興じていることにも目をつぶってくれている。
何もかもが長浜から始まっている。
名古屋から1時間半…北陸の入り口、福井県に入る。
久々の日本海…思った以上に早く着いた。
これなら家族と来るのも悪くない…杉津PAで煙草休憩をしながら景色を堪能する。
少し早めに出た為、もう少しのんびりしようか迷ったものの、
ワクワク感が抑えきれない。
待ちきれない…。
初めての北陸のボクシング…映画の中でしか知らないリング。
映画「アンチェイン」の中で永石 磨(北陸イシマル)が散ったリングが北陸のリングだった。
「中日本ボクシング観戦記」なんて題しながら、
北陸に手が周っていなかった状況を打開する嬉しさもあり、
様々な思いが詰まった道中…杉津PAからさらに1時間半で到着。
昼食を済ませて駐車場に到着したのが開場の1時間半前。
余裕ぶっこきで車内で待機。
今回はチケットは現地引渡し。
売ってくれる方が既に会場にいるとのことだったので、
建物の前まで出てみると…既に開場待ちの列ができている。
チケット代を支払って、そのまま列に並ぶ。
1時間前から開場待ちの列ができる光景は…あまり記憶にない。
そのままその列は伸び続ける…。
地元のヒーローたちを応援する列だ。
ふと脇を見れば、地元TV局の中継車。
開場は15分早められ、45分には入場。
列に並ぶ人数は3桁に達していたと思う。
地方興行のパワーを感じ、石川のボクサーの愛され具合に胸が熱くなる。
初めての会場の為、まずは自由席の位置を確認し、
自由席の中では一番前のなかなかいい場所を確保。
バルコニーのような場所はあるが、関係者しか入れないらしい。
地方興行によくある、会場内で飲食の販売もある。
荷物を置いて席を確保。
今回は面識のない選手に激励賞を渡すため、関係者を探す。
が…続々と観客が入って来るため、受付は多忙そう…声をかけれない。
控室へ入る階段の前に立っていた方に声をかけ、
ジム関係者の方に無事、激励賞を手渡すことができた。
なんとか試合前に済ますべきことを済ませて確保した席に戻る。
試合開始まで30分…スマホで情報を漁りながら待機。
ここでいつもの
自分はファンではあるが、熱狂的なマニア程の肥えた目を持ってはいない。
自分より凄いと思えるファンはそこらじゅうに転がっている。
そして、TVで観戦するのとは違い、1つの角度しか見れず、スロー再生もない。
レフリーで隠れたタイミングでパンチが入っても気付けないし、かなり離れた自由席での観戦。
ここに書く内容に誤りが多分に含まれることもある。
先に言い訳をしておきたいわけではなく、そういうものだと言っておきたい。
同じ試合を見ていても、違う感想を持つファンもいるわけで…。
ここに書いたことが正解ではないと…。
それだけは認識したうえで、読み進めていただきたい。
ドキドキしながら待つ30分が終わり、いよいよ興行の開始。
この日最初に戦う二人がリングに登場する。
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