2018/8/5 -刈谷あいおいホール- 1試合目(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!

2018/8/5 -刈谷あいおいホール- 1試合目(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!
 
 
 

■2018年度中日本ライトフライ級新人王決勝
【ライトフライ級4回戦】
マンモス 和則(薬師寺) vs 太田 アレックス(西遠)

マンモス 和則 6戦5勝(5KO)1敗 サウスポー
太田 アレックス 4戦2勝2敗
 

1R開始とともにピリピリとした緊張感の中…
お互い思い切りよく大砲から入り1発ずつ交わし合った直後。

マンモスの思い切り振った右フックとアレックスの右フックが交錯。
大きく振りすぎたマンモスがバランスを崩してキャンバスに手を突く。
マンモスにとってはよくあるシーンだが…

レフリーはダウンを宣告する。
戸惑うマンモス…スリップとされてもおかしくないタイミングだが、
アレックスの拳が当たっているようにも見える。
ダウンを獲られても仕方がない状況。

思わぬ形のオープニングとなった試合。
仕切り直しての攻防…お互いに少し離れたところからタイミングを測っていたかと思いきや、
マンモスが距離を詰めたところで、お互いに大砲を振り合い、マンモスの左が炸裂する。
尻餅をつくようにアレックスがダウン。

リマッチとなったこの二人の試合…1試合目も爆裂的に面白かったが…。
噛み合い過ぎるほどに噛み合う二人…この試合もダウンの応酬となる…まだ試合は1R中盤。
立ち上がったアレックス、ダメージはそれほど感じさせない。

再開後はマンモスが勢いを増して攻めていく。
アレックスも引かずに応戦するが…大きな右フック、左ストレートが容赦なく突き刺さる。
アレックス劣勢のまま1R終了のゴング。
 

2R、一旦落ち着きを取り戻した試合。
マンモスが大きく振るパンチの合間に右ストレートを差し込むアレックス。
お互いに相手のパンチを外し合い、まともな被弾は少ない。
安全圏から踏み込んでの勝負…二人とも攻撃力に目が行きがちだが、ディフェンスも距離感も実はいい選手。
ラウンド終了直前、アレックスが強烈に左フックを撃ち込んでこのラウンドが終了。
 

3R、お互いに見合いながら踏み込んでの大砲を躱し合う。
そんな中…アレックスが踏み込んだところにマンモスの左アッパーが炸裂する。
がくぅと膝を折るアレックスに追撃を賭けるマンモス。
アレックスも思い切りよく振って応戦するが…マンモスの右フックでダウン。
一旦は落ち着いた試合にまたもや火が入る。

再開後、チャンスに振りが大きくなったマンモス。
逆にアレックスのパンチをカウンターで浴び始め、強烈なアッパーに足元をふら付かせる。

なんとかクリンチに逃れたところで…突き刺さるアレックスの左ボディ。
嫌がる素振りを見せてしまうマンモス。
大きく振りすぎたスタミナ切れもあるか…。

クリンチの頻度が増え、頭を付けての展開が増えてきたところ…。
アレックスが右アッパーを炸裂させていっきにパンチをまとめると、
潰れるようにマンモスがダウン。

この試合、両者合計4度目のダウン。
マンモスが立ち上がったところでこのラウンドが終了。
 

4R、両者ダメージと疲弊で勢いは落ちるが…手が出るのはアレックスの方。
強烈にボディも顔面も叩いていく…しかし、マンモスの一撃はまだ生きている。
強烈に右フックを突き刺しアレックスを後退させる。

大量の鼻血を吹き出すアレックス…明らかに折れている。
頭をくっつける展開が増え、マンモスの金髪が返り血で真っ赤に染まっていく。
こうなるとアレックスは鼻で呼吸ができないはず…苦しい展開になるかと思いきや。

ラスト2分…手を止めることなく、疲弊して手が少なくなったマンモスを攻め立てていく。
破格の強打を振るうマンモスだが…その数はアレックスの1/3ほどだろうか。
終盤にはアレックスがしっかりパンチをまとめてラウンド終了のゴング。
 
 

マイジャッジ 39-39 優勢点 アレックス
 
 

ジャッジが発表される。

39-38 マンモス
 
 

残り二入。
 

38-38
39-39
 

1-0のドロー。
 

優勢点は…二者が太田 アレックス。
 
 

一旦は読み間違いで35-35と発表された採点、あとで39-39に訂正されている。
 
 
 

度が過ぎるダウンの応酬となった試合。
もう採点などどうでも良かった。
血染めの熱戦に大興奮。
 
 

アレックスはこの春、名指しでマンモスを指名したうえで敗北…。
その後、中日本新人王準決勝ではかなりいい試合をしたらしい。
敗北は選手を強くすることがある。
一層のドラマを蓄えて、堂々の中日本新人王となった。
 

1Rの微妙なダウンが勝負を分けてしまった。
試合後、口に出てしまったそんな言葉に、
「せきちゃん、そんなこと言ったらボクシングの歴史が代わっちゃうよ」なんて言われた。

…その通りだ。
あのダウンはどちらに取られてもおかしくなかったシーン。
ジャッジ席に誰が座るかで結果が変わった試合でもあったと思う。
リングの上に運の要素はいくらでも転がっている。
 

アレックスはこの再戦に勝利するまで、どんな思いだったのだろうか。
今度はマンモスが、それを感じる番。

アレックスは、マンモスvsアレックスⅠを経て強くなった。
マンモスvsアレックスⅡを経てマンモスは…果たして。
 

スタミナ不足と強打ばかりが目立つが…アレックスの強打を鼻先で交わしていた目の良さだったり
足をしっかり使えたり、実はスピードもある。
ボクシング自体がかなり強い。

「スタミナさえあれば…」の声に弱点を克服するのも道だろうが…
この階級で減量に苛まれながらは難しいのかもしれない。
逆に長所をより強化するのも一つだろうと思う。

どちらにせよ、選手が強くなるためには充分なきっかけになる試合だ。
 
 

アレックスが全国の新人王たちとの戦いに飛び立つ日…。
マンモス物語がより色味を増してスタートした。
 

どの角度から見ても、試合が始まるまでの背景も、内容も…
そして試合後に抱かされる希望も…最高に面白い…最高に面白い試合だった。
 

【試合動画】
マンモス和則vs太田アレックス 1R
マンモス和則vs太田アレックス 2R
マンモス和則vs太田アレックス 3R
マンモス和則vs太田アレックス 4R
 
 

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