2018/8/5 -刈谷あいおいホール- 2試合目、3試合目(中日本ボクシング観戦記)　ボクシング選手名鑑ピックアップ！

2018/8/5 -刈谷あいおいホール- 2試合目、3試合目(中日本ボクシング観戦記)　ボクシング選手名鑑ピックアップ！
 
 
 

【スーパーフライ級４回戦】
堀井 翔平(トコナメ)　vs　岡崎 駿一(中日)

堀井 翔平　9戦3勝(2KO)4敗1分
岡崎 駿一　3戦2勝1分
 

1R、フレームの大きな堀井に対して細かく撃ち込んでいく堀井。
岡崎は得意とする近い距離で、長い腕を折りたたんで応戦。
岡崎の左アッパーに合わせて、堀井は左フックを撃ち込んで岡崎の顔面を捉える。

中盤に入ると距離を取って、長い距離からストレートを撃ち込み始めた岡崎。
距離を詰めようとした堀井に対し、サイドに回って右ストレート一閃。
アゴを完璧にエグった一撃でリングに沈む堀井。

立ち上がろうとした堀井だったが、上半身を起こしたところで前のめりに崩れ落ちる。
その姿を見たレフリーは試合をここでストップ。
 

シードで決勝からの登場となった岡崎が見事に新人王に輝く。
大きなフレームながら、近い距離で勝負できる選手。
体躯で劣った場合、離れればパンチが届かず、近づけば岡崎の巧さにやられる。
「やりにくさ」という意味では突出しているだろうと感じる。

毎度毎度、中日ジムの選手は特徴的だ。
一見不器用な選手が多く思えるが、得意分野があり、そこで勝負できる選手が多い。
ここから九州・大阪・東京…どこまで勝ち抜けるか。
その魅力をしっかりと見せつけてきて欲しい。
 

堀井は…今年の新人王では階級を上げたせいもあるのか、動き自体がこれまでとは違うように見えた。
一撃に泣き、4度目のチャレンジとなった今年の新人王戦も勝ち抜けず。
3勝5敗1分の負け越し戦績…しかし、この1年に限れば2勝1敗。
少しずつ、結果が出始めているところ。

気が付けば、B級昇格の権利まで、あと0.5勝。
次の試合、勝つか引き分けるかで次のステージへ行ける。
もらった後の対処が悪く、1発もらうと後続のコンビネーションをことごとくもらってしまう部分だったり…
目に付く欠点はまだまだある…だけど、欠点があるということは
まだまだ強くなれるということ。

めげないで欲しい。
ただただ、その思い。
 
 

【バンタム級４回戦】
青柳 冴亮(浜松堀内)　vs　大森 雄貴(三津山)

青柳 冴亮　デビュー戦　サウスポー
大森 雄貴　4戦2勝(2KO)2敗

両者とも準決勝を不戦勝で決勝へ…
デビュー戦がいきなり中日本新人王決勝となった青柳。
リングインの前からガチガチに緊張しているのが伝わって来る。
対して5戦目の余裕を漂わせてリングインした大森…自信を感じさせる。
 

1R、ガチガチの状態はゴングが鳴ってからも変わらず…固い立ち上がりの青柳。
足を使って距離を取る青柳に対し、様子見の大森…静かな序盤。
お互いのワンツーが交錯。
青柳のワンツーの両方に、大森が合わせたようにも見える。
一瞬棒立ちになる青柳だったが、次の接触のシーンでは
逆に大森のパンチに合わせた青柳…緊張の取れない中での反応の良さに驚く。

ラウンド後半、近い距離でパンチをまとめる青柳。大森は不用意にもらってしまう。
さらに大森がステップインしたところに青柳がジャブを撃ち込んで、大森の顔面が跳ね上がる。
ゴング直前、今度は大森が強烈に右を撃ち降ろしてラウンド終了のゴング。
 

2R、大森のステップインに対して、しっかり反応してパンチを突き刺す青柳。
大森はもらうと無理せずにクリンチに逃れる。
ぎこちない動きの中でもきっちり反応する青柳…。
 

3R、上体柔らかく青柳のパンチを交わしていく大森。
ジャブの引きに合わせた青柳のストレートをもらう場面もあるが
離れた距離から大森が有効打を拾っていく。
主導権が大森に移り始める。
 

4R、足を使って危険を犯そうとはしない大森。
勝ちにこだわり、リスクを排除するように戦う。
お互いに見合う時間が長くなった最終ラウンド。

試合はそのまま終了のゴング。
 
 

マイジャッジ　38-38　優勢点：大森
 
 

公式ジャッジが発表される

40-37×2
40-36
 

勝者：大森
 
 

思った以上に離れていたが、マイジャッジを青柳に振ったどちらのラウンドも
大森に流れておかしくないラウンド。
納得の範疇だった。
 

青柳の反応の良さには驚いた。
あれだけガチガチになりながら、しっかり反応してカウンターを撃ち込む。
リング慣れしたら…かなり面白い存在になりそうだ。

質素なトランクス、浅黒い肌に、表情を固める姿はまるでタイの少年ボクサーのよう。
リングインする姿もしっかりと記憶に残った。
今年は残念…でも、来年の新人王の頃にはどんな姿になっているだろうか。
こんなスタートも面白い…きっと実力は出し切れなかったんだろう。

「青柳のデビュー戦、ガッチガチだったんだぜ。」
なんてネタにして話せるくらい活躍してほしい。
 

大森は…昨年、中日本新人王でデビューし一気に2連勝で決勝へ…
高井 一憲(中日)を相手に、リードした状態で試合終了残り2分。
高井の”見えない左”を撃ち込まれ…中日本新人王を獲り逃していた。
あと…たった120秒…たった一発のパンチで丸1年の遠回り。

4Rを安全に戦った姿は、一撃の怖さを知るからこそ。
きっと大森にとっては長い長い1年だったんだと思う。

大森が、ようやく立つべきステージに立つ。
中日本新人王…おめでとう。
 
 

 
 

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